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第九十二話 四郎を取り戻せ
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小百合と芽依と菫は普段は使ってない小さな部屋で作戦会議を開いていた。
「まずは私のアイデアから言うわね」
当然のようにしきり役をする小百合が切り出す。
「マリーがいくら結婚すると言っても両親が反対すればおしまいだと思うの。ここは落ち着いてマリーの両親に『これで本当に』いいのかと説得するのが一番じゃないかしら?」
「それもそうね」
菫が納得したように頷く。
「次は芽依のアイデアを言うね」
今度は芽依が話し始める。
「やはりこの結婚を反対している人に止めて貰うのが一番だよ」
「結婚を反対している人?」
「そう、魔人さんだよ」
これは以前白の国から持ち帰ったというか盗んできたというか、とにかくどんな願いでも聞いてくれるという不思議な巻物があるのだが、その巻物から出てきた魔人に芽依が『お兄ちゃんと結婚できますように』という願いをしたことを指している。
「でも、魔人に結婚式を止めて貰おうと思えば白の国に行って例の巻物を持ってくる必要があるんじゃないかしら?」
「魔人さんだよ。きっとどこからともなく現れて止めてくれるよ」
「そんなの当てにならないわよ」
魔人のことをあまり知らない菫が言う。
「その時はもっと凄い方法もあるけど」
「何よ?」
「それは最後の手段だから今は秘密だよ」
「別にいいじゃない。いいなさいよ」
「かなり危険な方法だから、もうどうしようもないという時に教えてあげる」
「仕方ないわね。じゃあ、私のアイデアを言うわよ」
菫は芽依が言いそうもないと思うと自分の考えを話し始めた。
「ずばり結婚式の日に花婿を去れって逃げるのよ」
「そんなことできるわけないじゃない」
「やはりドラマチックに行かなきゃ駄目よ。結婚式が始まろうとしている時、『その結婚式待った!』と言って乗り込むの。そして四郎君をさらって式場を後にするのよ」
「正気なの? ここは城の中なのよ。何人の兵士がいると思ってるのよ。その人達全員を敵に回してどうやって逃げるつもり?」
「何とかなるわよ」
深く考えないタイプの菫が適当に答える。
「他に何かある?」
「マリーを殺るとか」
「余計に危ないわよ!」
「芽依まだ死にたくないよ」
「とりあえず王様に言うのが妥当のようね」
話が決まると早速小百合達は王の間に向かった。
王の間はこの城の中央にあり一番大きな部屋になっている。当然なのだが。
「王様。マリーの結婚についてお聞きしたいことがあります」
「何でしょう?」
マリーの母親つまり四郎が言うところの二号が言った。
「娘さんが結婚式を挙げられようとされていますがこれについてどのようにお考えですか?」
「そうですね? 少し早い気もしますね」
小百合は少し笑みを浮かべて続けた。
「はい、その通りでございます。何しろまだ十五歳ですから」
「そうですね」
『やったー! これでオーケーね!』
菫が小さな声で二人に言った。
「でも」
「え?」
「あの子はご存じのような性格ですし、このまま結婚でもいいかなって思っています」
「何とおっしゃいました?」
「むしろあんな我が儘な子と結婚してくれる人が見つかってほっとしています」
「ちょっとふざけないでよ!」
『敬語を使いなさいよ!』
小百合と菫が慌てて菫の口を塞いだ。
『娘の結婚に反対するのはお父さんの方だよ。お父さんに聞いた方がいいよ』
芽依が小百合に耳打ちをした。
「お、お父さんはどうお考えですか?」
小百合は落ち着きを装って聞いた。
「わしは四郎君が大好きだからな。四郎君が王族に入ってくれるのは大歓迎じゃ」
『どうするのよ?』
『取りあえず作戦を練り直しましょう。いったん部屋に帰るわよ』
「ありがとうございました。私達は丁寧に挨拶をすると王の間を出た。
小百合達は自分たちの部屋には戻らず先ほどの小さな部屋へと向かった。
「困ったわね」
「もう魔人さんしかないよ」
「白の国に行く方がこの国の兵士に捕まるより危険な気がするわ」
「だったら結婚式に花婿を連れ去るしかないわね」
「それも無理があるわ」
「だったらどうするのよ?」
「結婚式が始まる前に四郎君を連れて逃げましょう」
「そうね。ドラマチックじゃないけどその方が楽よね」
結婚式まであと十三日。小百合達は綿密な計画を練り始めるのであった。
「まずは私のアイデアから言うわね」
当然のようにしきり役をする小百合が切り出す。
「マリーがいくら結婚すると言っても両親が反対すればおしまいだと思うの。ここは落ち着いてマリーの両親に『これで本当に』いいのかと説得するのが一番じゃないかしら?」
「それもそうね」
菫が納得したように頷く。
「次は芽依のアイデアを言うね」
今度は芽依が話し始める。
「やはりこの結婚を反対している人に止めて貰うのが一番だよ」
「結婚を反対している人?」
「そう、魔人さんだよ」
これは以前白の国から持ち帰ったというか盗んできたというか、とにかくどんな願いでも聞いてくれるという不思議な巻物があるのだが、その巻物から出てきた魔人に芽依が『お兄ちゃんと結婚できますように』という願いをしたことを指している。
「でも、魔人に結婚式を止めて貰おうと思えば白の国に行って例の巻物を持ってくる必要があるんじゃないかしら?」
「魔人さんだよ。きっとどこからともなく現れて止めてくれるよ」
「そんなの当てにならないわよ」
魔人のことをあまり知らない菫が言う。
「その時はもっと凄い方法もあるけど」
「何よ?」
「それは最後の手段だから今は秘密だよ」
「別にいいじゃない。いいなさいよ」
「かなり危険な方法だから、もうどうしようもないという時に教えてあげる」
「仕方ないわね。じゃあ、私のアイデアを言うわよ」
菫は芽依が言いそうもないと思うと自分の考えを話し始めた。
「ずばり結婚式の日に花婿を去れって逃げるのよ」
「そんなことできるわけないじゃない」
「やはりドラマチックに行かなきゃ駄目よ。結婚式が始まろうとしている時、『その結婚式待った!』と言って乗り込むの。そして四郎君をさらって式場を後にするのよ」
「正気なの? ここは城の中なのよ。何人の兵士がいると思ってるのよ。その人達全員を敵に回してどうやって逃げるつもり?」
「何とかなるわよ」
深く考えないタイプの菫が適当に答える。
「他に何かある?」
「マリーを殺るとか」
「余計に危ないわよ!」
「芽依まだ死にたくないよ」
「とりあえず王様に言うのが妥当のようね」
話が決まると早速小百合達は王の間に向かった。
王の間はこの城の中央にあり一番大きな部屋になっている。当然なのだが。
「王様。マリーの結婚についてお聞きしたいことがあります」
「何でしょう?」
マリーの母親つまり四郎が言うところの二号が言った。
「娘さんが結婚式を挙げられようとされていますがこれについてどのようにお考えですか?」
「そうですね? 少し早い気もしますね」
小百合は少し笑みを浮かべて続けた。
「はい、その通りでございます。何しろまだ十五歳ですから」
「そうですね」
『やったー! これでオーケーね!』
菫が小さな声で二人に言った。
「でも」
「え?」
「あの子はご存じのような性格ですし、このまま結婚でもいいかなって思っています」
「何とおっしゃいました?」
「むしろあんな我が儘な子と結婚してくれる人が見つかってほっとしています」
「ちょっとふざけないでよ!」
『敬語を使いなさいよ!』
小百合と菫が慌てて菫の口を塞いだ。
『娘の結婚に反対するのはお父さんの方だよ。お父さんに聞いた方がいいよ』
芽依が小百合に耳打ちをした。
「お、お父さんはどうお考えですか?」
小百合は落ち着きを装って聞いた。
「わしは四郎君が大好きだからな。四郎君が王族に入ってくれるのは大歓迎じゃ」
『どうするのよ?』
『取りあえず作戦を練り直しましょう。いったん部屋に帰るわよ』
「ありがとうございました。私達は丁寧に挨拶をすると王の間を出た。
小百合達は自分たちの部屋には戻らず先ほどの小さな部屋へと向かった。
「困ったわね」
「もう魔人さんしかないよ」
「白の国に行く方がこの国の兵士に捕まるより危険な気がするわ」
「だったら結婚式に花婿を連れ去るしかないわね」
「それも無理があるわ」
「だったらどうするのよ?」
「結婚式が始まる前に四郎君を連れて逃げましょう」
「そうね。ドラマチックじゃないけどその方が楽よね」
結婚式まであと十三日。小百合達は綿密な計画を練り始めるのであった。
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