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第17話 いざ出陣!
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「おはよう。あれ? 草壁まだ来てねえの?」
琉生が来て第一声がこれだ。あんたも遅いのよ!
「まだだよ~」
野乃葉ちゃんが誰よりも早く答える。
今日の野乃葉ちゃん乗ってるなあ。楽しみだったのかなあ?
「やっぱりか。生徒会の仕事をやってから来るって言ってたもんな」
「ええ~! 草壁君そんなに忙しいの?」
「もうすぐ年末が来るからって」
「私たちが誘っちゃって良かったのかな?」
「じゃあ、キャンセルするか?」
「それは駄目!」
「相変わらずわがままなやつだな」
「何それ?」
「二人とも~、仲いいね~」
野乃葉ちゃんが私たちに話しかける。今の会話でどうしてそういう発想が出てくるの?
「この会話のどこが仲いいのよ?」
「いいと思うよ~」
野乃葉ちゃんがニコニコしながら言った。
「あれ? この大きな荷物は何だ?」
ようやく野乃葉ちゃんが作ってきた弁当に琉生が気付いたようだ。これだけ大きいんだから来てすぐ気付きなさいよね。
「お弁当よ」
私はわざと呆れかえったような声で言ってみた。
「誰が作ったんだ?」
来たわね。
「わ、私に決まってるじゃない」
声はやや小さくなる。野乃葉ちゃん、ごめん。
「それはあり得ない」
ギクリ!
「どういう意味よ!」
動揺した私は大きめの声で言った。
「どうせ春野にでも作ってもらったんだろ?」
図星!!
「ち、違うよ」
「中園君、これは~柚衣ちゃんが作ったんだよ~」
「本当かよ! 信じられねえ」
野乃葉ちゃんの言葉で半信半疑ながら琉生は納得したようだ。
「ごめん! 遅れた!」
突然の声に振り返ると、草壁君がこちらに走ってくるのが見えた。
「待たせてごめん。生徒会の仕事をしてから来たんだ」
「大丈夫だよ、私たちが早く来すぎただけだから」
沙耶ちゃんがさりげなくフォローを入れる。ああ、この役私がしたかったよ~。でも咄嗟に思いつかなかったし。
「あ、あの。忙しいのに誘ったりしてごめんなさい」
私は草壁君に申し訳なさそうに謝った。勿論本当にそう思ってるけど、好印象を与える目的も兼ねていた。私って意外とずる賢いのかな? でもこのチャンスを生かすためだからいいよね?
「いいよ。僕も羽を伸ばしたいなって思っていたところだったから」
優しい!! この優しさがたまらないんだよね。琉生とは大違いだ。
全員そろった私たちは遊園地行きのバスに乗り込んだ。あいにく車内は家族連れが多く超満員。椅子に座ることもできず立ったまま行くことになってしまった。ついてないよね。
「20分くらいで着くそうだよ」
と草壁君が爽やかな笑顔で言ってくれた。
『あなたと一緒なら何時間でも大丈夫です』
当然こんな台詞言えるわけもなく、私はそっと頷いた。
それにしても、お弁当を入れたバッグが重い。床に置くのも嫌だし、どうしよう? 私はふと琉生に目をやる。そして、そっと近付き小さな声で囁いてみる。
「ねえ、もし可愛い女の子が重い荷物持って苦しんでたらどうする?」
「持ってやるに決まってるだろ」
「はい」
私はバッグを琉生に差し出した。
「これがどうしたんだ?」
「さっき『持ってやるに決まってるだろう』って言ってたじゃん」
「それは可愛い女の子の話だろ?」
「何ですと?」
私は琉生の足を蹴る。
「痛っ!! 何すんだよ!!!」
「・・・・とにかく持ってよ」
私は無理矢理琉生にバッグを渡す。
「いったい何人分作ったんだ?」
「え~と、5人分?」
私は曖昧な返事をするとともに一抹の不安が胸をよぎる。確かに弁当にしては多すぎるような?
