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第一章 私は絶滅危惧種
第二話 レベル上げ
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右を見ても左を見ても知らないものばかり。私の人生はどうなってしまうの?
「何をどうしたらいいのよ!」
「僕の言う通りに行動すれば大丈夫さ」
いけない。つい声に出してたみたい。
「とりあえずレベルを上げよう。この近くの森には最もレベルの低いスライムがいるんだ。二・三匹倒せばすぐにレベルが上がるよ」
「本当なの?」
「本当さ。ガイダー三級の資格を持つ僕が言うんだから間違いないよ」
「へえ、ポチって結構凄いんだ」
私はポチの後について町を出た。町の外は自然がいっぱい。変な設定さえなければ、この世界って結構いい所なのかな?
暫く歩くと急に木が多くなってきた。もしかして森に着いた?
「ここからはモンスターが出るから気をつけて」
「え? モンスターって何?」
「野生の動物みたいなものさ。ただ殆どが人間を襲ってくるんだ」
「ええー! 帰ろうよ」
「ダメだ。レベルを上げなきゃいつまで経っても弱いままじゃないか。それでは魔王は倒せないだろ?」
「誰が魔王と戦うって言ったのよ!」
その時、前の茂みから音が聞こえてきた。
「モンスターだ」
「え!? 怖いよ」
出てきたのは小さな赤色のジェル状生物。もしかしてこれがスライムなの? 可愛い。
私がスライムに近づこうとすると、なぜがポチが止めた。
「あれはスライムじゃない。スライムボスだ。君の実力じゃ一瞬で殺されるよ」
「こ、殺される?」
「そうさ。見かけによらず強いモンスターは結構いるからね」
「ええ! こんなに可愛いのに」
「とにかく攻撃される前に逃げよう」
「わかったわ」
私は満面の笑みを浮かべ可愛くお辞儀をしてスライムボスから離れることに成功した。何が悲しくてモンスターに愛想を振りまかなきゃ行けないわけ?
「今度は大丈夫だ。本物のスライムがいる」
今度のは青色だ。大丈夫なのかな?
「じゃあ、やっつけておいで」
「どうやって?」
「敵は異世界最弱だ。適当に叩いたら倒せるよ」
「わかった。やってみる」
麗華の攻撃、スカッ。スライムの攻撃、1のダメージを受けた。麗華の攻撃、スカッ。スライムの攻撃、1のダメージを受けた。麗華の攻撃、スカッ。スライムの攻撃、2のダメージを受けた。
暗くて静かな世界。ここはどこ? もしかして私死んじゃったの? ええ! やだよ。私まだやりたいこと何もしてないよー。あれもこれも。もう、どうしてこうなるの? ああ、私の人生っていったい・・・・。
「大丈夫かい?」
私は知らない人に抱きかかえられていた。
「もしかして私死んでたの?」
「気絶してただけだ。安心して」
「あなたが助けてくれたのですか? ありがとうございます」
私は胸をなで下ろした。
「スライムに負ける人を見たのは初めてだ」
ポチが呆れた声で言う。
「まあ、そういうこともあるさ。この子が悪いわけじゃない」
そう言うと知らない人は私を下ろして去って行った。
あれ? 今の人ってかなりのイケメンだったような。ええ! 名前も聞かなかったよ! もう、私のバカ!
「しかし、スライムにも勝てないとなると前途多難だね」
「私に『特別な力を感じた』んじゃなかったの?」
「まあ、感じるには感じたんだけどね。もしかしたら大器晩成型なのかもしれないな。七十歳を超えた辺りから実力を発揮するんだよ、きっと」
「どれだけ盛大なプロジェクトなのよ! 私は七十までこの世界にいなきゃならないってこと?」
「魔王を倒すためなら仕方ないさ」
とんでもないことをさらりと言ってくれるよー。私は絶対に嫌だからね。
「そうか、わかった!」
突然ポチが大きな声を出した。
「何? どうしたの?」
私は周りを見回して警戒した。最弱のスライムに負けるんだから何が出てきてもおしまいだわ。
「君が負ける理由がわかったよ」
「え? 本当?」
「ああ、君は何の装備も付けてないからだよ」
「・・・・・・・・あなた本当にガイダー三級なの!?」
「間違いないよ」
私は暫く考えた後で何気なく聞いた。
「ちなみにガイダーって何級からあるの?」
「五級からだよ。五級、四級、三級と進んで一級まで行くと初段になるんだ。そして二段、三段と進み十段まで行くと、強者、竜王、最強位、師範、師匠、大師匠がある」
「三級って滅茶苦茶下の方じゃない!」
「そんなことはないよ。僕の下には四級と五級があるからね」
もうツッコむ気にもならないわ。
更なる不幸な状況に置かれていることを知らされた私は廃人のようにトボトボと町に向かうのであった。
「何をどうしたらいいのよ!」
「僕の言う通りに行動すれば大丈夫さ」
いけない。つい声に出してたみたい。
「とりあえずレベルを上げよう。この近くの森には最もレベルの低いスライムがいるんだ。二・三匹倒せばすぐにレベルが上がるよ」
「本当なの?」
「本当さ。ガイダー三級の資格を持つ僕が言うんだから間違いないよ」
「へえ、ポチって結構凄いんだ」
私はポチの後について町を出た。町の外は自然がいっぱい。変な設定さえなければ、この世界って結構いい所なのかな?
