【完結】悪役に転生した俺、推しに愛を伝えたら(体を)溺愛されるようになりました。

神代シン

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第41話「満たされる身体」

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 なにより、余裕ない表情で必死で腰を打ち付けるレイの表情は例えるとまるで獣のようで。快楽に目覚めたようなその目がみていてひどく興奮した。


「良すぎて……止めたくても止められんのだ」


 レイが俺の身体を求めてくれている。こんなに嬉しいことはない。


「うっ……もう、出すぞ……」

「ーーっ、俺も!」


 怖くて怖くてたまらなかったのに、こんなに感じるもんなのかよ……! 何度も良いところを突かれ、頭がふわふわし出した。


 意識が持っていかれる。その体験を今初めてしている。腰を掴まれレイが俺の中で果てると同時に俺も一緒に果ててしまった。互いに肩で息をしながら少し休んだ後、後ろ向きの体制に変えられ、それからはレイに主導権を握られる形となり、気が済むまで犯されまくった。


 あれから何回抱かれただろうか。
 壁に掛けられている時計に目を向けると、既に行為開始から三時間近く経過していた。



 この日から毎晩三時間近くレイに抱かれる日々が続いた。すっかり身体はレイに馴染んでしまって、俺の身体はおかしくなってしまったんじゃないかと思う。月に一度ほど、ハチミツはポルニア国へやってきては俺に「ソウル様はお体があまり強くありませんので、月に一度これを飲んでくださいね」と都度薬を渡される。


 ソウルの身体は無敵だと思っていたけど、そうではなかったらしい。そんな日々が三ヵ月ほど続き、


「……も、むり、レイ、終わりで……」

「何を言っている。私はまだ貴様の奥に挿れていないぞ」

「でも、俺……もう何回も果ててるんだって……」


 今日も指で奥をいじられ、何度も好きなようにさせられている。


「も、レイ、ほんと、毎日は無理だって……」

「貴様の尻の具合が良すぎるのが悪いんだろ。毎日抱いても抱ききれないほどだ。今日こそ貴様が以前買ったグッズとやらを使うか?」


「はあ? 絶対やだ! これ以上したら尻が壊れる……」


 俺も人より性欲が強い自信はあったけれど、三ヵ月も毎晩毎晩飽きずに身体を求めてくるレイはそれ以上だ。性欲が底なしだと思う。


「……仕方ない。たまには休息も必要だしな。今日はこれくらいにしてやる」


 ふとベッドから起き上がると、またシーツが大洪水になっていた。


「レイ、ベッド……シーツ替えなきゃ」

「ああ、そうだな。ミケにお願いするとするか」


 毎晩毎晩ミケにシーツを替えてもらっている。その度にミケは「またですか」と哀れな目を俺に向けてくる。
 そういえば声……この部屋は防音室ではないから声は控えろと忠告されていたんだった。俺、全然抑えきれてなかった。三ヵ月もの間、もしかしたら城内の人物に聞かれていたかもしれない。


「レイ……俺、改めて思うと声、全然抑えきれてなかった。ごめん……」


 謝ると、レイは俺をそっと抱きしめた。


「謝るな。貴様を抱くことができて毎日凄く良い夜を過ごしている。こんなに気持ちいい感覚は初めてだ」

「……そっか。でも、良かったじゃん。俺でできたんだから、これでミケとも行為できるだろ」


 心の奥で思っていた本心をついポロっと口にしてしまった。と同時に抱きしめてくれている腕の弱さが少しだけ弱まった。


「……私は貴様以外抱くつもりはないし、私のここが貴様以外で反応するとも思えん。貴様もそうだろう?」

「お、俺は元々レイが好きでたまらなかったからだし……でもレイは違うだろ。ソウルのことは別に好きじゃなかっただろ。それなら、それはただの思い込みだ」

「私はソウルを抱いているわけではない。貴様を抱いているのだ」


 …………なっ。そんなことを言われたらまるで俺が好きだと言われているようで勘違いをしてしまう。レイにもっと依存してしまう。レイの負担になってしまう。


「勘違いさせるようなこと言ってんじゃねぇよ……」


 レイに聞こえないように言葉にしたつもりがしっかり聞かれてしまっていたようで、「貴様は変に思い込むクセがあるからな。自分の都合のいいように解釈するな。不安に思ったら私に話せ。私が正す」と、今までになく優しい言葉をかけてくれた。


「何を不安に思っているのか分からんが、私は貴様以外とこういうことはしない。だから、これからもずっとここにいろ」


 知りたい。今どういう気持ちでこういうことを言ってくれているのか、レイの頭の中を覗いてみたい。

 レイの腕に抱かれながら必死にしがみついていると、ドアをトントンと叩く音が聞こえた。


「レイ様、ミケです。今晩もシーツを替えさせていただきますね」


 いつも通りに俺たちの部屋にやってきたミケは手慣れた手つきでシーツを替えている。これが毎晩な為、今では俺とレイが服を着ていなくても驚きはしなくなってしまった。

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