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19.モンスター肉販売開始
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●7月24日 本社 水沢健司
「ああ、とうとうこの日が来てしもうた。モンスター肉を売り出す日がついに来てしもうた」
朝から陰鬱な声で伊吹がうめいている。
「伊吹さん、そんなに心配しなくても食肉事業はうまくいきますって。清美さんも、取材のたびにモンスター肉のことを宣伝してくれていました。世間の評判だって悪くはありません」
「今さら、そんなことは心配しとらん。わしが気にしとるのは、モンスターの肉などという訳の分からんものを、世間にばらまくことに対してじゃ」
「しかし、外部の調査機関の調査結果でも、危険な毒物や細菌の類は発見できませんでした。それに、私たちだって2か月近く食べているのに特に害はないじゃないですか」
「直ぐに害が分かる毒とは限らんじゃろうが。発癌物質など時間が経ってから、初めて害が出てくる毒は幾らでもある。大体、調査機関が問題を見つけられんと言っても、実際経験値などという訳の分からんものがある以上、普通の食べ物と違うのは明らかじゃろう」
「経験値のことを言い出せば、ダンジョンを用いた若返り自体が、訳の分からんものですよ。少なくとも、若返りを問題にせずに、モンスター肉だけを問題にするのはお門違いだと私は思いますよ」
伊吹はわざとらしく大きなため息をつき天を仰いだ。
「ああ、わしの不安はやはり誰も分かってはくれないのか。最近はうちのかみさんもモンスター肉の料理を出してくるし……」
「私に愚痴を聞かせるのはそういう訳ですか。まずは、奥さんと話し合ってみてください」
伊吹の嘆きとは裏腹に、ショッピングモール内に本日開店したモンスター肉販売第1号店『ダンジョンズ デリカッセン』の出足は上々であった。
これは、ダンジョンやモンスター自体が最近では好意的に話題にされることが増えたことに加え、清美自身が取材など機会があるたびにモンスター肉にも弱いながらも若返りの効果があることを宣伝して回ったことが大きかった。
店では、精肉の他に自家製のハムやソーセージ、それにメンチカツやコロッケ、から揚げといった総菜までが並んでいた。
商品の値段は通常の豚肉や鶏肉と同じ程度の手ごろな値段ということもあって、店の中には入れ替わり立ち代わりやってくる主婦があふれていた。
「奥さん、今日は角ウサギの肉がサービスだよ。定価の2割引き。買っていかないかい」
威勢のいい大将が、買い物かごを下げた40代の主婦に声を掛けます。
主婦は大将の前で立ち止まり、肉の料理法について尋ねます。
「角ウサギの肉ってどんな料理に合うのかしら」
「鶏より少し硬いけれどコクがあるね。カモ肉に似ているね。カレーや照り焼きなど何にでも合うよ」
別のキャリーバッグを引いた女性が、女性の店員に目の前にある肉の風味について尋ねていた。
「こっちのカピバラ肉はどんな味なの? おすすめの料理はある?」
「豚よりは柔らかくて癖のない味でいろんな料理に使えますよ。しゃぶしゃぶや、肉じゃが、他人丼なんかにぴったりですよ」
加工食品のコーナーでは、初老の男性が今日の晩酌のおつまみを探していた。
「こっちのソーセージは何かね」
「それは、角ウサギのレバーソーセージ。そのままでも食べられるけれども、パンに塗って食べてもおいしいよ」
「レバーということは苦みがあるのかね」
「少しはね。でも、ハーブや香辛料で味を調えてあるから、それ程苦みは強くない。試食してみるかい」
「いただこうか」
「どうぞ」といって、店員はひとかけのレバーソーセージを出してきた。
「ふむ、確かにそのまま食べるよりはパンに合いそうじゃな。それじゃあ、これと後、晩酌のおつまみに合うやつを適当に見繕ってくれ」
