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その7
しおりを挟む大きな手と長い指で撫でるように梳かれ、いつもアネットがブラシで髪を梳いてくれるのとまた違った気持ち良さがあった。さすが毎晩女を抱いているだけある。女性のウィークポイントなど全て知り尽くしているに違いない。悔しいが気付けば下手くそではない、ちゃんとした喘ぎ声を出してしまっていたではないか……。
不意にクリフォードが前を隠していたエティの腕を掴んで外そうとした。余所事を考えていたエティは思わず抵抗をみせるとクリフォードは「さっきたっぷり見た」と柔らかく笑った。
見られただけじゃ済まなかったけどね……。
そんな非難の目でクリフォードの顔と股間を見ると今度はプッと吹き出した。クリフォードは胸元が少し肌蹴たガウンの腰紐に手をかけた。
「勃ってねぇよ。確認するか?」
「けっ、結構です!」
その後エティはクリフォードにうつ伏せ寝にさせられた。何も身につけていない無防備な背中をクリフォードに晒しながら、頼むから早く紫銀の女が現れてくれと祈った。
***
クリフォードは透き通るようなシミのない白い背中に手を伸ばした。軽く触れた時に小さな身体がピクリとしたのは恐らく警戒しているせいだろう。手のひら全体で、まるでマッサージするように背中を余すことなく撫でていく。時々触れるか触れないかくらいの力加減にすると控え目に声が漏れた。クリフォードがいる反対側にエティの顔が向いているため、表情は伺えないが声の様子から身体が敏感になってきたのは間違いない。
背中から腰まわりや臀部、腿裏などエティの若くキメの細かい肌質を堪能する。最初のうちクリフォードはエティの反応を見ながら手を這わしていたが、触っている自分の方が気持ちよくなっているのに気づいた。肌質も柔らかさも、最初から触り心地の良い身体とは思っていたが、こんなに夢中になって触っていたのは何人も女を抱いた中で初めてだった。
「……んっ、……はっ」
エティの身体が大きく跳ねた。クリフォードがエティの背中に舌を這わせたからだ。わざとらしくリップ音を立ててキスを落とし腰から首筋めがけて移動していく。背中にあった手はいつの間にかベッドとエティの間に差し込まれ胸を優しく揉みあげていた。
「ああっ、やあっ!」
クリフォードはバスローブを脱ぎ捨てると自分の素肌をエティの背中に密着させ、ほうっと息を吐いた。
物凄く気持ちいい。
何だこの感覚。この幼く見えるエティに自分が反応するなんて考えられない。もしかしなくても自分は肌フェチだったのだろうか。
「……っ!ねぇっ、なんか、なんかお尻に当たってる!」
クリフォードの行動が一気に性的なものになり、戸惑った様子でエティは身を捩った。その拍子にしっかり形を変化させたクリフォードの下半身が隙間なく密着した。慌てて逃げようとするエティをクリフォードは両腕を絡めて引き止めると後ろから耳朶を咥えた。
「ひゃあっ!」
「お前の肌が気持ち良すぎるからだ」
「やっ、……あっ……んっ」
耳を舐めながら手にすっぽり収まってしまうくらい小ぶりな胸をやわやわと揉む。大きければいいってもんじゃない。サイズより触り心地だ、とクリフォードは今までの考えを改めた。クリフォードの執拗な攻めにエティは逃げる力を失い身体をビクビクと震わせる。クリフォードは後ろから羽交い締めのままエティの股の間に手を伸ばした。
「……や、やあっ!!」
下着越しにもしっとり濡れているのがわかり、クリフォードは堪らず無理矢理下着の中に指を這わした。エティは激しく抵抗したが構わず奥へ指を進めた。暖かく滑ったそこも想像以上に気持ちいい。女なんて皆んな同じだと思いつつ、もしかして違うかもしれないと数え切れないほど試してきた。だけど結果どの女もクリフォードにとっては同じだった。
だが今、蜜に絡まっている指がとてつもなく気持ちいい事にクリフォードは胸が高鳴った。
