討伐師〜ハンター〜

夏目 涼

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第14話

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俺達は武器屋で買い物した後も色々な店を回った。 
防具屋、道具屋、ギルド、本屋など興味深いものがたくさんあった。
まぁ、欲しいものはどれも値段が高すぎて買えなかったが防具屋、道具屋では必要最低限の物は揃えれた。
道具に関しては、俺も少ししか知らなかったがラフィーナが一つ一つどういう効力があるものなのか丁寧に教えてくれた。どれも見たことがないモノで、終始俺以外の3人は興奮していた。
ギルドは一見居酒屋のような所だった。たくさんの討伐師ハンターがお酒を呑みながらワイワイと騒いでいる。ここでは討伐師ハンター同士が集まりお互いに情報を交換する場所なのだそうだ。
そしてここでは依頼も請け負えるらしい。一般の簡単な仕事から魔物討伐のレベルの高い仕事の依頼を受けれるようになっている。
しかし、依頼を請け負えるのは討伐師ハンターの資格を持っている者しか無理らしい。つまり、見習いの俺らじゃ依頼を請け負えない。

くそ!早く稼いであの武器を買おうと思ったんだが。無理か・・・。

そして、この居酒屋では職業も変えれるらしい。
俺達はまだ見習いだが、見習いが取れて一人前になると転職出来るらしい。
そして、二つ以上の職業を修得すると新たな職に就けたりするみたいだ。例えば、剣士と魔法使いで魔法剣士とかになれるらしい。なっている人はほとんどいないみたいだが。
是非なりたい。だって、かっこいいじゃん。剣も魔法も使えるなんて。最強じゃん。でも、俺剣は全く無知だからな。暇があるとき潤に教えてもらおう。
本屋は、各職業の奥義や呪文の書いた本が売っていた。もちろん全部中身は見れないようになっていて技の名前だけ分かるようになっていた。
しかし、凄い技になるとその分値段は高かった。
ゲームみたいに自然にレベルが上がれば技は覚えていくものだと思ってたけどそうじゃないのか?
そう思いながらも一番安い本をそれぞれ一冊ずつ買った。











「疲れたー!」
ドサッと宿屋のカウンター前に置いてあるソファーに思いっきり座る瑠衣。
「思ったより広かったもんね、この町」
そう言いながら瑠衣の横に座る潤。
「全然欲しいもの買えなかったけどね」
拗ねたように二人とは少し離れたところに座る美衣奈。
しかし、なんだかんだ言いながらイキイキと楽しそうに買い物をしていたのは美衣奈だった。まぁ、口に出しては言えないが。
残ったお金は、それぞれ均等に分けた。

「お前らそれぐらいのことで疲れているようじゃ、先がおもいやられるわ」
ふいにカウンターの方からベースが言ってきた。
俺たちはベースの方に視線を向ける。
確かに、明日から本格的に依頼をこなさなければならない。こんなことで疲れているようでは確かに先が思いやられる。
「今日はこの世界に慣れるのに疲れただけよ!明日からはしっかりと依頼をこなすわ!これでもブラークの教え子なんだから」
ブラークとは武良久のことだ。こっちの世界ではそう登録しているらしい。確かに、時々そんな名前で呼ばれてたな。
「ふん!せいぜい頑張るんだな」
そう言い残し、ベースは食堂の方へと入っていった。

「くやしー!何なのよ!あのじじぃ!」
「ミーナ!聞こえるよ!」
美衣奈の叫び声に慌てて止める潤。
しかし、美衣奈の怒りは収まらず足をドンドンと床に叩きつけていた。
「でも、ベースさんの言うことも一理あると思う。こんなことで疲れてちゃ駄目だ。みんな、気合い入れていこう!」
「うん、カイトの言うとおりだね。明日からまたみんなで頑張ろう!」
俺と瑠衣の言葉に美衣奈はムスッとしながらも頷いていた。

うん、根はいい子なんだ。

「そろそろ夜ご飯の時間じゃない?俺お腹空いたー」
グルグルというお腹の音と共に瑠衣の情けない声がカウンターに響いた。
「ははっ!じゃ、荷物を部屋に置いて食堂に行こう!」
潤の一言で俺たちは階段を上り部屋に向かった。









夜ご飯も食べ終わり、それぞれの部屋にみんな戻った。
しかし俺は、今日本屋で買った呪文書を手に宿屋を後にした。


宿屋を出て、すぐのところが町の出入り口になっている。夜は特に魔物の行動が盛んになるから気をつけろと言われていたのだがどうしても試してみたかった。
俺の手には『雷系初級魔法集』と書かれた本。
ずっと魔法なら雷系が勉強したいと思っていた。
移動で使っていたランプを地面におき、本を開く。
そこには3つの初級魔法の要点が事細かく記載してあった。さすが初級魔法集だ。
なになに…一つ目は『サンダーボルト』。
雷が相手の脳天お落ちる技か。
魔力が上がれば上がるほど電力も上がると書いてある。修行あるのみだな。
本の要点を読み、俺は自分の中で創造する。
何だか体中が熱くなるのを感じる。
俺は自分の脳裏に創造したものを具現化するように魔力を放出した。

「サンダーボルト!」

するとピカッと空が光ったかと思うとものすごい音で近くの大きな木に雷が落ちた。

「………………………」

俺は、雷で真っ二つになった無残な木を見てしばらく放心状態だった。






結局、力加減をどうしたらどうなるのか試行錯誤しているうちに空が明るくなってきた。

「しまった…熱中しすぎた」

俺は慌てて宿屋に戻り、自分の部屋へ向かった。









「昨日の夜聞いた?すごい雷でさ!なかなか寝れなかったよー。でも不思議と雨は降ってなかったんだよね。こっちの世界ではそれが普通なのかな?」

瑠衣の言葉に俺の内心では焦っていた。
かなりうるさかったみたいだ。
今後はもっと離れたところでしよう。

一生懸命昨日の雷の話をしている瑠衣を適当にあしらいながら俺たちは朝食を食べるために食堂へ来た。

「おーい!こっちこっち!」

潤が立ち上がって手招きしてくれる。
受け渡し口で朝食をもらい席へ向かった。

「遅かったじゃん。朝ご飯食べないのかと思った」

もうすでに潤、美衣奈、ラフィーナは食べ終わっていた。
「いや、昨日なかなか寝れなくてさ。寝坊しちゃった…ねぇ?カイト」
「う、うん」

俺は焦りながらどう会話を変えようか悩んでいた。

「昨日の雷の話?」

まさかの潤も乗ってきた。

「それ私も聞いた」

美衣奈まで。

ラフィーナもコクコクと頷いている。
やっぱり場所変えよう。






朝ご飯を食べ終わり食堂から出ると、武良久がカウンター前のソファーに座っていた。

「おう!やっと来たか。お前ら今日からビシビシいくぞ。覚悟はいいか?」

俺たちの姿を見つけると武良久はソファーから立ち上がった。


いよいよ格的に裏世界での生活が始まったのだ。
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