琉生が来て第一声がこれだ。あんたも遅いのよ!
「まだだよ~」
野乃葉ちゃんが誰よりも早く答える。
今日の野乃葉ちゃん乗ってるなあ。楽しみだったのかなあ?
「やっぱりか。生徒会の仕事をやってから来るって言ってたもんな」
「ええ~! 草壁君そんなに忙しいの?」
「もうすぐ年末が来るからって」
「私たちが誘っちゃって良かったのかな?」
「じゃあ、キャンセルするか?」
「それは駄目!」
「相変わらずわがままなやつだな」
「何それ?」
「二人とも~、仲いいね~」
野乃葉ちゃんが私たちに話しかける。今の会話でどうしてそういう発想が出てくるの?
「この会話のどこが仲いいのよ?」
「いいと思うよ~」
野乃葉ちゃんがニコニコしながら言った。
「あれ? この大きな荷物は何だ?」
ようやく野乃葉ちゃんが作ってきた弁当に琉生が気付いたようだ。これだけ大きいんだから来てすぐ気付きなさいよね。
「お弁当よ」
私はわざと呆れかえったような声で言ってみた。
「誰が作ったんだ?」
来たわね。
「わ、私に決まってるじゃない」
声はやや小さくなる。野乃葉ちゃん、ごめん。
「それはあり得ない」
ギクリ!
「どういう意味よ!」
動揺した私は大きめの声で言った。
「どうせ春野にでも作ってもらったんだろ?」
図星!!
「ち、違うよ」
「中園君、これは~柚衣ちゃんが作ったんだよ~」
「本当かよ! 信じられねえ」
野乃葉ちゃんの言葉で半信半疑ながら琉生は納得したようだ。
「ごめん! 遅れた!」
突然の声に振り返ると、草壁君がこちらに走ってくるのが見えた。
「待たせてごめん。生徒会の仕事をしてから来たんだ」
「大丈夫だよ、私たちが早く来すぎただけだから」
沙耶ちゃんがさりげなくフォローを入れる。ああ、この役私がしたかったよ~。でも咄嗟に思いつかなかったし。
「あ、あの。忙しいのに誘ったりしてごめんなさい」
私は草壁君に申し訳なさそうに謝った。勿論本当にそう思ってるけど、好印象を与える目的も兼ねていた。私って意外とずる賢いのかな? でもこのチャンスを生かすためだからいいよね?
「いいよ。僕も羽を伸ばしたいなって思っていたところだったから」
優しい!! この優しさがたまらないんだよね。琉生とは大違いだ。
全員そろった私たちは遊園地行きのバスに乗り込んだ。あいにく車内は家族連れが多く超満員。椅子に座ることもできず立ったまま行くことになってしまった。ついてないよね。
「20分くらいで着くそうだよ」
と草壁君が爽やかな笑顔で言ってくれた。
『あなたと一緒なら何時間でも大丈夫です』
当然こんな台詞言えるわけもなく、私はそっと頷いた。
それにしても、お弁当を入れたバッグが重い。床に置くのも嫌だし、どうしよう? 私はふと琉生に目をやる。そして、そっと近付き小さな声で囁いてみる。
「ねえ、もし可愛い女の子が重い荷物持って苦しんでたらどうする?」
「持ってやるに決まってるだろ」
「はい」
私はバッグを琉生に差し出した。
「これがどうしたんだ?」
「さっき『持ってやるに決まってるだろう』って言ってたじゃん」
「それは可愛い女の子の話だろ?」
「何ですと?」
私は琉生の足を蹴る。
「痛っ!! 何すんだよ!!!」
「・・・・とにかく持ってよ」
私は無理矢理琉生にバッグを渡す。
「いったい何人分作ったんだ?」
「え~と、5人分?」
私は曖昧な返事をするとともに一抹の不安が胸をよぎる。確かに弁当にしては多すぎるような?
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