「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第12章 攻撃型海中移動基地「海神(ワタツミ)級」の2番艦「須佐之男命(スサノオ)」

第8話 出撃!攻撃衛星モリガンの第2中隊。

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 鈴木2等宙尉の言葉に反応するソフノフスカ。
 
 目を大きくした。
 
 そして、後ろに浮かぶ清水へ向かって大声で叫んだ。
 
「大樹良くやった!清水少尉~っ!全モリガン中隊出撃!網の目で津軽海峡全体に衛星対地探査波を放射する。早く清水っ!」
 
 探査波を津軽海峡付近の全域を放射することで、反射しない地点が動く。

 それが敵、小型潜水艦の居場所となるのだ。
 個別にチマチマと狭い地点を探索する必要がないのだ。
 
 探査派に反応しない暗い物体が敵なのだ。

 それに気が付いたソフノフスカと鈴木、木村だった。

 モロー大佐に全モリガンの出動要請をする清水少尉。
 
「モロー大佐。全モリガン緊急出動依頼!全モリガン緊急出動依頼!」
 
 シーラス2ボーチャンのふたつ目の球形司令室に浮かぶ2人の男女の司令。

 その男性と女性の司令が目を合わす。
 そして、清水に即答した。

( こちらモロー!出動依頼受領しました。全モリガン出動します。 )

 モリガン1、2の球形コントロール・ルーム。
 球形司令室の中間に浮かぶ、モリガン第2中隊司令のモロー大佐と、副指令のナタリー・ゴーティエ大尉だった。
 直ぐに、出撃警報を鳴らした。

( ジリリ、ジリリ、ジリリ。モリガン全機出動。訓練にあらず。ジリリ、ジリリ、ジリリ。モリガン全機出動。訓練にあらず。敵、小型潜水艦部隊の探査依頼。敵、小型潜水艦部隊の探査依頼。直ちに出撃する。ジリリ、ジリリ、ジリリ……。 )

 管制制御がされているモリガンスタッフ個室ルームや、待機ルームに鳴る警報とアナウンス。
 
 ベットルームや待機ルームから飛び出すモリガンパイロット、コマンダー、エンジニアーたち。
 
 現在、モリガン1、2の2機が稼働し、苫小牧近海のチャイニーズアクシスの潜水母艦艦隊を追尾していたが、津軽海峡全域の探査に作戦が切り替わったのだ。
 
 残り18機の戦闘・攻撃衛星が出撃する。
 
 管制制御の効く長い廊下を走り抜け、無重力の自分の持ち場のリモート・ジョブステーションに次々に着くパイロットやエンジニア、コマンダーたち。
 
 シーラス2ボーチャンのモリガン発射用マグネット・レールウェイ・カタパルトの18基が、一斉に同じ方向へ向いた。
 
 カタパルトにセットされ始めるモリガン1、2の戦闘攻撃監視衛星。
 モロー大佐の目の前の3D画面には発射準備の完了したカタパルト番号が点滅始める。
 
 しかし、2つの文字が点滅していない。
 
 気が付くリュカ・モロー大佐とナタリー・ゴーティエ大尉。
 と、その後ろから2組のモリガン2チームが来た。
 
 2組ともパイロットを両肩でかついでゼログラビティ空間に浮遊して来た。
 パイロットを見ると、2人の女性パイロットがヘッドギアの中で寝ている。
 
 呆れて目を合わせるリュカとナタリー。
 2組のエンジニアとコマンダーが何度もリュカたちを振り向きわながら、自分たちはコンソール席に着いた。
 
 意識のないパイロットを席に無理やり乗せるエンジニア。
 そこにリュカが仕方ない顔をして浮遊していく。
 そしてコマンダーの肩を叩いて、振り向かせた。
 
「オイ、オイ。スタンリー中尉、君のチームに何があった。グラハム中尉、なんで意識が無いんだ。寝てるのか?緊急出動があるかもしれない戦時下で、いったい何をしているのだ。」
 
 目をつむったままの女性パイロットのヘッドギアをつかむリュカ。
 隣のコマンダーを睨んだ。言い訳を始める男性コマンダー。
 
「ア、アッオー。実は昨晩、戦闘が起きたら晩飯で酒が飲めなくなると言う事で、チームパイロット対抗ショット合戦をしまして。えへへ。」
 
 大きな青い瞳で上を見るリュカ。
 それからギロッとスタンリーを再び睨んだ。
 
「それで、どこのチームが勝ったんだ。ショット呑みに勝ったパイロットは誰だ?」
 
 怒られると思ったが、違う質問で動揺するコマンダーのスタンリー中尉。
 
「ワオ!え?あ、え!いや、いや、あのー……。」
 
 肩の横でツンツンと親指で上を差した。
 
 モローが顔を上げると、ふわふわと人形の様に大の字になって浮かぶ女性パイロット、オリビア・サンチェス中尉だった。
 
 そのサンチェス中尉の代わりにナタリーが臨時パイロットで席に着くところだった。
 
 フンッと鼻で笑うリュカ。
 
 スタンリー中尉と、エンジニアの航空宙空自衛隊、前川宙士長の2人をワザとらしく指を差して、無言で見るリュカだった。
 
 かなりの怒り目だった。
 下を見て、二日酔いで眠ったままの女性パイロット、エマ・グラハム中尉のヘッドギアを再び持って、顔を近づけた。
 
「エマ!お前っ!く、くっ。グラハム中尉っ。お前まで。ビッチ!」
 
 歯ぎしりをするモロー大佐だった。リュカの一言、一言にピクッ、ピクッと反応して、目をつむる前川とスタンリーだった。全中隊員が不安げに注目している。
 
「で、この、エマは何番だった?」
 
 ビクビクしながら話すスタンリー。前川は目をつむったままだった。
 
「ハイ、ですからサンチェス中尉が1番で、エマは、」
 
「2番か?だろう?」
 
 思いっきり上下にうなずくスタンリーと前川。
 
「フンッ!ほんとにお前たちは。」
 
 誰の目にも怒りを抑えているのが解る、リュカ・モロー・モリガン第2中隊司令だった。
 
 上の目線を感じて、天井を見るリュカ。ナタリーの上にかぶさって浮かんでるサンチェス中尉を無理矢理避けて、リュカに向かって敬礼するナタリー。敬礼中にも反動でまたかぶさるサンチェス中尉。また腕で避けるナタリーだった。
 
 左右に座る女性エンジニアとベテランオッチャンコマンダーを睨んで見るナタリー。
 ナタリーの視線を合わせない2人。
 正面に来たフワフワと大の字で浮遊するパイロット2人。
 気持ちよく寝てるんだろうなぁと思うと、なんだかバカ臭くもあり、何故か愉快になるナタリーだった。
 また天井を見るナタリー。
 リュカが2本指敬礼をギュッとした。
 返礼をするナタリー。
 そして、リュカが正面を見て号令をかけた。
 
「紳士、淑女の諸君!さぁ、よろしいか!」
 
 (( イェッサー! ))

 全員が威勢よく返事をする。
 
「降順で1番より射出開始する。モリガン第2中隊出撃っ!」

 (( イェッサー! ))

 無音の宇宙空間。下には母なる青い地球。
 
 その母なる地球の反射光を浴びて、下から照らされるシーラス2ボーチャン。
 
 モリガン・カタパルトから順番に、音速の20倍で射出されるモリガン1、2の戦闘攻撃監視衛星。
 
 そんな出撃状況のカタパルトを球形司令部の後方の小窓から覗いて見ているソフノフスカ長官だった。
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