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絵画のような人魚ー60ー
しおりを挟む緑郎が手に入れたとっておきの情報とは……
「あの純奈ちゃんがヌードモデルになるんや!!」
「マジかよ!!あの子、そんなに大胆な子だっけ!?」
大袈裟じゃなくて、ほんとうに秋人は驚いたのか声を大して言う。僕も驚いたけど、一体どう言う事なんだ!?
「それじゃあ、真壁さんは俺たちの前でヌードになるってこと?」
「まさか!!四季くん、それはありえへんわ。実際、当日は男と女は別れるから見れるわけないやん」
「何だよそれ、お前な、変な期待させんなよ」と秋人がマジで残念そうに言った。
「でも、描いたデッサンは見れるわけだろう。まあ、実物どおり描くはわかんないけどな」と僕が言うと、緑郎はそれでも見れたらラッキーと一人で盛り上がっていた。
「純奈ちゃんって、めっちゃ巨乳やんか。あれなんかな?巨乳の子って」と緑郎はそう言って、秋人の顔を見た。
「お前が言いたい事はわかる。つまり巨乳だと乳輪が大きいイメージをしてるんだろう」
「そうなんよ。あれだけの巨乳の持ち主やけど、乳輪がデカかったらちょっとだけ萎えるやん」
「緑郎、お前の言い方だとこれから真壁さんと何かあるみたいじゃないか」
「それはわかれへんやん。僕も四季くんもその可能性が有るって話やろ。まあ、秋人くんは風子ちゃんがおるからあかんけどな」
僕はそれを聞いて、緑郎の奴、まだ秋人に彼女ができたことを根に持っているように聞こえた。
「何だよそれ、俺にも万が一あるかも知れないだろう。なあ、四季」と何故か同意を求めてきた。
「秋人らしいけど、問題発言には変わらないかな」
「あっ、やっぱり。今のは風子に内緒な」と秋人は笑いながら言う。緑郎も一緒になって笑っていたけど、僕だけは正直なところ笑えなかった。
二人は知らないけど、僕は彼女が居ながら、真壁純奈と関係を持とうとしたからだ。(未遂で終わったけど……)
だけど心の中で、彼女の乳輪はデカくもないし、綺麗な胸だったと口が裂けても言えなかった。そう反論したい気持ちだけがあったーーと言うだけの心模様である。
翌日、ゴールデンウィークがやって来た。僕にしたら連休なんて楽しくもない。ただただ図書館で働く毎日を過ごすことになるのだ。
みゆきも連休は地元の友達と遊ぶ約束をしていたので、地元の岐阜県に帰省してしまった。これで連休中は会うこともできない。秋人は秋人で、色々と予定があるみたいだった。風子は地元に帰ったのか聞かなかったけど、特に問題もなく、二人は順調良く付き合っている感じはした。
僕の問題は問題として、心の中で山積みされていた。このままほっといたらいつかは崩れ落ちて大惨事となるだろう。そんな事はわかっていたけど、今はこの微妙なバランスを保つのに精一杯だったのだ。
あれから真壁純奈から連絡は無かったのが唯一の救いかもしれない。だから僕は逃げ場のない線路を走り続ける事しか出来なかった。
出来なかったのだ……
つづく……
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