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第47話 人生最大のピンチ
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私と沙耶ちゃんが体育館裏をそっと覗くと、とんでもない光景が目に入って来た。
昔々のドラマに出てきたような長いスカートの女子が腕組みをして立っている。さらにボクシングのグローブを付けた人や剣道の竹刀を振っている人もいる。その数ざっと15人。
「帰ろうか沙耶ちゃん」
「どうしてよ。こんなチャンスないって」
なかなかしぶとい沙耶ちゃんである。
「こんなの生きて帰れないよ」
「大丈夫だって」
何を根拠に言ってるんだろう?
「死んじゃったら草壁君の彼女にもなれないんだよ?」
とにかく必死で訴えてみる。
「まあ、それもそうだね?」
やったー! わかってもらえたよ。
「でも、まさか殺しはしないよ。行こう」
本気で言ってるの?
その時、私たちの後ろでどすの効いた女性の声がした。
「早く行きなさいよ」
ひえええー!
「行かないんだったら連れてってあげるわよ」
怖い顔の女子は5人もいる。そのうちの一人が私の腕を掴んだ。
「やめて!」
私は全力で腕を振り払おうとするが全く腕が動かない。
沙耶ちゃんを見ると他の女子に捕まっている。
「連れてきたわよ」
「すまないね。では早速始めるか」
何を始めるの? 絶対痛いことだよね?
「何をするつもり?」
こういう場合聞いてもあまり意味はないと思うが、とりあえず聞いてみる。
だって相手が説明している間は無事なわけだし。
「ちょっとばかり痛い目に遭ってもらうのよ」
「何をするつもり?」
「顔に傷をつけてあげる。お嫁にいけない程度にね」
言い方は優しいけど、顔は鬼の形相だ。
長いスカートの女子がポケットからカッターナイフを取り出した。
真剣ヤバいかも?
「そんなことしたら草壁君が許さないんだから!」
「何、彼女ぶってるのよ! 予定変更よ。動けないくらいボコボコにしてやるわ!」
彼女が手を挙げると、横に控えていた武装女子たちが私を囲うように集まってきた。
何でこうなるのよ。私は『正義感が強い草壁君のことだからきっと許さないよ』といいたかったんだけど、表現力の無さがたたってしまった。
「ボコボコにしてやりな。何なら殺しても構わないから」
ひええええええーーーーー!
「ちょっと~待ってほしいの~」
この声は野乃葉ちゃん?
私が声のする方を見ると、そこには野乃葉ちゃんが震えながら立っていた。
「何だ春野じゃねえか? お前が来ても何にもできないだろ? おとなしく見てな」
「わたしの大切な友達を~見殺しには~できないの~」
うう、気持ちは嬉しいけど、野乃葉ちゃんてこういう場面に一番似合わない人物だよね?
「柚衣ちゃんを~放して欲しいの~」
「つべこべ言うとお前も同じ目に遭うぞ」
「柚衣ちゃんを~解放しないと~後悔するよ~」
「春野に何ができるってんだよ?」
その時、男の人の声が聞こえた。
「見させてもらったよ」
「げ、草壁君! 春野お前が呼んできたのか?」
「そうだよ~」
「柚衣ちゃんから手を離すんだ。でないと君たちを僕が許さない!」
草壁君の強い口調にみんなが私から離れて行った。
「これは違うの。こいつが草壁君と親しくしてるから」
「親しくして何が悪いんだ?」
「何が悪いって‥‥」
「僕は柚衣ちゃんのことが好きだからね。親しくするのは当然だろ?」
ええー! 嘘でしょ?
暫く下を向いて震えていた長いスカートの女子は、
「覚えてろ!」
という捨て台詞を私に吐いて帰っていった。
「大丈夫だったかい?」
「あ、ありがとう草壁君」
私の頭はぼうっとして何も考えられない。言いたいことは山ほどあるのに。
私のこと好きって言ったよね?
これってこの場を切り抜けるための言葉? それとも本当に好きなの?
「僕のことが原因でひどい目に遭わせてしまったね」
草壁君の優しい口調が心にしみてくる。
「どこにも怪我はなかった?」
「大丈夫。腕を掴まれてただけだから」
聞きたい。好きって言ったのは本心なのかどうか。
でもなぜか怖くて聞けないよ。どうしてー?
「よかったね無事で」
沙耶ちゃんが笑みを浮かべて近付いてきた。
「だから嫌だったんだよ。絶妙のタイミングで草壁君が来てくれたからよかったけど」
ここで私はふと気付く。
「もしかして草壁君が来るのって計画的だったの?」
「野乃葉に草壁君を連れてきてもらってスタンバイさせてたんだよ」
沙耶ちゃんがにこりと笑った。
「本当はもっと早く出て行くべきだったんだけど、決定的なタイミングでないと言い訳されるから。ごめんね柚衣ちゃん」
道理で沙耶ちゃんが何も言わないで捕まってたわけだよ。
よく考えたら野乃葉ちゃんが一緒に来なかったのもおかしかったもんね。
ということはあの『好き』は本心じゃないのか。
私は肩を落として草壁君を眺めた。でも、聞かないと今夜眠れないよね。よし!
「お願いだから教えて。さっき好きだって言ったのは本心なの?」
「そうだね。本心て言いたいけど、柚衣ちゃんは親友が好きな人だからね。もし中園君が居なかったら本心て言えるかもね」
これって好きって意味だよね? 夢がかなったよ。神様ありがとう。
でも、琉生がいる間は本心で好きと言えないってことだよね?
その夜、私は琉生殺害計画を必死で考えるのだった。
昔々のドラマに出てきたような長いスカートの女子が腕組みをして立っている。さらにボクシングのグローブを付けた人や剣道の竹刀を振っている人もいる。その数ざっと15人。
「帰ろうか沙耶ちゃん」
「どうしてよ。こんなチャンスないって」
なかなかしぶとい沙耶ちゃんである。
「こんなの生きて帰れないよ」
「大丈夫だって」
何を根拠に言ってるんだろう?
「死んじゃったら草壁君の彼女にもなれないんだよ?」
とにかく必死で訴えてみる。
「まあ、それもそうだね?」
やったー! わかってもらえたよ。
「でも、まさか殺しはしないよ。行こう」
本気で言ってるの?
その時、私たちの後ろでどすの効いた女性の声がした。
「早く行きなさいよ」
ひえええー!
「行かないんだったら連れてってあげるわよ」
怖い顔の女子は5人もいる。そのうちの一人が私の腕を掴んだ。
「やめて!」
私は全力で腕を振り払おうとするが全く腕が動かない。
沙耶ちゃんを見ると他の女子に捕まっている。
「連れてきたわよ」
「すまないね。では早速始めるか」
何を始めるの? 絶対痛いことだよね?
「何をするつもり?」
こういう場合聞いてもあまり意味はないと思うが、とりあえず聞いてみる。
だって相手が説明している間は無事なわけだし。
「ちょっとばかり痛い目に遭ってもらうのよ」
「何をするつもり?」
「顔に傷をつけてあげる。お嫁にいけない程度にね」
言い方は優しいけど、顔は鬼の形相だ。
長いスカートの女子がポケットからカッターナイフを取り出した。
真剣ヤバいかも?
「そんなことしたら草壁君が許さないんだから!」
「何、彼女ぶってるのよ! 予定変更よ。動けないくらいボコボコにしてやるわ!」
彼女が手を挙げると、横に控えていた武装女子たちが私を囲うように集まってきた。
何でこうなるのよ。私は『正義感が強い草壁君のことだからきっと許さないよ』といいたかったんだけど、表現力の無さがたたってしまった。
「ボコボコにしてやりな。何なら殺しても構わないから」
ひええええええーーーーー!
「ちょっと~待ってほしいの~」
この声は野乃葉ちゃん?
私が声のする方を見ると、そこには野乃葉ちゃんが震えながら立っていた。
「何だ春野じゃねえか? お前が来ても何にもできないだろ? おとなしく見てな」
「わたしの大切な友達を~見殺しには~できないの~」
うう、気持ちは嬉しいけど、野乃葉ちゃんてこういう場面に一番似合わない人物だよね?
「柚衣ちゃんを~放して欲しいの~」
「つべこべ言うとお前も同じ目に遭うぞ」
「柚衣ちゃんを~解放しないと~後悔するよ~」
「春野に何ができるってんだよ?」
その時、男の人の声が聞こえた。
「見させてもらったよ」
「げ、草壁君! 春野お前が呼んできたのか?」
「そうだよ~」
「柚衣ちゃんから手を離すんだ。でないと君たちを僕が許さない!」
草壁君の強い口調にみんなが私から離れて行った。
「これは違うの。こいつが草壁君と親しくしてるから」
「親しくして何が悪いんだ?」
「何が悪いって‥‥」
「僕は柚衣ちゃんのことが好きだからね。親しくするのは当然だろ?」
ええー! 嘘でしょ?
暫く下を向いて震えていた長いスカートの女子は、
「覚えてろ!」
という捨て台詞を私に吐いて帰っていった。
「大丈夫だったかい?」
「あ、ありがとう草壁君」
私の頭はぼうっとして何も考えられない。言いたいことは山ほどあるのに。
私のこと好きって言ったよね?
これってこの場を切り抜けるための言葉? それとも本当に好きなの?
「僕のことが原因でひどい目に遭わせてしまったね」
草壁君の優しい口調が心にしみてくる。
「どこにも怪我はなかった?」
「大丈夫。腕を掴まれてただけだから」
聞きたい。好きって言ったのは本心なのかどうか。
でもなぜか怖くて聞けないよ。どうしてー?
「よかったね無事で」
沙耶ちゃんが笑みを浮かべて近付いてきた。
「だから嫌だったんだよ。絶妙のタイミングで草壁君が来てくれたからよかったけど」
ここで私はふと気付く。
「もしかして草壁君が来るのって計画的だったの?」
「野乃葉に草壁君を連れてきてもらってスタンバイさせてたんだよ」
沙耶ちゃんがにこりと笑った。
「本当はもっと早く出て行くべきだったんだけど、決定的なタイミングでないと言い訳されるから。ごめんね柚衣ちゃん」
道理で沙耶ちゃんが何も言わないで捕まってたわけだよ。
よく考えたら野乃葉ちゃんが一緒に来なかったのもおかしかったもんね。
ということはあの『好き』は本心じゃないのか。
私は肩を落として草壁君を眺めた。でも、聞かないと今夜眠れないよね。よし!
「お願いだから教えて。さっき好きだって言ったのは本心なの?」
「そうだね。本心て言いたいけど、柚衣ちゃんは親友が好きな人だからね。もし中園君が居なかったら本心て言えるかもね」
これって好きって意味だよね? 夢がかなったよ。神様ありがとう。
でも、琉生がいる間は本心で好きと言えないってことだよね?
その夜、私は琉生殺害計画を必死で考えるのだった。
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