守ってあげます！！

お誘い

3

「だって、これ、この差出人…前に話したあの友達なの」


「あのって、人質にされたっていう…？」

姫乃は小さく頷く。

「だから、遊びのお誘いなんて…あるわけないよ」


いつも気丈に振る舞う姫乃からは想像できないほどその声は弱々しく、背を丸めて俯いている。


「もしかしてまた何かあった…！？」


姫乃はケータイを胸に当て、両手でギュッと握った。


「貸して」

「え？」


ひろかは姫乃の返事を待たずに、震える手からケータイを抜き取って迷うことなく操作している。


「ちょっ、ひろか何して─…」

「純粋な誘いにしろ何かあったにしろ、とりあえず連絡しなきゃ始まらないでしょ？
ズルズル考えて引き延ばすよりは…ハイ。」

ひろかはニッコリ笑って姫乃の手にポンとケータイを乗せた。


「な！？」

その画面は響子に発信中になっいていて、姫乃は一瞬固まってしまう。


なんてことを。
まだ心の準備できてないよ！
とりあえず一旦切って…

姫乃が親指を電源のボタンに移動させた瞬間──


『もしもし？』

電話の向こうから懐かしい声が聞こえた。