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第三章 魔王退治
第四十三話 大聖堂
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少しずつ気温が高くなってきている。これって南へ近づいているってことだよね。私まだレベルがそんなに上がってないよ。
その時クレアが朗報を発した。
「この町には大聖堂があります。みんなでお祈りを捧げましょう」
「大聖堂?」
「大きな教会のことです。麗華ちゃんの転職もできるかも知れませんね?」
「本当ですか?」
よし! 強そうなジョブに転職して生き延びてやるんだから!
「大聖堂に行きましょう!」
「麗華ちゃん、気合いが入ってるねえ」
サラが茶々を入れるが、今の私は動じない。本気で命がかかってるんだから!
歩くこと五分。とてつもなく大きな建物が見えてきた。
「もしかしてこれが大聖堂ですか?」
「そうです。この地方で一番大きな聖堂だと思います」
凄い。ここまで大きいとは思わなかったわ。ヨーロッパへ旅行に行くとよく見かける聖堂がいくつもくっついている感じ。
私達はよくわからないまま中へと入っていった。
「うわー! 中も広いわー!」
アイラが思わず声を上げる。
「天井も高いな」
サラも感動したようだ。
で? 私はというと。
「ど、どちらに行けばいいのでしょうか?」
すっかりまごまごしていた。仕方ないよね? だってここ東京ドーム十個分くらいありそうだもん。
「私もわかりませんので、取り敢えず聞いてみましょう」
クレアさんが近くのシスターらしき人に話しかけた。
「転職でしたらここをまっすぐに進んでいただいて突き当たりを右に曲がっていただき三番目の角を左に曲がって、またすぐを右に曲がり、五番目の角を右に曲がると受付があります。受付用紙を書いていただいたら十七番窓口に提出してください。そこで必要事項を書いていただき今度は二十三番窓口に進んでください」
ここは役所か! とツッコみたいところだが、今は大切な命がかかってるから我慢よね。
私達はシスターに教えてもらった通りに進んだ。
「三番目の角を右に曲がってすぐを左ですよね?」
「四番目の角を左に曲がってすぐをまた左だよ」
「でも、ここ懺悔室って書いてあるわね」
「ここで懺悔をしてから転職をしなさいってことでしょうか?」
絶対違うと思うよクレアさん。
「では麗華さん。懺悔を済ませてください」
「三番目の角を左に曲がってすぐを右です」
「え?」
暫く沈黙が続く。え? 何で? 更にみんなでひそひそ話を始める。
「どういうこと?」
「きっと麗華が覚えていたことにみんなが驚いたんだね」
「これくらい私でも記憶できます!」
ポチの発言に思わず否定の言葉を発してみたが、もしかして私いつの間にかおバカキャラになってたの?
やっとのことで受付に辿り着くことができが、渡された受付用紙には二百項目くらいの質問が書かれていた。一難去ってまた一難か。
「ええーっと、名前と生年月日、性別、現在の職業に今までの転職歴と、趣味に特技、ん? どうして好みの下着の色まで書かなきゃ行けないのよ! ポチ、あなたがこの質問考えたでしょう?」
「そんなことあるわけ無いじゃないか」
「だって」
「恐らく適正な職業に就くためだと思います」
クレアはいつも冷静だ。
やっと書き終えたー。これを提出してと。あれ? 窓口が閉まってる。
「すみませーん。書けたんですけど」
「申し訳ありません。17時15分を過ぎましたので今日の業務は終了になります。明日もう一度お越しください」
「役所かー!」
今度は本当にツッコんでしまった私なのでした。
その時クレアが朗報を発した。
「この町には大聖堂があります。みんなでお祈りを捧げましょう」
「大聖堂?」
「大きな教会のことです。麗華ちゃんの転職もできるかも知れませんね?」
「本当ですか?」
よし! 強そうなジョブに転職して生き延びてやるんだから!
「大聖堂に行きましょう!」
「麗華ちゃん、気合いが入ってるねえ」
サラが茶々を入れるが、今の私は動じない。本気で命がかかってるんだから!
歩くこと五分。とてつもなく大きな建物が見えてきた。
「もしかしてこれが大聖堂ですか?」
「そうです。この地方で一番大きな聖堂だと思います」
凄い。ここまで大きいとは思わなかったわ。ヨーロッパへ旅行に行くとよく見かける聖堂がいくつもくっついている感じ。
私達はよくわからないまま中へと入っていった。
「うわー! 中も広いわー!」
アイラが思わず声を上げる。
「天井も高いな」
サラも感動したようだ。
で? 私はというと。
「ど、どちらに行けばいいのでしょうか?」
すっかりまごまごしていた。仕方ないよね? だってここ東京ドーム十個分くらいありそうだもん。
「私もわかりませんので、取り敢えず聞いてみましょう」
クレアさんが近くのシスターらしき人に話しかけた。
「転職でしたらここをまっすぐに進んでいただいて突き当たりを右に曲がっていただき三番目の角を左に曲がって、またすぐを右に曲がり、五番目の角を右に曲がると受付があります。受付用紙を書いていただいたら十七番窓口に提出してください。そこで必要事項を書いていただき今度は二十三番窓口に進んでください」
ここは役所か! とツッコみたいところだが、今は大切な命がかかってるから我慢よね。
私達はシスターに教えてもらった通りに進んだ。
「三番目の角を右に曲がってすぐを左ですよね?」
「四番目の角を左に曲がってすぐをまた左だよ」
「でも、ここ懺悔室って書いてあるわね」
「ここで懺悔をしてから転職をしなさいってことでしょうか?」
絶対違うと思うよクレアさん。
「では麗華さん。懺悔を済ませてください」
「三番目の角を左に曲がってすぐを右です」
「え?」
暫く沈黙が続く。え? 何で? 更にみんなでひそひそ話を始める。
「どういうこと?」
「きっと麗華が覚えていたことにみんなが驚いたんだね」
「これくらい私でも記憶できます!」
ポチの発言に思わず否定の言葉を発してみたが、もしかして私いつの間にかおバカキャラになってたの?
やっとのことで受付に辿り着くことができが、渡された受付用紙には二百項目くらいの質問が書かれていた。一難去ってまた一難か。
「ええーっと、名前と生年月日、性別、現在の職業に今までの転職歴と、趣味に特技、ん? どうして好みの下着の色まで書かなきゃ行けないのよ! ポチ、あなたがこの質問考えたでしょう?」
「そんなことあるわけ無いじゃないか」
「だって」
「恐らく適正な職業に就くためだと思います」
クレアはいつも冷静だ。
やっと書き終えたー。これを提出してと。あれ? 窓口が閉まってる。
「すみませーん。書けたんですけど」
「申し訳ありません。17時15分を過ぎましたので今日の業務は終了になります。明日もう一度お越しください」
「役所かー!」
今度は本当にツッコんでしまった私なのでした。
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