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第48話 私史上最高の朗報
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「柚衣、昨日は大変な目に遭ったそうじゃないか?」
昼休みに琉生が私に話しかけてきた。
きっと草壁君に聞いたのね?
「大変な目ってもんじゃなかったよ。思いっきり少年漫画の世界だったんだから。草壁君が助けに来てくれたからよかったけど」
私は一気に話した。
「まあ柚衣なら少々殴られても大丈夫そうだけどな」
何ちゅうことを言うんじゃい!
ふと私の脳裏に草壁君の『もし中園君が居なかったら本心て言えるかもね』という言葉が蘇る。
「ねえ、トリカブトと青酸カリってどちらがよく効くと思う?」
琉生はやや仰け反りながら、
「何でいきなりそんなこと聞くんだ?」
と言った。
そこへ沙耶ちゃんが考えられないほどハッピーな情報を持ってきた。
「暫くは安全のために草壁君が家まで送ってくれるって」
「嘘?」
「本当だって。たった今本人から聞いたもん」
それって、毎日草壁君と帰れるってこと? 草壁君と楽しくお話ししながら帰れるってこと?
これ以上の朗報はないよ。沙耶ちゃんありがとう!
「帰りが不安なら俺が一緒に帰ってやっるよ」
「琉生じゃ無理だよ」
「どういうことだ?」
「スケバンに剣道にボクシングだよ」
「何の話だ?」
とにかく琉生に余計なことをされるとせっかくの朗報がおじゃんになる。
「ねえ、毒殺と刺殺ってどちらが確実に殺せると思う?」
「さっきから何なんだよ、その質問?」
琉生は逃げるように私の前から去って行った。
勘がいいわね?
そして待ちに待った放課後。
草壁君が私の教室まで迎えに来てくれた。
だって、私を襲った張本人がいる草壁君の教室には行けないからね。
「柚衣ちゃん、待たせたかな?」
「ううん、今帰りの会が終わったところ」
本当は10分くらい待ったけど。
よく恋人が待ち合わせで『ごめん待った?』という言葉に対して、『今来たところ』というシーンがあるけど、まさか自分が言うことのいなろうとは。
まさに感動だよ。これは草壁君と待ち合わせなんだ!
「何で指を組んで上を向いてるの?」
ダメだ。思わず神に感謝してしまった。
「何でもないわ」
「じゃあ、行こうか」
「はい」
私は草壁君について歩いた。
どの道を帰るのかな? できたら駅前を通りたいよね?
それで『お茶でもして行こうか?』なんて誘われたりして。
う~ん、最高!
私たちは下駄箱を出るとグランドを横切って部室棟へ。あれ?
「ごめん。僕はキャプテンだから部活を休むわけにはいかないんだ。かといって柚衣ちゃんを教室で待たせるのは危険だろ? だから悪いけど野球部のグランドで待っててくれないか?」
「いいけど。邪魔にならない?」
「ベンチに座っていれば大丈夫だよ」
そして私はベンチにちょこんと座って草壁君の練習を見学することになった。
まあ、これはこれでいいか。
草壁君の格好いい姿が近くで見られるし。
「よかったね柚衣。特等席で草壁君を見れて」
「沙耶ちゃん! どうしてここに?」
「一緒に帰るためだよ」
「沙耶ちゃんも一緒に帰るの?」
「当然」
な~んだ草壁君と二人きりじゃないのか?
「草壁君と~たくさん~お話しできるね~?」
野乃葉ちゃんもか。
「ボールを最後まで見るんだ。グラブで捕れるかどうかじゃなくてグラブのどの位置で捕るかが大切なんだ」
草壁君て格好いいよ。
「次はバッティング練習だ。準備して」
「はい」
さすがキャプテンて感じだよね。
私がうっとりと眺めていると、草壁君がベンチに戻ってきた。
「退屈じゃなかった?」
「全然退屈じゃないよ。むしろ私には新鮮な光景っていうか」
「それはよかった。そうだ柚衣ちゃんも打ってみる?」
「そんな私には無理だよ」
慌てて断った。バットを握ったこともないんだもん。打てるわけないよね?
「あたし打ちたい!」
やっぱり。沙耶ちゃんはこう言うと思ったよ。
「じゃあ、こっちのネットに向かって打って。僕が投げるから」
私たちは沙耶ちゃんを先頭に草壁君が指さしたネットに向かった。
緑色のネットに大きな丸い穴が空いている。この丸に打つのだろう。
沙耶ちゃんは嬉しそうに構える。
「いい構えだな。じゃあ行くよ」
草壁君がそっとボールを投げた。
カキーン! 物凄くいい音を立てて沙耶ちゃんの打球がネットに吸い込まれていく。
「嘘だろ?」
草壁君が驚いている。
それは女の子が急にすごい打球を打ったら驚くよね?
「今、初めて打ったんだろ?」
「勿論よ。でも私にはこの程度お茶の子さいさいよ」
「凄いね」
沙耶ちゃんは次から次へと鋭い打球を打ち込んでいく。
その度に草壁君が驚いている。何か嫌なんだけど。
これがきっかけで草壁君が沙耶ちゃんのことを好きになったら大変じゃない?
打ち終えた沙耶ちゃんを草壁君が褒めたたえている。
「凄いよ夏上さん。野球部員でもあんな打球は飛ばせないよ」
「打てて当たり前だよ」
いたたまれなくなった私はつい口をはさんだ。
「どういうこと?」
「沙耶ちゃんは小学校の時少年野球をやってて4番を打ってたんだよ。中学校でも野球部に入ってたし」
「えへ」
沙耶ちゃんが苦笑いしている。
「そうだったのか。どおりで打球が違うと思ったんだ」
ばらしちゃった。これって嫉妬だよね?