一方で店の外には、モンスター肉販売第1号店の様子を報道しようと、マスコミの取材陣が押しかけていた。
女性レポーターが、丁度店から出てきたトートバッグを下げた初老の女性に声をかける。
「すみません。今日は何を買いましたか」
「今日はお惣菜を買いに来ました。これは、トビトカゲのから揚げ。試食をやっていたので買いました」
「お味の方はどうでした?」
「美味しかったですよ。皮のない鶏肉みたいで。値段的にも鶏肉と変わらずに、若返りの効果がある分お得かなと思います」
中にはお店の中で撮影をしようとするお客さんもいてスタッフから止められていた。
「あら、あそこにいるのは最近話題の橋口清美さんね。写真1枚いいかしら?」
「すみません、お客さん。店内は混雑していますので写真撮影はご遠慮ください」
清美が本社に帰ってきたのは夜も遅くなってからだった。
水沢は清美にお茶を出しながら、今日の手ごたえを尋ねる。
「おつかれさま。それでどうでした?」
「まずまずね。値段を通常の鶏肉や豚肉並みに抑えたから、最初の目新しさが無くなった後もお客さんは来てくれると思うわ」
「それなら、何とかなりそうですね」
「むしろ、問題は肉の安定供給ね。今日一日で在庫が予定よりも減ってしまったから、頑張って獲物を狩らなくちゃ」
「若返り事業で出る獲物を回すのならばともかく、肉のために狩りをするとなれば原価管理をしっかりとやらないとひどいことになりそうですね。気づいたら仕入れにかかる手数料が、売り上げを上回っていたなどということになりかねません」
「うーん。それじゃあ、やっぱり店舗数を急拡大するのは無理かな」
「そうですね。若返り事業の獲物の回収率を上げるのが先決でしょう。今は、倒した獲物の中には食べられる状態にないものも少なくないですから」
「回収率を上げないと狩りをしても、結局廃棄する獲物が増えるだけの可能性もあるものね」
「回収率を上げるためには、回収のやり方をマニュアル化する必要がありそうですね。今は適当に回収して、産業廃棄物として処理しているのがほとんどですから」
「精肉に使える状態で回収した場合にはインセンティブを与えるのもいいわね。一匹当たりは10円程度でも、月当たりにするとそれなりの金額になるだろうし」
「罠を併用するのもいいかもしれません。トビトカゲやカピバラには必要ないと思いますが、角ウサギを罠でとらえることができれば、今より安全に効率よく経験値を集めることができるかも知れません」
「どこからともなく次々と敵が湧いてくるダンジョンの仕様上、完全に罠だけは無理だと思うけれもね。でも、一部でも罠にかけることができれば効率的なのは確かね」
「用いる罠は箱罠でしょうか。エサは肉がいいのでしょうかね」
「そこら辺は、実地で確認してみるわ」
清美はふと真面目な顔になり、水沢を眺める。
「どうしましたか?」
「いや、どうして食肉事業をやらせてくれるのかと思って。若返り事業に比べれば事業規模は比べ物にならないくらい小さいじゃない。その癖、何か問題があった場合の危険度はある意味、若返り事業以上ともいえるのに」
水沢は、そんなことかと言いたげに大げさに肩をすくめて見せた。
「清美さんがやりたいといったからですよ。せっかく情熱をもって何かを始めようとしているのにそれを止めるような無粋な真似はしませんよ」
水沢の言葉に、清美は少し顔を赤くしながら答える。
「そ、そうなの。ありがとう」
少し変な空気になりかけたのをごまかすように、水沢は咳払いをして続ける。
「まあ、それに若返り事業にメリットがないわけでもありません。産業廃棄物処理の費用は確実に抑えられますし、資源を無駄にしないという意味ではエコロジーに配慮した経営にもつながります」
「今はまだ声は小さいけれど動物愛護団体の対策にもなるものね。動物虐待じゃなくて、食肉用畜獣をと殺しているだけですと言えば、少しはましかもね」
ふと、気付いたように清美が周囲を見渡す。
