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新たなる私
11,予想当たっちゃいましたか……
しおりを挟む「モナ、ずっと一緒にいてくれる?」
「ご主人様!私の事をご主人様が嫌わない限りずっと一緒ですよ!」
「ありがとう」
「いえいえ!」
そうやってモナとお喋りしたり、スキルを確認してみたり、もふもふしたりと、あっという間に就寝時間だった。
「たっくやってらんないよ~。スマホも無いのに……宿泊学習か?って話」
「それな~」
そんな声が部屋の外から聞こえた。
多分今9時くらいかな?もし私が勇者の1人を狙っていたら何時くらいに行く?
9時に寝て、直ぐには、寝ないだろうから1時間位待つか。誰か起きてても、ほとんどはLv1のはずだから来るなら9時半~10時あたり……でももっと安全を考慮して11時から12時か…?
はっ!ダメダメ。考え込みすぎて完全に違う人っぽくなってる。
ピロン
スキル『切り替え』を習得しました。
……切り替え?
スキル『切り替え』
能力 場面にあった性格、思いを切り替え出来る。いわゆる演技の天才。常時発動可
……おぉう。そこまで……いや、学生は、切り替えが大事って言うし……
うん、うん。大丈夫。ちょこっと私っぽくなくても、私は、私。
「(ご主人様、色々悩み過ぎて百面相になってる。可愛いですね…)」
そんなナナハ(ご主人様)を優しく見守るモナ(従魔)であった。
「ご主人様、来たようです。」
まじで?
「そっか。数は?」
「5人ですね。きっとLv1でも勇者だからと、警戒しているのでしょう。」
「なるほど。職業は、わかる?」
一応違うかもしれないやん?
「ご主人様と同じ暗殺系ですね。足音がしません。気配も消していますね。」
え?足音と気配消しているのに、モナ分かるの?
凄くない?
「後、どれぐらいで着く?方角は?」
「そうですね……後3分……いえ、2分ほどですね。北北西からですね。」
「そっか。モナは大きくなって、上空にいてくれる?もし逃げる時、モナの足に神糸を巻いて、ロープを繋いだみたいに飛んでもらうから。」
「仰せのままに。ご主人様。」
そう言ってモナは、窓から飛んで行った。
はぁ……、一応今までありがとうございました。
私は、皆がいる方向にお辞儀をする。
そして空間魔法から、神糸と魔針を取り出していつでも戦えるようにする。
そして部屋を出て北北西側に向かう。
《切り替え》
スキルを使うと、何か私の心?がスーっと落ち着いてきた。
なんだろう?
私だけど、別人が私の中で混ざってる感じ?
頭が冴えて、冷たくなるような…不思議な感覚。
ザッ…
ご対面だ。
すると、私の中から普段言わない様な事を言いだした。
「おじさん達、これからこっちに何しに来たの?」
「「「「「……」」」」」
5人は、びっくりしている。
いやいやいや、私のほうがびっくりだから。
何故か勝手にスラスラと……まぁ、知りたかった事だから別に逆に助かるんだけどさ……あっ、これが、切り替えの力なのかな?そう考えると、とっても助かる。演技とかこれで何とか行くもんね。
「この先は、私達、勇者が寝泊まりしていると、分かってやってる感じ?きっと王様か、宰相辺りに私達を見せしめに殺すか、人質を取ろう等の事を言われてる感じかなぁ?」
「あぁ。」
1人の男が答えた。
アァっ!!予想が当たってしまったー!
「おい」
「いや、無駄だろう。ただの生意気なガキ共と、思っていたら、ここまで分かってるんだ。流石は、勇者様(笑)という事だろう。」
「あはっ、理解が早くて楽だわ。」
「お前が言った通り、ユウシという奴を殺し、キサラギと言うやつを人質にという王から命令が来た。大人しく2人を差し出せば、お前を殺しはしない。」
「あれ、素直に差し出すなどと言うと思った?しかもそのキサラギは、私だよ?簡単にはいそうですかってなるわけないでしょ。」
「なっ!」
「こりゃあ良いや。探す手間が省けた。嬢ちゃんが勝てるわけないだろ。召喚されたてと言えば、産まれたての赤ん坊と同じ様なもんだぞ。しかもこっちは、5人」
「諦めろ、って言いたいの?」
「当たり前だ。もう一度言う、素直に着いてこい。」
「いーやよん♡」
いやいやいやいや、誰が着いて来いって言われて着いていくのよ。
「では、こちらと戦うか?あいにく、騎士では、無いのでね。汚い戦い方を我らはする。容赦なく殺す。そんな暗殺者だぞ。」
「あはっ、そんな事分かってるよ。そちらが殺す気ならば私も容赦なく殺しに行くだけだよ?あいにくとも、私もジョブが暗殺者なもので……」
あのね?何故かね?人間を殺す事に抵抗心が無いのよ……何故?!