暫く歩くと急に木が多くなってきた。もしかして森に着いた?
「ここからはモンスターが出るから気をつけて」
「え? モンスターって何?」
「野生の動物みたいなものさ。ただ殆どが人間を襲ってくるんだ」
「ええー! 帰ろうよ」
「ダメだ。レベルを上げなきゃいつまで経っても弱いままじゃないか。それでは魔王は倒せないだろ?」
「誰が魔王と戦うって言ったのよ!」
その時、前の茂みから音が聞こえてきた。
「モンスターだ」
「え!? 怖いよ」
出てきたのは小さな赤色のジェル状生物。もしかしてこれがスライムなの? 可愛い。
私がスライムに近づこうとすると、なぜがポチが止めた。
「あれはスライムじゃない。スライムボスだ。君の実力じゃ一瞬で殺されるよ」
「こ、殺される?」
「そうさ。見かけによらず強いモンスターは結構いるからね」
「ええ! こんなに可愛いのに」
「とにかく攻撃される前に逃げよう」
「わかったわ」
私は満面の笑みを浮かべ可愛くお辞儀をしてスライムボスから離れることに成功した。何が悲しくてモンスターに愛想を振りまかなきゃ行けないわけ?
「今度は大丈夫だ。本物のスライムがいる」
今度のは青色だ。大丈夫なのかな?
「じゃあ、やっつけておいで」
「どうやって?」
「敵は異世界最弱だ。適当に叩いたら倒せるよ」
「わかった。やってみる」
麗華の攻撃、スカッ。スライムの攻撃、1のダメージを受けた。麗華の攻撃、スカッ。スライムの攻撃、1のダメージを受けた。麗華の攻撃、スカッ。スライムの攻撃、2のダメージを受けた。
暗くて静かな世界。ここはどこ? もしかして私死んじゃったの? ええ! やだよ。私まだやりたいこと何もしてないよー。あれもこれも。もう、どうしてこうなるの? ああ、私の人生っていったい・・・・。
「大丈夫かい?」
私は知らない人に抱きかかえられていた。
「もしかして私死んでたの?」
「気絶してただけだ。安心して」
「あなたが助けてくれたのですか? ありがとうございます」
私は胸をなで下ろした。
「スライムに負ける人を見たのは初めてだ」
ポチが呆れた声で言う。
「まあ、そういうこともあるさ。この子が悪いわけじゃない」
そう言うと知らない人は私を下ろして去って行った。
あれ? 今の人ってかなりのイケメンだったような。ええ! 名前も聞かなかったよ! もう、私のバカ!
「しかし、スライムにも勝てないとなると前途多難だね」
「私に『特別な力を感じた』んじゃなかったの?」
「まあ、感じるには感じたんだけどね。もしかしたら大器晩成型なのかもしれないな。七十歳を超えた辺りから実力を発揮するんだよ、きっと」
「どれだけ盛大なプロジェクトなのよ! 私は七十までこの世界にいなきゃならないってこと?」
「魔王を倒すためなら仕方ないさ」
とんでもないことをさらりと言ってくれるよー。私は絶対に嫌だからね。
「そうか、わかった!」
突然ポチが大きな声を出した。
「何? どうしたの?」
私は周りを見回して警戒した。最弱のスライムに負けるんだから何が出てきてもおしまいだわ。
「君が負ける理由がわかったよ」
「え? 本当?」
「ああ、君は何の装備も付けてないからだよ」
「・・・・・・・・あなた本当にガイダー三級なの!?」
「間違いないよ」
私は暫く考えた後で何気なく聞いた。
「ちなみにガイダーって何級からあるの?」
「五級からだよ。五級、四級、三級と進んで一級まで行くと初段になるんだ。そして二段、三段と進み十段まで行くと、強者、竜王、最強位、師範、師匠、大師匠がある」
「三級って滅茶苦茶下の方じゃない!」
「そんなことはないよ。僕の下には四級と五級があるからね」
もうツッコむ気にもならないわ。
更なる不幸な状況に置かれていることを知らされた私は廃人のようにトボトボと町に向かうのであった。
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