クラス転移で召喚された虐められている私。新しい仲間とざまぁしちゃうかも?

チレム

文字の大きさ
106 / 111
90年後の世界

ある貴族の視点

しおりを挟む
「おい……どういう事なんだ?」

 そう疑問を口に出した貴族の考えてる事も分かる。

ほんとにどういう事?


 90年以上も生きていると言われているあの、陛下、冷徹の双子騎士、無慈悲の公爵令嬢、伝説の冒険者……そして、神秘のメイド……

 この国の最重要人物達は、ある共通点があり他の貴族や王族からの誘いに乗らなかった。

その共通点とは

伝説の冒険者や、神秘のメイドの言う『ご主人様』『旦那様』

冷徹の双子騎士が言う『姉様』『姉ね』

無慈悲の公爵令嬢が言う『親友』という立場

90年以上も生きてきた王族達の『女神様』『護衛』


 この言っている人物達は2人組で100程眠っているっと言う設定で、面倒な貴族達の誘いを断っている偽りに過ぎないと誰もが思っていた。


だけど、今。


「あ~ナナの膝枕は気持ちいいわ~」

「くっ……今日だけだからな……」

「いいな~リア。私も姉ねの膝枕やってほしーい!」

「こら、ルルー。順番ですよ。2番目の姉である私が……」


「……私もさせて欲しいが……」「やらせるわけねぇだろ?」

「……そうだよね~」


何?どういう事なの?

 え?目の前にいる人達は誰にもなびかないお金にも権力にも異性にもなびかないあの、伝説の人達なの??


「良いですね~……私達も使用人と言う立場じゃなかったらやらせて貰えたのですかね~?」

「ん……使用人になったのは間違いだったかも?」


「こら、何言ってるの?別に今じゃなくても家に帰ってからならやってあげるから。」

「えぇ?本当ですか?やった~!」

「ん……前言撤回。」


「良いですね~……私達は男ですのでもしやってしまったら旦那様に殺されてしまいますね……」

「ほんとに……進化する時に女性に変えられないか聞いてみるか……」

「あ、良いですね。それ。」

「……無理だと思いますよ?」

「「……残念。」」


これが本当に伝説の8人と王族なのかっ?

 そして、あのご主人様や、ナナと呼ばれる女性と旦那様と呼ばれる男性。

この世のものとは思えない程の美人だった。

 特に先程のダンスは、今までに見た事ないほどの美しく、息のあった華やかなダンスだった。

 まるで、神達が戯れているかのような激しいダンスなのに息切れもせず汗も出ず。


もしかして、あの物語は本当だったのか?

 神になるために勇者の1人とその旦那が100年の眠りにつき、目覚め仲間達を迎えにやって来るだろうとの祖父祖母の言葉は本当だったのでは無いか?

 勇者の方は2つの姿を持ち、1つは白の姿もう1つは黒の姿……

あぁ……本当だったのか……


この場にいる者は全員が理解をした。


 ただ、どうにか仲良くなれないか、お近ずきになれないかを考えるがいい方法が思いつかない。

そもそも、あの雰囲気で行けない。

あぁ、誰か勇気のあるものは居ないのか……


「ルーデリア様、この度は誕生日をお祝い申し上げます。」


居たー!!!!

 もう、勇者と言っていいほどの存在に君はなったよ!

「えぇ?えーと……貴方は……」

「セブミール領のカルレット・バ・セブミールですね。爵位は侯爵に当たります。」

「あぁ、そうだった。良いしょっと。んんっ……失礼しました。ありがとうございます、セブミール侯。」

「いえいえ、お楽しみ中申し訳ございません。聞きたいことがあるのですが……」

「いえ?何でしょう?簡潔に言ってください。」

「そうですね……では簡潔にお聞きします。その方達お二人の事を教えていただきたいです。」

「「うぇ?!」」


勇者ーーーー!!!!

よく聞いた!

