12 / 20
水溜まり
しおりを挟む
雨の日は嫌いだ。
という人がこの世界には多くいると思う。洗濯物は乾かないし、外に遊びに行くこともできない。
しかし、僕は好きだ。面倒くさい行事は中止になるし、なにせ人が町を歩かなくなるから。
人がいなくなった雨の日の夜に傘もささずに歩く。それが僕の日常となっている。
どうせ引きこもりの僕にとっては、風邪をひくとか、服が臭くなるととかどうでもいい話だ。
雨の中、何も考えずに歩く。ただ茫然と歩く。頭を真っ白にして歩く。
そうすることで、シャワーのように心の中が雨によって洗われる感覚になる。
帰ってきて、ずぶ濡れになった僕は、流石に本物のシャワーを浴びてから寝ることにする。
次の日も雨だったらいいのにと願いながら。
願いは届かず、晴れの朝が来る。
「雨」という「暗い象徴」は「晴れ」という「明るい象徴」に塗り替えられる。
しかし、前日が雨だった晴れた日の朝には必ず「水溜まり」が存在する。
その「水溜まり」が僕を嬉しい気分にしてくれる。
「明るい象徴」の中で、「暗い象徴」が存在している。
そうすると、ちょった勝った気がする。
真っ白な紙にちょっとだけ黒いインクをかけるような、障子の一枠を破くような、そんな子供みたいな楽しさを彷彿とさせる。
晴れに負けた、雨の最後の強がりを見せつけてくれる。それが嬉しい。
夜にまた雨が降った。「今日はちょっと遠くまで行ってみよう。」そう思って、夜の山を歩き出す。
山頂にまで登った時、拓けた道に出たところで、雨が晴れた。
雲の隙間から満月の光が漏れ、周りを照らし出す。
月光が大きな「水溜まり」を照らした。
水溜まりは光り輝き、その水溜まりには、綺麗な満月の光が反射していた。
「僕もいつか水溜まりの中で輝けるだろうか。」
そんなことを考えさせられた。
その日から、雨の日は好き、そして、晴れの日は「嫌いじゃない」
そう思える日が来るのを待っっている。
ずっと待っている。
また今日も、雨の中を歩きだす。
という人がこの世界には多くいると思う。洗濯物は乾かないし、外に遊びに行くこともできない。
しかし、僕は好きだ。面倒くさい行事は中止になるし、なにせ人が町を歩かなくなるから。
人がいなくなった雨の日の夜に傘もささずに歩く。それが僕の日常となっている。
どうせ引きこもりの僕にとっては、風邪をひくとか、服が臭くなるととかどうでもいい話だ。
雨の中、何も考えずに歩く。ただ茫然と歩く。頭を真っ白にして歩く。
そうすることで、シャワーのように心の中が雨によって洗われる感覚になる。
帰ってきて、ずぶ濡れになった僕は、流石に本物のシャワーを浴びてから寝ることにする。
次の日も雨だったらいいのにと願いながら。
願いは届かず、晴れの朝が来る。
「雨」という「暗い象徴」は「晴れ」という「明るい象徴」に塗り替えられる。
しかし、前日が雨だった晴れた日の朝には必ず「水溜まり」が存在する。
その「水溜まり」が僕を嬉しい気分にしてくれる。
「明るい象徴」の中で、「暗い象徴」が存在している。
そうすると、ちょった勝った気がする。
真っ白な紙にちょっとだけ黒いインクをかけるような、障子の一枠を破くような、そんな子供みたいな楽しさを彷彿とさせる。
晴れに負けた、雨の最後の強がりを見せつけてくれる。それが嬉しい。
夜にまた雨が降った。「今日はちょっと遠くまで行ってみよう。」そう思って、夜の山を歩き出す。
山頂にまで登った時、拓けた道に出たところで、雨が晴れた。
雲の隙間から満月の光が漏れ、周りを照らし出す。
月光が大きな「水溜まり」を照らした。
水溜まりは光り輝き、その水溜まりには、綺麗な満月の光が反射していた。
「僕もいつか水溜まりの中で輝けるだろうか。」
そんなことを考えさせられた。
その日から、雨の日は好き、そして、晴れの日は「嫌いじゃない」
そう思える日が来るのを待っっている。
ずっと待っている。
また今日も、雨の中を歩きだす。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる