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第1章 運命の出会い

第12話 本当に逃亡してみました

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 やっと怖いモンスター達が帰りました。一体何がどうなっているのやらさっぱりわかりません。ミーニャさんは悪い人ではないと思いますが、このままでは私の身が危険にさらされるのはわかります。我が身可愛さに逃げることにしましょう。でもどうやって逃げればいいでしょうか。

「ねえ、クロシッポちゃん。どうしたらこの状況から逃げられるかわかりますか?」
一応聞いてみます。するとクロシッポは私の耳元で囁いてくれました。
「キュピキュピキュピピピ」
さっぱりわかりません。

「リーサ。先に風呂に入ってくるわよ」
これは大チャンス!
「どうぞどうぞ」
思わず笑顔になってしまいます。

 ガチャ。ミーニャさんがお風呂場に入っていきました。私はさっそく荷物とクロシッポを持って部屋から出ました。このチャンスを逃しては後悔します。
「どちらへ?」
「キャー!」
怖そうなモンスターさんて全員帰ったんじゃなかったのですね。
「ちょっと散歩に行こうかなって。えへへ」
「鞄を持ってですか?」
「こ、これは貴重品が入っているので」
「もう外は暗いですよ」
「そ、そうですね。でも、町からは出ないつもりなので大丈夫かなって」
「ではお気を付けて」
「ありがとうございます」

 何とか突破できました。でも確かに外は暗いですね。ちょっと怖いかも。そんなことは言ってられません。早く町を出ることにしましょう。ここにいては逃走になりませんものね。

 私は町の入り口に来ました。ここから先はモンスターが出る可能性があります。しかしさっきのモンスターさんに比べれば全然弱いはずです。ここは勇気を振り絞って行くことにします。
「ここから先は町の外ですよ」
「キャー!」
さっきの怖いモンスターさんです。
「どうしてここに?」
「何かあっては大変ですから陰ながらお守りしておりました」
このボディガードは最強な気がします。

「町の中を散歩なさるのではなかったのですか?」
「あ、えっと、それは・・・・。ああ、ここがこの町の端だったのですか。全然気付きませんでした。あははは」
じろり! 私って思いっきり嘘が下手ですね。

「では危険ですのでお戻りください」
「はい、そうします」
逃亡失敗です。
「キュピキュピピピピ」
クロシッポちゃんが打開策を教えてくれました。でも全然わかりません。

 部屋に戻るとミーニャさんがお風呂から出ていました。
「どこかへ行ってたのか?」
「ちょっとお散歩に」
「本当か? リーベ」
さっきの怖いモンスターさんのようです。
「はい、散歩に行っておりました」
怖いモンスターさんはいいモンスターのようです。

「嘘をつくと明日のお日様を拝めなくなるぞ」
「逃亡しようとしていました」
簡単に裏切られました。

「どういうことだ?」
「ええっと・・・・」
「私と一緒にいるのは嫌なのか?」
「そんなことはない・・・・です」
怖いモンスターがひれ伏す人を怒らせては大変です。
「じゃあ、なぜ逃げようとした?」
凄い圧です。

「あのう、ええっと、怖そうなモンスターさんがひれ伏すなんて・・・・何者なんだろうと思って怖くなって」
「ほお、私の正体を知りたいわけだ」
「決して知りたくないです」
日本語になってませんね。
「私が怖いんだろう?」
「そんなことは全くありません」
殆ど棒読み台詞です。

「教えてやろう。何を聞いても驚くなよ」
「お願いですから言わないでください。もう逃げたりはしませんから」
これほど必死にお願いしたのは初めてです。
「なら言わずにおこう」
「ありがとうございます」
なんか私の人生は終わったような気がします。これからどうなるのでしょうか?
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