「そうね……それは私じゃなくて2人に聞きなさい。私は、また横になっているから。」


 そう言ってまた無慈悲の公爵令嬢は、ソファに横になり膝枕をしてもらう状態になっていた。

「初めまして、私は、カルレット・バ・セブミールと申します。お二人のお名前を聞いても?」

「……ナナとお呼びください。」

「カイルと呼べ。」

「いえ、様をつけなさい。」


 お2人がきっと本名ではなく、仮の名前なのだろう……その言い方だった。

そして、神秘のメイドが付け足しをする。

「お2人はどういう関係で?」

「「夫婦です(だ)。」」

「……なるほど。……余り質問し過ぎるのもあれですので、聞きます。私達人間と仲良くする気はありますか?」


おぉぉぉーーーーーー!!!

良くやった!

「……そうね……ここに居る人達は私達の事知っているようなので言いますが、私達は余りこの世界に長く居ないので仲良くしようが、しないが余り関係ないのです。」

「そうだな。ちなみに俺らが帰る場合はシリウス……王族達以外は連れていく。王族は、もう普通の人間より少し頑丈になった程度だから寿命であとは数十年で死ぬだろう。」

「なんと……」


 この国は、大丈夫なのか……あの人たちが無しで保ってられるのだろうか……

「質問はそれだけ?」

「あ、いえ、では最後の質問です。」

「何?」

「あなた方2人は何の神なのでしょうか?」

「……そうね…………まぁ、分かってるんだし、良いか。終始の神ナバルトーシャ。終わりと始まりを告げる夫婦神よ。」

「死の神アルカイト。死を告げ、生に導き管理する夫婦神だ。もう良いだろ?さっさと戻れ。」

「ありがとうございます……お願いがあります。ナバルトーシャ様。私達に黒の姿をお見せしてはございませんか?」

「え?黒の姿?……あ~……この姿の方が偽りなのよ?変装よ変装。元の姿がこれ。」

 ナバルトーシャ様は指をパチンと鳴らし、ブワッと光が出る。

 光が収まり、見ると黒髪黒目、黒のドレスに身を包んだ人間などと一緒にしてはいけない程の美貌で、逆に怖さもあった。

「これで、満足ですか?」

「はい。ありがとうございました。」

そう言って侯爵は下がった。

 ナバルトーシャ様は元の……ではなくまた白の姿に戻り楽しくお喋りをしていらっしゃる。






しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

美人委員長、デレる。クールな学級委員長は僕の実況配信の「全肯定スパチャ」古参ファンだった件について

静内燕
恋愛
高校二年生の黒羽 竜牙(くろはねりゅうが) は、学校では黒縁メガネで目立たない地味な陰キャを装っている。しかし、その裏の顔は、多くのファンを持つ人気ゲーム実況者「クロ」。彼の人生は、誰にも秘密にしているこの二重生活(ダブルライフ)で成り立っている。 ある日、竜牙は、学校生活で最も近寄りがたい存在である花市 凜委員長に、秘密を悟られてしまう。成績優秀、品行方正、誰に対しても厳格な「学園の模範生」である花市委員長は、竜牙の地味な外見には興味を示さない。 しかし、彼女のもう一つの顔は、クロチャンネルの最古参にして最大のファン「ユキ」だった。彼女は、配信で桁外れのスパチャを投げ、クロを全力で「全肯定」する、熱狂的な推し活狂だったのだ。 「竜牙くん、私はあなたの秘密を守る。その代わり、私と**『推し活契約』**を結んでちょうだい」 委員長は、学校では周囲の目を欺くため、今まで以上に竜牙を無視し、冷淡に振る舞うことを要求する。しかし、放課後の旧校舎裏では一転、目を輝かせ「クロさん!昨日の配信最高でした!」と熱烈な愛をぶつけてくる。 誰も知らない秘密の「裏の顔」を共有した地味な僕と、完璧な仮面の下で推しを溺愛する委員長。 これは、二重生活が生み出す勘違いと、溺愛とツンデレが入り乱れる、甘くて内緒な学園ラブコメディ!

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...