「そういえば、こういう時にうるさい人がいないようだけど今日はどうしたの」
「伊吹さんですか。清美さんが自慢げに食肉店の話をするのを聞くのが嫌だと言って、先に帰りました」
「何をやっているんだか」
「ああ、とうとうこの日が来てしもうた。モンスター肉を売り出す日がついに来てしもうた」
朝から陰鬱な声で伊吹がうめいている。
「伊吹さん、そんなに心配しなくても食肉事業はうまくいきますって。清美さんも、取材のたびにモンスター肉のことを宣伝してくれていました。世間の評判だって悪くはありません」
「今さら、そんなことは心配しとらん。わしが気にしとるのは、モンスターの肉などという訳の分からんものを、世間にばらまくことに対してじゃ」
「しかし、外部の調査機関の調査結果でも、危険な毒物や細菌の類は発見できませんでした。それに、私たちだって2か月近く食べているのに特に害はないじゃないですか」
「直ぐに害が分かる毒とは限らんじゃろうが。発癌物質など時間が経ってから、初めて害が出てくる毒は幾らでもある。大体、調査機関が問題を見つけられんと言っても、実際経験値などという訳の分からんものがある以上、普通の食べ物と違うのは明らかじゃろう」
「経験値のことを言い出せば、ダンジョンを用いた若返り自体が、訳の分からんものですよ。少なくとも、若返りを問題にせずに、モンスター肉だけを問題にするのはお門違いだと私は思いますよ」
伊吹はわざとらしく大きなため息をつき天を仰いだ。
「ああ、わしの不安はやはり誰も分かってはくれないのか。最近はうちのかみさんもモンスター肉の料理を出してくるし……」
「私に愚痴を聞かせるのはそういう訳ですか。まずは、奥さんと話し合ってみてください」
伊吹の嘆きとは裏腹に、ショッピングモール内に本日開店したモンスター肉販売第1号店『ダンジョンズ デリカッセン』の出足は上々であった。
これは、ダンジョンやモンスター自体が最近では好意的に話題にされることが増えたことに加え、清美自身が取材など機会があるたびにモンスター肉にも弱いながらも若返りの効果があることを宣伝して回ったことが大きかった。
店では、精肉の他に自家製のハムやソーセージ、それにメンチカツやコロッケ、から揚げといった総菜までが並んでいた。
商品の値段は通常の豚肉や鶏肉と同じ程度の手ごろな値段ということもあって、店の中には入れ替わり立ち代わりやってくる主婦があふれていた。
「奥さん、今日は角ウサギの肉がサービスだよ。定価の2割引き。買っていかないかい」
威勢のいい大将が、買い物かごを下げた40代の主婦に声を掛けます。
主婦は大将の前で立ち止まり、肉の料理法について尋ねます。
「角ウサギの肉ってどんな料理に合うのかしら」
「鶏より少し硬いけれどコクがあるね。カモ肉に似ているね。カレーや照り焼きなど何にでも合うよ」
別のキャリーバッグを引いた女性が、女性の店員に目の前にある肉の風味について尋ねていた。
「こっちのカピバラ肉はどんな味なの? おすすめの料理はある?」
「豚よりは柔らかくて癖のない味でいろんな料理に使えますよ。しゃぶしゃぶや、肉じゃが、他人丼なんかにぴったりですよ」
加工食品のコーナーでは、初老の男性が今日の晩酌のおつまみを探していた。
「こっちのソーセージは何かね」
「それは、角ウサギのレバーソーセージ。そのままでも食べられるけれども、パンに塗って食べてもおいしいよ」
「レバーということは苦みがあるのかね」
「少しはね。でも、ハーブや香辛料で味を調えてあるから、それ程苦みは強くない。試食してみるかい」
「いただこうか」
「どうぞ」といって、店員はひとかけのレバーソーセージを出してきた。
「ふむ、確かにそのまま食べるよりはパンに合いそうじゃな。それじゃあ、これと後、晩酌のおつまみに合うやつを適当に見繕ってくれ」
一方で店の外には、モンスター肉販売第1号店の様子を報道しようと、マスコミの取材陣が押しかけていた。
