31 / 67
リョウ
2
しおりを挟む
「なんだテメェ。邪魔すんならお前もまとめて片づけるぞ」
男達が下品な笑みを浮かべ、彼に向かって一歩一歩近づいていく。
「危ない、逃げて!!」
こんな細身の優男、敵うはずがない。
しかもたった一人しかいないのだ。
迷い込んだか何かなのだろう。
姫乃がそう叫ぶと、彼はこちらを見てフッと優しく笑った。
『心配しなくていい。もう大丈夫だよ』
まるでそう言ってるみたいに。
「女の子一人相手にこれはないでしょー」
そして、そういうと男は目にも留まらない早業で次々と姫乃の周りにいる奴らをなぎ倒してく。
「…え?」
いきなりのことで頭がうまく回らない姫乃は、ただポカンとその状況を見ていた。
ついに姫乃を押さえつけていた男達も倒され、自由に動けるようになった。
そして周りの状況を見ると、すでに残るはリーダー格の男一人になっていた。
「なんなんだお前、何者だ!?」
遠くからでもナイフを持つ手が震えているのがわかる。
こんな一人では何もできない奴に捕まるなんて。
「誰だか知らないけどお礼を言うわ。
でもアレは私がやる。
じゃなきゃ気が済まない」
友達にまで迷惑をかけた。
許せない…!
「…勇ましいねぇ。
でも万一ケガでもされたらこっちも気分悪いし」
「!!
ケガなんてしないわ!
人数が多かったからやられてただけで――」
「ハイハイ。だから万一って言ってんだろ?」
トンと手刀を入れられ、姫乃は痛くもないのにあっという間に体に力が入らなくなり、その場に崩れた。
「!?」
「まぁそこで見てなよ」
男は背中を向けたままヒラヒラと手を振る。
男達が下品な笑みを浮かべ、彼に向かって一歩一歩近づいていく。
「危ない、逃げて!!」
こんな細身の優男、敵うはずがない。
しかもたった一人しかいないのだ。
迷い込んだか何かなのだろう。
姫乃がそう叫ぶと、彼はこちらを見てフッと優しく笑った。
『心配しなくていい。もう大丈夫だよ』
まるでそう言ってるみたいに。
「女の子一人相手にこれはないでしょー」
そして、そういうと男は目にも留まらない早業で次々と姫乃の周りにいる奴らをなぎ倒してく。
「…え?」
いきなりのことで頭がうまく回らない姫乃は、ただポカンとその状況を見ていた。
ついに姫乃を押さえつけていた男達も倒され、自由に動けるようになった。
そして周りの状況を見ると、すでに残るはリーダー格の男一人になっていた。
「なんなんだお前、何者だ!?」
遠くからでもナイフを持つ手が震えているのがわかる。
こんな一人では何もできない奴に捕まるなんて。
「誰だか知らないけどお礼を言うわ。
でもアレは私がやる。
じゃなきゃ気が済まない」
友達にまで迷惑をかけた。
許せない…!
「…勇ましいねぇ。
でも万一ケガでもされたらこっちも気分悪いし」
「!!
ケガなんてしないわ!
人数が多かったからやられてただけで――」
「ハイハイ。だから万一って言ってんだろ?」
トンと手刀を入れられ、姫乃は痛くもないのにあっという間に体に力が入らなくなり、その場に崩れた。
「!?」
「まぁそこで見てなよ」
男は背中を向けたままヒラヒラと手を振る。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる