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魔物討伐
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「……………………」
「ソラ、ごめん」
「……………………」
「き、昨日は同意だっただろ?」
「……………………ふんっ」
「ソラ……」
朝から体中が痛くて歩けない僕をアルが抱っこして運んでいる。昨日の夜はここまでだとは思っていなかった。
確かに同意…した……かもしれない。でもあれはアルが触ってくるからであって…ともかくこんなふうになるまでは許してない!そっぽを向くと明らかにアルがショックを受けて、怒られた子どもみたいな顔をする。
僕も最終的には誘った気がするしアルのことは怒れないと思う、けれど今許したらこれからの旅で僕はアルに抱っこされたまま歩くことが無いかもしれない。いや、それはそれで楽かもしれないけれど……さすがに抱っこされたまま戦われたりとかしたらヤダ。
「…ここまでするとは思ってなかったの!」
「すまない……」
「僕は自分で歩きたいし、アルだって重いでしょ?」
「いや、俺は……」
「なぁに?」
「なんでもない…」
にっこり笑って聞き返すと目をそらされた。番に尽くすのが獣人の喜びなのかもしれないが、される側の僕のことも考えて欲しい。僕本当にダメダメになっちゃう。
「僕が何もしなくなったら困るでしょ」
「…………ああ」
「約束した通り、触りっこくらいなら良いけど、それ以上はダメ!」
「本当にダメか?」
「昨日それで良いって言ったでしょ」
「………………まあいいか」
「ん?」
「なんでもない。それより、明日にはイーゼルに着くな。できる限りはフードを被ってくれ」
なんだか話を逸らされた気がするが良いだろう。ただ、僕またフードを被らなくちゃいけないのかな。
「フードって被らなくちゃだめ?僕周りがほとんど見えないんだけど…」
「なるべく被って欲しいが……ソラが景色を見れないのか。すまない、そこまで考えてなかった」
顔を見せたくないっていう理由は聞いたけど、いいのかな。アルが絶対被って欲しいって言うなら僕は別にいいんだけど。
「俺が嫌なだけだから我慢できる。大丈夫だ」
「本当に大丈夫?」
「ソラが俺のそばに居てくれれば良い」
「うん、それは大丈夫だよ」
フードを被らなくても良くなった!せっかく旅をするんだから景色は見たい。
魔法で外からだけ見えないみたいにどうにかできたりしないのかな…魔法が使えるのか試した時に火魔法や水魔法なんかしか言われなかったから、この世界にはそういう便利な魔法はないのかもしれない。
「!」
「なに?」
僕と話していたアルが、耳をピクピクとさせて急に立ち止まってパッと振り返るから、なんだろうと思って聞くとしーっとジェスチャーをされた。
「魔物がいる」
小声でアルが教えてくれて、ドキッとする。今までの道のりで魔物にはほとんど遭遇しなかったし、いたとしてもアルが魔法で魔物にまだ遠いうちから倒してくれていた。
腰に付けている剣に手を置いたアルに不安になって、アルの服を握ると気付いて頭を優しく撫でてくれる。
「少しだけ待っててくれ」
「うん……」
アルに下ろされて、少し離れた場所から剣を構えたアルを見守る。しばらくすると、アルが睨んでいた方向からガサガサと音がして、なにか大きなものが出てきた。
「っ!」
見た目が僕が襲われたオークに似ていて、悲鳴を上げそうになる。でも、僕を襲ってきたオークとは大きさが全く違う。あいつも十分大きかったのに、今アルの目の前にいるやつはもっともっと大きい。建物が動いてるみたいだ……
それでもアルは全然動じずに、冷静に剣を向けて戦い、意外とあっけなく倒してしまった。そのまま倒した魔物をマジックバックに入れて、魔法で体を綺麗にしてから僕を抱き上げる。全然息も上がっていなくて、Sランク冒険者の凄さを感じた。
「さぁ、行こう」
「う、うん…」
「怖かったか?」
「少しだけ…」
「俺が守ってやるからな。大丈夫だ」
アルがそう言って知らないうちに少し震えていた僕を抱きしめてくれる。自分でも意識していないうちにあのオークの事がトラウマになっていたのかもしれない。
少しすると落ち着いてきた。
「アルかっこよかったよ」
「そうか?」
「うん、なんか漫画みたいだった…」
「?」
「な、なんでもないよ!ただ、すごいなぁって」
あんな大きな魔物に素早くトドメをさして、倒してしまう僕の番は本当にカッコよかった。
僕が戦えるようになるにはまず魔物が大丈夫にならなくちゃ。戦わないのだとしても、冒険者として旅をするならこんなことでいちいちビビっていてはいけない。
「魔物に耐性をつけなきゃ……」
「ん?」
「魔物が大丈夫になるように頑張るから!」
「じゃあ小さい魔物か弱い魔物から慣れていったらいいんじゃないか?」
「例えばどんなの?」
「スライムか…ホーンラビットか……」
「僕でも大丈夫かな……?」
「怖くはないと思うぞ。ホーンラビットはともかくスライムは攻撃もほとんどしてこないからソラでも倒せると思う。この近くにはどっちも生息してないけどな」
「そっか……ねぇ、やっぱりちゃんと冒険者になってもいい?まだ街にも着いてないけど、すごく楽しいし、これからも続けたいって何回も思ったんだ」
「そうか、俺はそれで良い。むしろ歓迎だ。1番ソラと一緒にいられるし、辞めたらそれはそれで色々面倒くさそうだしな……」
「良かった。僕、足でまといにならないように戦えるようになりたいんだけどどうしたらいいかな……」
「じゃあ教会で魔法の属性を調べてもらわないとな。武器は危ないからあまり使わせたくない」
「それならラスロに帰ってからだね。僕本当に魔法使えるのかな……何も属性がなかったりして…?」
「そんなことは…ない、だろう」
アルもなんだか不安になってきたみたいだ。まだ僕がどこから来たのかも話してないし、事情があると察してくれて詳しくも聞いてこないからアルも良く分からないんだろう。
まぁとにかく、帰ってからのことは後で考えよう!今は初めて行く街を思い切り楽しもうと思う。
「ソラ、ごめん」
「……………………」
「き、昨日は同意だっただろ?」
「……………………ふんっ」
「ソラ……」
朝から体中が痛くて歩けない僕をアルが抱っこして運んでいる。昨日の夜はここまでだとは思っていなかった。
確かに同意…した……かもしれない。でもあれはアルが触ってくるからであって…ともかくこんなふうになるまでは許してない!そっぽを向くと明らかにアルがショックを受けて、怒られた子どもみたいな顔をする。
僕も最終的には誘った気がするしアルのことは怒れないと思う、けれど今許したらこれからの旅で僕はアルに抱っこされたまま歩くことが無いかもしれない。いや、それはそれで楽かもしれないけれど……さすがに抱っこされたまま戦われたりとかしたらヤダ。
「…ここまでするとは思ってなかったの!」
「すまない……」
「僕は自分で歩きたいし、アルだって重いでしょ?」
「いや、俺は……」
「なぁに?」
「なんでもない…」
にっこり笑って聞き返すと目をそらされた。番に尽くすのが獣人の喜びなのかもしれないが、される側の僕のことも考えて欲しい。僕本当にダメダメになっちゃう。
「僕が何もしなくなったら困るでしょ」
「…………ああ」
「約束した通り、触りっこくらいなら良いけど、それ以上はダメ!」
「本当にダメか?」
「昨日それで良いって言ったでしょ」
「………………まあいいか」
「ん?」
「なんでもない。それより、明日にはイーゼルに着くな。できる限りはフードを被ってくれ」
なんだか話を逸らされた気がするが良いだろう。ただ、僕またフードを被らなくちゃいけないのかな。
「フードって被らなくちゃだめ?僕周りがほとんど見えないんだけど…」
「なるべく被って欲しいが……ソラが景色を見れないのか。すまない、そこまで考えてなかった」