女性レポーターが、丁度店から出てきたトートバッグを下げた初老の女性に声をかける。
「すみません。今日は何を買いましたか」
「今日はお惣菜を買いに来ました。これは、トビトカゲのから揚げ。試食をやっていたので買いました」
「お味の方はどうでした?」
「美味しかったですよ。皮のない鶏肉みたいで。値段的にも鶏肉と変わらずに、若返りの効果がある分お得かなと思います」
中にはお店の中で撮影をしようとするお客さんもいてスタッフから止められていた。
「あら、あそこにいるのは最近話題の橋口清美さんね。写真1枚いいかしら?」
「すみません、お客さん。店内は混雑していますので写真撮影はご遠慮ください」
清美が本社に帰ってきたのは夜も遅くなってからだった。
水沢は清美にお茶を出しながら、今日の手ごたえを尋ねる。
「おつかれさま。それでどうでした?」
「まずまずね。値段を通常の鶏肉や豚肉並みに抑えたから、最初の目新しさが無くなった後もお客さんは来てくれると思うわ」
「それなら、何とかなりそうですね」
「むしろ、問題は肉の安定供給ね。今日一日で在庫が予定よりも減ってしまったから、頑張って獲物を狩らなくちゃ」
「若返り事業で出る獲物を回すのならばともかく、肉のために狩りをするとなれば原価管理をしっかりとやらないとひどいことになりそうですね。気づいたら仕入れにかかる手数料が、売り上げを上回っていたなどということになりかねません」
「うーん。それじゃあ、やっぱり店舗数を急拡大するのは無理かな」
「そうですね。若返り事業の獲物の回収率を上げるのが先決でしょう。今は、倒した獲物の中には食べられる状態にないものも少なくないですから」
「回収率を上げないと狩りをしても、結局廃棄する獲物が増えるだけの可能性もあるものね」
「回収率を上げるためには、回収のやり方をマニュアル化する必要がありそうですね。今は適当に回収して、産業廃棄物として処理しているのがほとんどですから」
「精肉に使える状態で回収した場合にはインセンティブを与えるのもいいわね。一匹当たりは10円程度でも、月当たりにするとそれなりの金額になるだろうし」
「罠を併用するのもいいかもしれません。トビトカゲやカピバラには必要ないと思いますが、角ウサギを罠でとらえることができれば、今より安全に効率よく経験値を集めることができるかも知れません」
「どこからともなく次々と敵が湧いてくるダンジョンの仕様上、完全に罠だけは無理だと思うけれもね。でも、一部でも罠にかけることができれば効率的なのは確かね」
「用いる罠は箱罠でしょうか。エサは肉がいいのでしょうかね」
「そこら辺は、実地で確認してみるわ」
清美はふと真面目な顔になり、水沢を眺める。
「どうしましたか?」
「いや、どうして食肉事業をやらせてくれるのかと思って。若返り事業に比べれば事業規模は比べ物にならないくらい小さいじゃない。その癖、何か問題があった場合の危険度はある意味、若返り事業以上ともいえるのに」
水沢は、そんなことかと言いたげに大げさに肩をすくめて見せた。
「清美さんがやりたいといったからですよ。せっかく情熱をもって何かを始めようとしているのにそれを止めるような無粋な真似はしませんよ」
水沢の言葉に、清美は少し顔を赤くしながら答える。
「そ、そうなの。ありがとう」
少し変な空気になりかけたのをごまかすように、水沢は咳払いをして続ける。
「まあ、それに若返り事業にメリットがないわけでもありません。産業廃棄物処理の費用は確実に抑えられますし、資源を無駄にしないという意味ではエコロジーに配慮した経営にもつながります」
「今はまだ声は小さいけれど動物愛護団体の対策にもなるものね。動物虐待じゃなくて、食肉用畜獣をと殺しているだけですと言えば、少しはましかもね」
ふと、気付いたように清美が周囲を見渡す。
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