いやな女って思われちゃったかも?
私はそっと草壁君を見た。
昼休みに琉生が私に話しかけてきた。
きっと草壁君に聞いたのね?
「大変な目ってもんじゃなかったよ。思いっきり少年漫画の世界だったんだから。草壁君が助けに来てくれたからよかったけど」
私は一気に話した。
「まあ柚衣なら少々殴られても大丈夫そうだけどな」
何ちゅうことを言うんじゃい!
ふと私の脳裏に草壁君の『もし中園君が居なかったら本心て言えるかもね』という言葉が蘇る。
「ねえ、トリカブトと青酸カリってどちらがよく効くと思う?」
琉生はやや仰け反りながら、
「何でいきなりそんなこと聞くんだ?」
と言った。
そこへ沙耶ちゃんが考えられないほどハッピーな情報を持ってきた。
「暫くは安全のために草壁君が家まで送ってくれるって」
「嘘?」
「本当だって。たった今本人から聞いたもん」
それって、毎日草壁君と帰れるってこと? 草壁君と楽しくお話ししながら帰れるってこと?
これ以上の朗報はないよ。沙耶ちゃんありがとう!
「帰りが不安なら俺が一緒に帰ってやっるよ」
「琉生じゃ無理だよ」
「どういうことだ?」
「スケバンに剣道にボクシングだよ」
「何の話だ?」
とにかく琉生に余計なことをされるとせっかくの朗報がおじゃんになる。
「ねえ、毒殺と刺殺ってどちらが確実に殺せると思う?」
「さっきから何なんだよ、その質問?」
琉生は逃げるように私の前から去って行った。
勘がいいわね?
そして待ちに待った放課後。
草壁君が私の教室まで迎えに来てくれた。
だって、私を襲った張本人がいる草壁君の教室には行けないからね。
「柚衣ちゃん、待たせたかな?」
「ううん、今帰りの会が終わったところ」
本当は10分くらい待ったけど。
よく恋人が待ち合わせで『ごめん待った?』という言葉に対して、『今来たところ』というシーンがあるけど、まさか自分が言うことのいなろうとは。
まさに感動だよ。これは草壁君と待ち合わせなんだ!
「何で指を組んで上を向いてるの?」
ダメだ。思わず神に感謝してしまった。
「何でもないわ」
「じゃあ、行こうか」
「はい」
私は草壁君について歩いた。
どの道を帰るのかな? できたら駅前を通りたいよね?
それで『お茶でもして行こうか?』なんて誘われたりして。
う~ん、最高!
私たちは下駄箱を出るとグランドを横切って部室棟へ。あれ?
「ごめん。僕はキャプテンだから部活を休むわけにはいかないんだ。かといって柚衣ちゃんを教室で待たせるのは危険だろ? だから悪いけど野球部のグランドで待っててくれないか?」
「いいけど。邪魔にならない?」
「ベンチに座っていれば大丈夫だよ」
そして私はベンチにちょこんと座って草壁君の練習を見学することになった。
まあ、これはこれでいいか。
草壁君の格好いい姿が近くで見られるし。
「よかったね柚衣。特等席で草壁君を見れて」
「沙耶ちゃん! どうしてここに?」
「一緒に帰るためだよ」
「沙耶ちゃんも一緒に帰るの?」
「当然」
な~んだ草壁君と二人きりじゃないのか?
「草壁君と~たくさん~お話しできるね~?」
野乃葉ちゃんもか。
「ボールを最後まで見るんだ。グラブで捕れるかどうかじゃなくてグラブのどの位置で捕るかが大切なんだ」
草壁君て格好いいよ。
「次はバッティング練習だ。準備して」
「はい」
さすがキャプテンて感じだよね。
私がうっとりと眺めていると、草壁君がベンチに戻ってきた。
「退屈じゃなかった?」
「全然退屈じゃないよ。むしろ私には新鮮な光景っていうか」
「それはよかった。そうだ柚衣ちゃんも打ってみる?」
「そんな私には無理だよ」
慌てて断った。バットを握ったこともないんだもん。打てるわけないよね?
「あたし打ちたい!」
やっぱり。沙耶ちゃんはこう言うと思ったよ。
「じゃあ、こっちのネットに向かって打って。僕が投げるから」
私たちは沙耶ちゃんを先頭に草壁君が指さしたネットに向かった。
緑色のネットに大きな丸い穴が空いている。この丸に打つのだろう。
沙耶ちゃんは嬉しそうに構える。
「いい構えだな。じゃあ行くよ」
草壁君がそっとボールを投げた。
カキーン! 物凄くいい音を立てて沙耶ちゃんの打球がネットに吸い込まれていく。
「嘘だろ?」
草壁君が驚いている。
それは女の子が急にすごい打球を打ったら驚くよね?
「今、初めて打ったんだろ?」
「勿論よ。でも私にはこの程度お茶の子さいさいよ」
「凄いね」
沙耶ちゃんは次から次へと鋭い打球を打ち込んでいく。
その度に草壁君が驚いている。何か嫌なんだけど。
これがきっかけで草壁君が沙耶ちゃんのことを好きになったら大変じゃない?
打ち終えた沙耶ちゃんを草壁君が褒めたたえている。
「凄いよ夏上さん。野球部員でもあんな打球は飛ばせないよ」
「打てて当たり前だよ」
いたたまれなくなった私はつい口をはさんだ。
「どういうこと?」
「沙耶ちゃんは小学校の時少年野球をやってて4番を打ってたんだよ。中学校でも野球部に入ってたし」
「えへ」
沙耶ちゃんが苦笑いしている。
「そうだったのか。どおりで打球が違うと思ったんだ」
ばらしちゃった。これって嫉妬だよね?
いやな女って思われちゃったかも?
私はそっと草壁君を見た。
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