「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第13章 敵の名はチャイニーズ・アクシス。

第4話 フェニックス。

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 トラックから出て来た初老のドライバーが、一瞬止まり男性の後ろを指差した。
 
「貴明っ!う、後ろ。」
 
「はい?」
 
 振り向くと、拳銃を笑いながら向ける少女がいた。


(( パンッ! ))


「ウガッ。」

 胸を撃たれる斎藤。

 その膝を地面に落とした。更にトドメを差す少女。


(( パンッ! ))
 

( ドサッ。 )
 
 更にヘルメットの上から頭と胸を撃たれ倒れ込む港湾管理士の斎藤だった。

 その奥に立ち尽くす山本へ続けて銃撃した。


(( パンッ! ))

 
( ドサッ。)

 後ろに倒れる初老の山本と、穴の開いたヘルメットが吹き飛び地面に転がった。
 

( コッコッ、カランカラン。 )

 
「フンッ!」

 鼻で笑って、倒れた男性を見向きもしないで貨物船が係留されている中央北ふ頭へ歩き始める少女だった。
 
( アズマさん、アズマさん。部下が、ムコがぁ殺されたぁうわわ。うわ~ん。なんでだ。なんでだ。うわ~ん。 )

 うなだれる会議室のメンバー達。
 
( 山さんも貴明(斎藤)も、私の目の前で撃たれるなんてぇうわわ。うぅ。うぅ~。嘘だろ~嘘だろ。こんな事。それも子供に。しかも女の子に。なんなんだあの女の子は。山さん~。貴明~。うぅ。孫と娘と一緒にぃ、孫と娘一緒に……。うう。小樽水族館に、この緊急事態が終われば行くハズだったのに。ぅ、ぅわぁーん、すまん貴明~っ! )
 
 八雲組合長の、悲痛な声が聞こえるスピーカー。

 いたたまれない表情になって、会議テーブルの真ん中におかれたスピーカーをみる海保の東チームの面々。

 東がまた何かに気が付いた。

「八雲さん、その女の子、何処に向かっていますか。正面を観る事ができますか?」

 陸屋根の屋上で体育座りをして泣いていた八雲組合長。

 単眼鏡で泣きながら少女を見た。

 次第に、周りの港湾から救急車やパトカーのサイレンの音が聞こえて来る。
 

( ウー、ウーッ!ウー、ウーッ!)

( ワァンワァンワァン、ワァンワァンワァン。)

( ピーポーピーポー。 )
 
 泣き顔もまま、のっそり立ち上がる八雲組合長。

 フェリーターミナルに止まる複数のパトカーと救急車。
 
 その後から日本国陸軍8輪の31式機動戦闘支援車1輌と、特殊部隊の装甲車が4輌到着した。
 
 装甲車から特殊部隊の約20名程の兵士が出て来てフェリーターミナルの周りに展開した。

( うぅ、ズルズル。あ~あ~アズマさん。日本の軍隊もフェリーターミナルに来ました。あー、女の子。中央北の貨物船の所に向かってます。な、なんだ、うわっ! )
 
 少し焦って話す東3等海上保安監。

「どうしましたか?八雲組合長っ!」

( 人殺しの女の子。そ、それもスカートを広げながら踊って貨物船に向かって……。人殺してるのに、踊りやがって!うぅ~〇チガイかっ! )

 椅子から立ち上がる東3等海上保安監。部下達と目を合わす。
 
( う、うっ。あっ波止場で止まりました。笑いながらしゃべってますよ、あの女の子。人殺してるのに笑ってるって。あの殺人鬼は子供軍人?テロなのか?あ、あ、なんかスカートから取り出して耳に付けましたよ。)

「八雲組合長さん。もう監視は止めて、そこはもう危ない避難……。」

 東3等海上保安監の話を、遮って八雲が報告する。
 
( あっ!向かいの!貨物船の、貨物室の天井が開きました。なんだぁ?オーニング、って天幕じゃないのか?あれ~。ん~っ……ん?オーニングのシワの形までつけた金属の天井です。今、それが開きました! )

 直属の部下の田中が立ち上がった。

 立ち上がった部下と目が合う東3等海上保安監。

 田中も、東も、同じ考えだった。
 
「東課長、敵は貨物船に有り。」
 
 うなずく田中。
 うなずく女性保安監の東課長。
 
 その場から、急いで去ろうとする男性の制服の袖を、女性が立ち上がって引っ張った。
 
 何かに気づき、田中の肩の制服を引っ張ったのだ。
 
「田中っ!苫小牧海上署の巡視船、下がらせて。苫小牧の海上署の合同庁舎も緊急避難指示。苫小牧フェリーターミナルに急行中の救急車、警察に死傷者保護後は直ちに避難を!急げ。」
 
( 了解! )

「私は上(シーラス)に報告。間に合うか!」
 
 会議室から東以外、全員が飛び出した。
 
 東はそれを確認してから、会議室の戸を閉めた。

 戸に背中をもたらせて、左手の平を左頭に当てると感応波通信を始めたのだ
 
 実は、東もシーラスのエージェントだった。それもチーム・内方の1人だったのだ。

 
「こちら小樽の土産、小樽の土産。ボーチャン、ボーチャン。聞こえるか。」
 

( こちらボーチャン。小樽の土産。感応波の感度良好。すでに小樽の土産と苫小牧の地上波通信、すでに傍受済。シーエルラー(スサノオのS)、ウォーニホームCDC(ウーラノス・千歳シーラスワンの偽装空港ビルのU)ともに、情報は共有済み。貴殿のフェーズ1終了。送れ。 )


「了解。小樽の土産、私のフェーズ1、終了確認。ふふっ。シーエアラー(スサノオ)に帰投する。送れ。」
 

「了解、フェニックス。無事の帰投を祈る。」
 
 小樽海保本部の廊下をヒールを鳴らして颯爽と歩いて行く東3等海上保安監こと、シーラス情報特務部隊情報統合局潜入部員、コールサイン「フェニックス」の東久子少佐だった。
 
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