もしかしたら……。
***
「……あっ、ああっ。やだっ!」
「こんなに濡れてるのに?」
虐めるようにクリフォードに耳元で囁かれ、エティの身体の奥に痺れが走った。あちこち撫でられ、もうどこに触れられても声を上げてしまう。エティは自分の情けなさに涙を浮かべていた。早い段階でクリフォードの手に落ちたのは自分で認めるが、本気になれば途中で逃げだせたはずだ。最後までしない、とクリフォードの言葉を正直に信じてしまった自分が悪い。大人っぽい娼館の女性ばかりを相手にしているクリフォードが、こんな子どものような自分を手篭めにすると思いもよらなかった。
「エティ、凄く気持ちいい……」
切なそうに声を漏らした自分の名前に、エティはやめてと首を横に振った。
恋人同士でもないし同意でもない。そんな風に囁かないで欲しい。
クリフォードはエティの身体を触っているだけで挿れてもいないのに「気持ちいい」を繰り返す。エティは身体をビクつかせながらも頭の片隅で不思議に思った。
クリフォードの作り出す快楽に支配される中、エティは仰向けにされると視界の先には欲情を露わにしたクリフォードの青い瞳があった。そして考える間も無く唇があてられ遠慮なく貪られる。
「んんっ!!んー!」
唇を食まれ、舌をねっとりと絡みつかせられるとエティの頭はクラクラした。唇への攻撃は収まらないまま、残っていた最後の下着を剥ぎ取られ、蜜口を指が探り出した。ゆっくりとエティの中に異物が入ってきて中を掻き回しながら出し入れしていく。エティの神経は全てそこへ集中しているように身体が固まった。クリフォードの慣れた手つきはエティを痛めつけることはなかったが、逆に身体を昂らせ過ぎている事に気がついていなかった。それはクリフォードが常に玄人の女性ばかりを相手をしすぎていたせいだった。
エティは指が送出されるたびに下半身に溜まっていく疼きを理解できずに、恐怖すら感じ始めた。
「エティ、こんなに気持ちいいのは初めてなんだ。だから、試させてくれ」
眉根を寄せて切羽詰まった表情でそう告げると、固く反り返ったクリフォード自身が蜜口にあてられた。
クプ、と指より遥かに大きいモノが自分の中に押し迫ってきてエティは息を飲んだ。クリフォードの言ってる事はよくわかないが、このまま彼が最後までするつもりなのは理解できた。視線が絡まったままの青い瞳にエティは涙を滲ませて最後の足掻きをした。
「お願い、やめっ…」
まるで言葉を遮るようにキスをされエティはもうダメだと諦めた。いや、かなり前の段階から逃げられないと感じてはいたが、心の隅で僅かな可能性を信じてもいた。
「ンッ……!!」
鋭い痛みが走り、エティは押し退けようと手をあてていたクリフォードの胸板に強く爪を立てた。全く痛がる様子もなくクリフォードは腰を押し進めるとエティにぴったり身体を重ねた。そして唇を離すと苦しそうな表情ではあっ、と熱い息を吐いた。
「うわ……、気持ちいい……」
「私は…痛いわよっ!……」
絞り出すような弱々しい声で、エティはポロポロと涙を零しながらクリフォードを睨み付けた。
「そうか、すまない。でもお蔭で身体が元に戻ったかもしれん」
クリフォードは申し訳なさそうに言うとまるで子供を宥《なだ》めるようによしよしとエティの頭を撫でた。クリフォードが僅かに動いただけでもピリピリと痛みを感じ、エティは顔を顰めた。クリフォードがさっきからエティに何か言ってくるがそんなの聞いてる余裕はこれっぽっちもない。
小柄なエティの身体に標準よりも身体が大きいクリフォードのモノが入っているのだ。初めてなのに容赦なく奥まで入れられ、エティは痛みで気が遠くなりそうだった。
意識朦朧とする中、エティはクリフォードの肩越しに見えた景色に短い悲鳴を上げた。エティの顔色で事態を瞬時に把握したクリフォードは険しい表情で顔を後ろに向けた。
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