Sランク〜天災級〜へと至ったトカゲ

時雨

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第3章

41話

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 数時間後、目が覚めたカラミティは、自分が強くなっている事を実感できた。
 こんなことは数ヶ月ぶりであった。
 それもそのはずで、いまや魔の森に住んでいる魔物は、同じAランクであってもカラミティからすれば格下であった。
 今のカラミティはSランクに近いAランクであり、魔の森に住んでいるAランクの魔物はどちらかといえばBランクに近かった。
 そんな魔物の魔石を食らったところで、カラミティからすれば得られる力は微々たるものでしかないのも当然であった。
 それに対し、ここにいるべへモスはカラミティと同等と言えるほどの力を持っている。
 だからこそ、力を増したことが実感で来たことが、本当に久しぶりであった。

 これでようやくセフィロトに対抗できるかもしれない。

 停滞していたカラミティは、壁を乗り越えることができ、そう考えた。
 問題は、ここにいるべへモスを全て食べ尽くした時、どれほどの力を得られるか、だった。
 今は実感できるほどの力を得られるが、このまま強くなっていけば相対的に得られる力が少なく感じる事になるのは間違いない。
 全てを食べ尽くした時、どこまでセフィロトに迫っているだろうか。

 そんな事を考えたが、全てを食べ尽くした時にどれほどの力を得ているかなど予想できるはずがなく早々に考えを放棄した。
 それよりも、他のべへモスを倒すことが重要だと考えを改めた。

 今回の作戦はうまくいった。
 なら、しばらくはこの方法で、他のべへモスも倒していこう。

 そう思い、場所を移動して、同じ仕掛けを施していく。
 この作戦は、なかなか上手くハマり、へべモスを狩る事に成功した。
 たまにだが、同時に2体以上が来た時があったが、その時はその仕掛けを放棄して逃げ出した。
 流石に、べへモスを2体以上を同時に相手にして、勝てるとは思わなかったからだ。
 それでも順調に狩りを成功させていき、力を蓄えていった。

 時間は流れ、1ヶ月が経ちべへモスを狩った数が10体を超えたところで、様子が変わった。
 魔鉱石の仕掛けを作っても、なかなかべへモスがやってくることがなくなり、来たとしても2体以上であった。
 どうやら、べへモスたちは、カラミティが仕掛けた罠に対し、警戒しているようだった。
 それも仕方ない。
 この仕掛けによって、10体以上の仲間がいなくなっているのだ。
 警戒しない方がおかしい。
 どうしていなくなったのかわからずとも、1体だけで餌である魔鉱石を取りに行っていなくなっているのがわかっているのであれば、魔鉱石を取る場合は1体だけでなく、2体以上で取りに行かせればいい、と考えたのだ。
 その考えは正しい。
 今のカラミティは、力を増したとはいえ2体以上のべへモスを相手にするのは難しい。
 実力だけで考えれば、2体同時に相手にしても勝てる確率は5割以上はあるだろう。
 だが、勝てないと判断したべへモスたちが、逃げるか仲間を呼ぶ行動をとった場合、カラミティの勝率は激減する。
 2体同時に逃げ出した場合、1体が残りもう1体が仲間を呼びに行った場合のどちらでも、結果は同じだ。
 1体は倒せても、もう1体は逃してしまう。
 そうなれば、べへモスたちにカラミティの存在がばれる事になる。
 その後べへモスたちがどういう行動をとるかはわからないが、今までのように狩ることはできなくなるのは間違いないだろう。
 故に、カラミティは、この作戦はここまで、と放棄する事を決めた。
 そうなると、これからどうやってべへモスを狩るのかが問題だ。
 真っ正面から向かうとしたら、1体だけならば勝てるが、2体だと5割くらい、3体以上だと1割以下だろう。
 できれば1体の時を狙いたいが、今までの様子でそれは無理だとわかっている。
 ならば、2体の時を狙いたいところだが、1体も逃さないようしなければならない。
 そうなると、難易度が上がる。
 さて、どうしたものか、と考えるが、なかなか思い浮かばない。

 仕方ない。気分転換にワイバーンの様子を見にいくか。

 カラミティは、1ヶ月ぶりにあったワイバーンを見て、軽く驚いた。
 なぜならば、久しぶりに見たワイバーンは1回り以上大きくなり、成体と変わらないほどとなっていた。
 しかも、感じ取った強さも成体に迫るほど、つまりAランクの強さを持っていたのであった。
 それほどの成長をしたにもかかわらず、ワイバーンはカラミティを見つけると、カラミティに近寄り頭をこすりつけていた。
 このわずかひと月で、何があったのかカラミティはわからなかったが、今のワイバーンを見て、べへモスの足止めくらいならばできそうだと感じた。
 問題は、ワイバーンをどう使うかだ。
 下手に使えば、殺されてしまう。
 カラミティは、この懐いているワイバーンをむやみに死なすような真似をしたくはない。
 だから、ワイバーンが死ぬリスクが少ない方法を懸命に考える。
 だが、思いつくものは一つだけだった。
 他にいい方法がないかと考えたが、思いつかない。
 なら、その方法で一番うまくいくように作戦を考えるしかない。
 そのためには。

 カラミティは体を小さくして、ワイバーンの頭に乗ると尻尾でペシペシと叩く。
 そうすると、ワイバーンは羽を動かし、空へと舞った。
 空へと舞うと、カラミティはワイバーンに指示を出し、べへモスの巣を上空から眺めた。
 かなりの高さを飛んでいるはずなのだが、べへモスの中にはカラミティたちに気づき威圧をかけるものがいた。
 すると、ワイバーンは羽ばたきを増し、急いでその場を移動する。
 強くなったとはいえ、まだべへモスは脅威なようだ。
 それでも、以前は近寄ることができなかった事を考えれば、十分に強くなっている。
 しばらくべへモスの巣の上を飛んでいたが、カラミティは満足したのか、元にいた場所へ帰る指示を出し、地上へと降りる。

 地形は大体わかった。
 あとは、うまく2体だけのべへモスを引っ張り込むことができるか、だ。
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