控えなさい! 私はマリーよ!

小松広和

文字の大きさ
46 / 109

第四十六話 アイドルグループ

しおりを挟む
『今日も会いに来てくれてありがとう』
大きなスクリーンに女の子十一人組が映し出されている。
「これってもしかしてアイドル?」
「そうね。この国初のアイドルグループよ」
「この国初?」
「あなた達の世界から文化を取り入れているのはここ黒の国だけだから、おそらく異世界初のアイドルグループになるわね」
「また異世界のイメージが‥‥」

『さあ、みんなが私達に夢中になる魔術をかけちゃうぞー』
「まさか本当にかけないわよね」
「いや、恐らくかけるわね」
「そんなのマインドコントロールじゃない」
「マインドコントロールは黒魔術の得意技よ」

『ええーい』
『リサちゃーん』『マイちゃーん』
「これって犯罪よね」
「この世界では合法よ」
「何で!?」
「特に理由はないわ」

「芽依もアイドルになってみたいな」
「芽依には無理ね。美人じゃないし。頭は悪いし」
「マリーさん、酷いよ!」
「でも、私なら素質十分ね。トップアイドルになるはずよ。プリンセスアイドルって新しくない?」
「あなたの性格ならアンチも多くなりそうだけどね」
「小百合、何か言った?」
「別に」

「そうだ! 私達三人でアイドルしない? 私の知り合いに芸能プロダクションの社長がいるの。頼んであげるわ」
「私がセンターならいけるかもしれないわね」
「何で小百合がセンターなのよ!」
私の横には目を潤ませた四郎がいた。
「ごめんなさい。アイドルグループに男子を入れるわけにはいかないわ」
「リサちゃーん」
もうマインドコントロールされたんかーい!

 私達が芸能プロダクションに到着すると社長自らが出迎えてくれた。
「大変ご無沙汰をしております。プリンセス様」
「久しぶりね。元気だった?」
「はい、おかげさまで元気な毎日を過ごさせていただいております」
「そう、それは良かったわ」

「ところで私たち三人でアイドルグループを始めようと思ってるの。どう成功すると思う?」
「‥‥‥‥」
「もちろん、私がセンターを務めるわ。これなら文句ないでしょう?」
「大変恐縮ですが、プリンセス様には公務がございますのでアイドルは厳しいかと‥‥」「大丈夫よ。私は国の仕事を何も任されていないわ」
小百合と芽依が大きく頷いている。何か腹が立つわね。

「人気アイドルになる条件を教えなさい」
「はい、まずは誰からも愛される人柄であることです」
「これは合格ね」
小百合がプッと噴出した。どういうことよ。失礼ね。
「次にファンに対して高飛車な態度を避けフレンドリーに接することです」
芽依が首を横に振っている。後で覚えてらっしゃい。

「あまり頭が良すぎるより少し抜けている方が多くのファンの心を掴めるようです」
「これは私には無理だわね」
「以上の点から考えますとプリンセス様がセンターよりこのお二方のどちらかがセンターをされた方が人気が出るのではないかと思われます」
「ちょっと! どういうこと!?」
「申し訳ございません。このお二方があまりに魅力的でしたので、決してプリンセス様を悪く言ったつもりはありません」

「そう、でどっちが魅力的だって言うのよ」
社長は芽依を指さして、
「こちらのお嬢さんから物凄いオーラを感じます」
「また芽依なの!?」
テレビ局でも悪夢が蘇る。当然のことながら小百合も頭を抱えてうずくまっている。

「わかったわ。この道の第一人者のあなたが言うのなら間違えないわね。アイドルデビューは諦めることにするわ。四郎行くわよ」
「リサちゃーん」
まだ言うとるんかい!
「ちょっと、四郎にかけられたの黒魔術を解きなさいよ」
「二か月もすれば自然に戻ると思うんですが」
「そんなに待てないわ。今すぐ何とかしなさい」
「荒療法ならございますが後遺症が出るかもしれません」
「別にいいわ。早くお願い」

「ちょうど事務所にリサが来ていますので連れてまいりました」
「リサちゃーん」
「リサ、さっき言ったようにしてくれ」
「はい」

「あんたなんか嫌いよ。あっち行って!」
「がーん!!!!!」
こうして四郎にかかっていた魔術は一瞬のうちに解かれた。しかし、四郎はこのあと半年ほど廃人のようになってしまったのは言うまでもない。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...