「ホゥ、同業者か……ならば遠慮入らんな。」
「おいテメェら、捕まえるぞ。」
「「「はっ!」」」
「へいへーい」
「では、そっちからどうぞ?」
「ふっ、舐めきっているな。その考えが間違いだったと後悔させてやろう。」
「なんとでも言えばー??すぐおじさん達は、お亡くなりになるんだから。」
すると、3人が、上、左、右と、別れて来た。
手には……ナイフですか……
私は、ギリギリまで避けずに無駄な動きを作らない様にする。
本で読んだんだよね。無駄な動きが致命傷になる事があるって。なんの本かは聞かないで……
でも、妄想&切り替えが考えようと思わなくてもサッと自然に思いついちゃう
上の奴が早かったな。
同時に来ればまた、ちょっと違って簡単だったのに。
だって後ろに下がれば、ぶつかるか、ひとつにまとまるから、神糸でまとめて、サクッと。
私は、短ナイフを振り下ろされる直前に、相手のナイフを持った手首を思いっきり蹴り上げた。
「な?!」
相手のナイフは飛んでいき、上のやつが怯んだ隙に左右から同時に来た。
私は、ギリギリの所で後ろに下がり、上から来た人を囮にする。
当然直ぐに泊まれる訳もなく、左右は上から来た人を刺してしまった。
「グッア!」
「「!?」」
「あれあれ~??」クスクス
「舐めやがって……」
「じゃあ、こっちから仕掛る番だけど、時間をかけると誰か来ちゃうかもしれないから、楽に直ぐ殺してあげる。」
「そう簡単に行くかな?お前は、ナイフさえ持っていないじゃないか。動きは、悪くないが武器が無ければお前は、そこまで強くないだろう。」
「言ってくれるね……まぁ、安心して。最初から武器は、構えてあったのに、おじさん達が気付いてないだけだから。」
「な?!」
私は、魔針
(説明しなかったけれど、魔針は通常三本あって、魔力で投げても直ぐに手にワープする事が出来ます。)
を三本さっきの奴らに投げ、刺す。
そしたらまた、手元に戻す。暗闇だから私が何をしたか分からないんだろうな……
ドタバサドタ
「な?!3人とも?一気にか……こいつぁ、確かに暗殺向けだな。」
「何をしたっ?」
「これから死ぬ人に何を言っても変わらないでしょ。」
と言うか今更だけど、本当に刺すだけで、殺せるんだ……ちゃんと殺す人を選ばないと……
「ばいばーい」
「くっ!おい、2人で一気に殺るぞ。」
「あぁ。」
おっ、投げナイフか……私は、神糸で絡めて止める。
「な?!何で空中でとまっているんだ?魔法か?」
「残ねーん、これも私の武器だね」
「武器?!そんなもの聞いたことないぞ?!」
「ホントのホントに最後ですね。ばいばい」
私は、神糸で2人の首を締め上げて両断した。
あれ?絞め殺すつもりが、切れちゃった。
辺りには、5人の死体と、血の池。そして真ん中に1人の少女と言う不思議な絵ができていた。
「モナ、片付いた、から、逃げよ?」
「かしこまりました。ご主人様!」
私は、空を飛んでるモナの足に、糸をからませ、ぶら下がる状態で空を飛ぶ。なんと言うかモナの足に片手が吊るされてる感じ。
普通だったら痛そうだけど、体術のお陰か、体重が軽く感じる。
「いや~ご主人様。性格変わりました?」
「なんかね切り替えっていうスキルがあって、自動的にと故意的に変われちゃうんだよね。
しかも、切ろうと思えば切れるみたい出しこの仕事と、演技をしなければ行けない時に使おうと思うの。」
「いいと思いますよ。スラスラ喋れててご主人様の綺麗なお声がとても聞こえます!!まぁ、どんなご主人様でもついて行きますよ!」
「ありがとう。」///
ここから私の新しい生活が始まるんだね。
モナの足に吊り下がり、飛びながら見る異世界の月は、日本と同じ黄色い満月でした。
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