アークの涙 -転移した者たちの戦争物語-

Usuta96

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第壱章 サファイアシュラン編

各々の地獄

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「おーい!もぉーがぁーん!起きてる?」
モーガン(私を殺した男の声がする…?)

目を開けるとそこには確かにあの男がいた。
やっぱりあのウザったらしい声は本物だった。
「お、俺は死んだはず…。それにここはどこだ…。」

「ここはどこかなんてどうでもいいよw 
問題は君がどう選択するか!」

「…は?」
「ご存知の通り、君は死んだ。もうぽっかり腹に穴開けてねw。でもって今ここで、一時的に復活してる。そして君には選択肢が二つある。」

「選択肢?」
「もう一遍ちゃんと死ぬか、俺たちの仲間になるか。まあその時は、組織の階級の一番下からスタートだけどね!」

「なるほどな、お前らそれを狙ってあの時あえて俺を殺したのか」
「まーね! でも狙いは違かったけど。」

「となると、お前もかつてアークエンジェルで死んで組織の構成員として蘇ったわけか。だから仮面を付けてるんだな。」
「御明答!」

おかしい…。他人の能力をコピーするなんて理にかなってない。アークエンジェルはその国境付近の2つの国のアークを掛け合わせたような能力になるはず。
俺のようのアークライトの火+水みたいに2つのアークを掛け合わせたような能力が普通だ。でもコピーはどの属性にも当てはまらない。三門の雷だって土と火で雷をイメージされているし、毘奈川渉の光と闇も、火の明るさと風の激しさの要素でできてるはず。なのになぜ…。

というか、選択も何もここがどこでどんな組織かも全く検討もつかないが、イグニス帝国だけじゃなく他の4カ国にとって不利益なのは間違いないだろう。
だが、それ以上に…

「俺は自分を殺したお前らの下に着くなんて御免蒙るね。だったらまだ死んだ方がマシさ。」

「あっそ。ルパート様、どうします?この人」
「…死なせてあげなさい。」

何者だ…。暗くて見えない…。
どこか優しい口調だ、

「ようやく下ができると思ったのに、。ま、いいや!じゃ、またおねんねしましょーね!」

「な、お前ら!何者なんd…」





そしてイグニス帝国ではアークエンジェル1人を失ったことにより軍が騒がしくなっていた。

「こら三門。お前は何かあるとようここにおるわな。」
「こんな夜遅くに俺に何の用だ。」
「まぁそないがっつくなや。お前さん、火天様が呼んでるで?はよ行きや!」
「ちっ。分かったから今行くわ」

三門は城の奥にある王室に入った。そこには秘書兼側近のビヨンセ似の女性がいた。
「こんな夜更けに何の用だ。ハゲジジイ。」
「失礼ですよ。一応この国の王なんですから。」
「一応とはなんだね。一応とは。まあ良い。お前さんを呼んだのは他でもない。現在この国は主力のアークエンジェルが1人死に、かなり戦力が傾いている。それに伴い、お前さんを含めた数人の若い兵を私が鍛え直す。」

「俺は構わねえが、そんなことしてて大丈夫なのか?」
「ああ。アークエンジェルの暗殺は秘密扱いにして民衆には漏れないようにする。それにサファイアシュラン王国もしばらくは攻めないだろう。」

「きっとそのサファイアシュランの王国軍も俺とほぼ互角だった毘奈川渉も同じように成長させるだろうな。となると、そのうち攻めることは明白。」
「確かにそうだな。」
「あいつらのことだ。そうだな、半年だな。半年経てばあいつらは十分な訓練を積んでこちらに攻めてくるだろうな。」
「そのくらいか。ではこちらもそれに間に合うよう戦力を整えるとするかな。」





そのサファイアシュラン王国では全体の勢力を高めるため、各々が一階級上の者に訓練させるという策を立て、同じような成長の策をイグニス帝国が実行し半年後始まる戦争に備えていた。

「しかし、なんで半年なんだ?マリアさん」
「アークライターは半年でかなり成長できるの。そういうものだと思ってちょうだい。」
「たしか、伊藤も半年間こっちにいたんだよな」
「そうよ。アークライトが使えないものでもあそこまで成長できるってわけ。」
「なるほどねぇ。で、ここはどこなんです?」

訓練室とは違った小川の流れる長閑な田舎だ。
「ここは王国の外れにある田舎です。人はほとんど全く住んでいないですから遠慮なく全力を出せます。」
「自分はここで何をするんですか?」
「無論、訓練です。扱き殺します。」
「…よろしくお願いしますッ!」
マリア(こんなに速く覚悟を決めるなんて流石ですね)

「ところで、伊藤やカールはどうしてるんですか?」
「彼らは大将なので特別コースです。水天様直々に訓練しています。あ、あと言い忘れていましたが、訓練が終わるまで帰れませんよ?」
「…分かりました。」


あいつらも頑張ってるんだ。ここで確実に強くなってやる。三門もきっと、次会うときはさらに強くなっているに決まってる。
こんなとこで腐ってる訳にはいかない…!

こうして各々、それぞれの地獄を見て半年が過ぎた。
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