顔を見せたくないっていう理由は聞いたけど、いいのかな。アルが絶対被って欲しいって言うなら僕は別にいいんだけど。
「俺が嫌なだけだから我慢できる。大丈夫だ」
「本当に大丈夫?」
「ソラが俺のそばに居てくれれば良い」
「うん、それは大丈夫だよ」
フードを被らなくても良くなった!せっかく旅をするんだから景色は見たい。
魔法で外からだけ見えないみたいにどうにかできたりしないのかな…魔法が使えるのか試した時に火魔法や水魔法なんかしか言われなかったから、この世界にはそういう便利な魔法はないのかもしれない。
「!」
「なに?」
僕と話していたアルが、耳をピクピクとさせて急に立ち止まってパッと振り返るから、なんだろうと思って聞くとしーっとジェスチャーをされた。
「魔物がいる」
小声でアルが教えてくれて、ドキッとする。今までの道のりで魔物にはほとんど遭遇しなかったし、いたとしてもアルが魔法で魔物にまだ遠いうちから倒してくれていた。
腰に付けている剣に手を置いたアルに不安になって、アルの服を握ると気付いて頭を優しく撫でてくれる。
「少しだけ待っててくれ」
「うん……」
アルに下ろされて、少し離れた場所から剣を構えたアルを見守る。しばらくすると、アルが睨んでいた方向からガサガサと音がして、なにか大きなものが出てきた。
「っ!」
見た目が僕が襲われたオークに似ていて、悲鳴を上げそうになる。でも、僕を襲ってきたオークとは大きさが全く違う。あいつも十分大きかったのに、今アルの目の前にいるやつはもっともっと大きい。建物が動いてるみたいだ……
それでもアルは全然動じずに、冷静に剣を向けて戦い、意外とあっけなく倒してしまった。そのまま倒した魔物をマジックバックに入れて、魔法で体を綺麗にしてから僕を抱き上げる。全然息も上がっていなくて、Sランク冒険者の凄さを感じた。
「さぁ、行こう」
「う、うん…」
「怖かったか?」
「少しだけ…」
「俺が守ってやるからな。大丈夫だ」
アルがそう言って知らないうちに少し震えていた僕を抱きしめてくれる。自分でも意識していないうちにあのオークの事がトラウマになっていたのかもしれない。
少しすると落ち着いてきた。
「アルかっこよかったよ」
「そうか?」
「うん、なんか漫画みたいだった…」
「?」
「な、なんでもないよ!ただ、すごいなぁって」
あんな大きな魔物に素早くトドメをさして、倒してしまう僕の番は本当にカッコよかった。
僕が戦えるようになるにはまず魔物が大丈夫にならなくちゃ。戦わないのだとしても、冒険者として旅をするならこんなことでいちいちビビっていてはいけない。
「魔物に耐性をつけなきゃ……」
「ん?」
「魔物が大丈夫になるように頑張るから!」
「じゃあ小さい魔物か弱い魔物から慣れていったらいいんじゃないか?」
「例えばどんなの?」
「スライムか…ホーンラビットか……」
「僕でも大丈夫かな……?」
「怖くはないと思うぞ。ホーンラビットはともかくスライムは攻撃もほとんどしてこないからソラでも倒せると思う。この近くにはどっちも生息してないけどな」
「そっか……ねぇ、やっぱりちゃんと冒険者になってもいい?まだ街にも着いてないけど、すごく楽しいし、これからも続けたいって何回も思ったんだ」
「そうか、俺はそれで良い。むしろ歓迎だ。1番ソラと一緒にいられるし、辞めたらそれはそれで色々面倒くさそうだしな……」
「良かった。僕、足でまといにならないように戦えるようになりたいんだけどどうしたらいいかな……」
「じゃあ教会で魔法の属性を調べてもらわないとな。武器は危ないからあまり使わせたくない」
「それならラスロに帰ってからだね。僕本当に魔法使えるのかな……何も属性がなかったりして…?」
「そんなことは…ない、だろう」
アルもなんだか不安になってきたみたいだ。まだ僕がどこから来たのかも話してないし、事情があると察してくれて詳しくも聞いてこないからアルも良く分からないんだろう。
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