落ちこぼれ魔女のリーサとラスボスのミーニャ

小松広和

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第3章 仲良し3人組

第83話 私にも意地があります

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 朝を迎えました。とてもいい天気です。でも私の心は大雨になっています。もう少ししたら旅立つ時間なのですが、ミーニャさんについていくかどうかまだ迷っているのです。
「準備はできたか?」
ミーニャさんは当然のように私も一緒に行くものだと思っているようです。でも野宿はもうしたくありません。

「私は・・・・・・・・行きま・・・・せん」
「そうか。今までありがとう。楽しい日々であったぞ」
「ミーニャさん?」
「これは私からの餞別だ。きっとすぐに役立つと思う。貰ってくれ」
私はミーニャさんから渡された袋を見ます。普通に考えてまともな物が入ってるわけがありません。でも開けてみます。

「ん? これは? スパイスのセットじゃないですか!」
「これで美味しくいただかれろ」
う~! やはり行かなくてはいけないのでしょうか? そうだ。強い味方を付ければ私を食べようというモンスターはいなくなるはずです。

「レッドキングさん。私がここに残った場合、私を守ってくれますか?」
この城で一番強そうなモンスターはこのレッドキングです。性格も良さそうですし、これで安心です。
「そうですね。食欲に負けなければですが」
ガーン! そんなに人間て美味しいのでしょうか?

 私の世話をしてくれていたメイドがみんなに何かを配っています。いやくじ引きをしているのでしょうか?
「どうだリーサ。これが最後のチャンスだが、一緒に旅に出るか?」
「少しお伺いしますが、瞬間移動で行きますか? それとも歩いて行きますか?」
「お前が行くなら歩いて、行かないのなら瞬間移動で行く」
「何でそうなるんですか!?」
これは完全に遠回りをさせられますね。

「わかりました。私は行きませ・・・・」
「やったー俺は右腕だ」
「いいなあ、俺なんか左目だぞ」
「僕は頬が当たりました!」
「俺は胸だぞ。リーサって女、胸ないもんなぁ」
もしかして私のどの部位を食べるかくじ引きしてます?
「俺なんか脳みそだぜ。いいだろう」

「リーサ、行かないでいいんだな」
「行きます!」
「ほお、急に態度が変わったな」
「仕方ない状況ですので」
「連れて行ってやるとは行ってないぞ」
何ですって! 行くと聞いて余裕を見せてきましたね。

「別に行かなくてもいいんですよ」
そっちがその気なら少し脅してみましょう。
「そうか。ナナカ行くぞ」
「ほい。リーサ、達者でね。あなたのことは1ヶ月位は覚えててあげるわ」
え? 本当に私を置いて行かないですよね? ミーニャさんは私と旅がしたいはずです。ここに私を置いていったら二度と会えなくなる可能性が強いですよね?

 ミーニャさんが門を出ようとしています。
「ちょっと待ってください!」
「どうしたのだ?」
「あ、いや、そのう」
「言うことがないのなら行くぞ。もし、再び会えたら旅の土産話を聞かせてやろう。骨だけになっている可能性が高いがな」
どうしても私に『お願いですから連れて行ってください』と言わせる気ですね。これを言うのは死んでも嫌です。私にも意地があります。

「じゃあな」
ミーニャさんとナナカさんが出て行ってしまいました。どうしましょう。まさか本当に私を置いていくとは思いませんでした。私は慌てて逃げようとしますが、いとも簡単に捕まってしまいました。

「体をバラバラにしてから煮込むか? それとも煮込んでから取り分けるか?」
「煮てからの方が取り分けやすいぞ」
「それもそうだな」
とんでもない会話がなされてます。

「お願いです。助けてください!」
「ダメだ。こんなごちそうは滅多にないからな」
このモンスター達、目がマジです。
「何でもしますから。助けてください」
必死で頼んでみます。まさか本気でこんな状態になるとは思ってもいませんでした。

「さあ、鍋に入るんだ」
私を無理やり鍋に入れようとしてきます。
「馬鹿野郎。そのまま入れるな。服を着たまま煮る気か?」
ええーーー!
「レッドキングさん! お願いですから助けてください!」
「う~ん、人間の若い女性は美味しいからな」
ええええーーーーーーーー!!!! やばいです。本気でやばいです。

「ミーニャさん! お願いですから連れて行ってください!」
その時、モンスター達の動きが止まった。
「なら連れて行ってやろう」
「え? ミーニャさん?」
いつ帰ってきたのか、ミーニャさんが居ます。そして手には看板を持っているではありませんか。

「タッタラー」
看板には『ドッキリ』の文字が。完全にやられました。全て仕組まれていたんですね。私はその場に座り込むとこれ以上反抗する気にもなれず、大人しく旅の支度をするのでした。
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