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大学3年生になってもうすぐ夏休みに入ろうとしていた7月のある日、私は肩を落として家路に向かっていた。家といっても今は一人暮らしで、待っているのは明かりの灯っていない静まり返った部屋。足取り重く帰る中、肩を落としている原因となった少し前の記憶が蘇った。
『やっぱり君はこの仕事向いてないんじゃないのか?』
もうそろそろ言われるだろうと覚悟はしていても、面と向かって言われてしまうとやはりダメージは大きかった。
それ以上自分の心が傷つくのを防御するために、自分から『辞めます』と口にした。
これは初めてのことではなくて、大学に入ってから採用してもらったバイト先、全てに同じ事を言われて、やはり今日と同じように自らそこを去ってきた。もうこれで何度目だろう。そんな事ばかり考えて歩いていて、前を見てなかった。
「うわっ!!」
「へぶっ!」
電車を降りて改札口に向かう流れに混ざって歩いていたところ、エスカレーターの前で順番待ちしていた人の背中に勢いよく突っ込んでしまった。
「ご、ご、ごっ、ごめんなさい!!」
「いえ、……ん?あれ?もしかして、佐藤?」
「へっ?……裕…君?」
ぶつけた鼻を摩りながら相手の顔も見ずにすぐ頭を下げたが、自分の名前を呼ばれて顔を上げてみたら、知っている顔だった。
細い身体に乗っかっている顔は、驚いた後ぱっと笑顔になった。
「すげー久しぶり!っと、ここじゃ迷惑だな」
自分達が人の流れを堰き止めていたのに気づき、裕君はその列から外れるように私の腕を引っ張った。その拍子で足がもつれ、今度は正面からまた裕君にぶつかった。
「あ、悪い悪い。平気か?」
大丈夫。……また鼻をぶつけたけど。
引き続き鼻を摩りながらコクコク頷く。いまの一連で髪も乱れてしまった私はストレートのボブを手ぐしで軽く直した。
「おまえ全く変わってねぇーな。2年?3年ぶりか?元気だったか?」
「それなりに。そっちは?」
「まぁ、な。ボチボチだな」
目の前の笑顔につられて私も口元を僅かに緩めて話しかけた。裕君も笑顔と身の細さは変わってないけど、少年っぽさが抜けてかなり大人っぽくなった。なのに私は全く変わってない、と言われてちょっとショックだ。最後に顔を見たのは高校の卒業式の時で、もう3年も経ってるし今は化粧もしてるのに。
ボチボチ、と言いながら短髪が乱れるのも構わずに頭をポリポリ掻くこの人とは高校3年の時に同じクラスだった。
実は、私はこの人が苦手だった。
クラスの中で一番明るくて元気のいい裕君と、のんびり屋のせいでみんなからどこかワンテンポ遅れてるような私。当然接点などはなかったが、自分と違いすぎる裕君の事は自然と避けていた。でも誰とでもフレンドリーな裕君は私にも普通に話しかけてきていた。
「大学行ってるって誰かから聞いた覚えがあるけど、帰りか?」
「あーうん、裕君は?……裕君の家は駅違うよね?どこかに行く途中?」
「ああ、でも急いでないからいいよ。佐藤は時間大丈夫?」
目を細めてにこやかに話す裕君と共通の知り合いなどについて少し話し、お互いの近況の話題になった。裕君は高校を卒業して専門学校に行ったとは知っていたが、それが製菓専門学校で、今は実家のケーキ屋さんを手伝っているらしい。
実家がケーキ屋さんだなんて全く知らなかった。この人がケーキ作るとか全く想像できない。
お前は?とバトンを渡され思わず顔が曇ってしまった。私はとりあえずという気持ちで近くの大学に行ったままやりたい事もなく、先を見出せないでいた。それに……。
「色々、考え中……かな」
バイト辞めたばっかり、とは言えず、返事を濁した。裕君は首を傾げ、あろうことか話に突っ込んできた。
「考え中って?大学?まさか辞めるのか?」
「ううん、辞めたのはバイトの方で……」
決して誘導尋問されたわけではないのに、自らペロッと話題に触れてしまった。しまったと裕君を見ると、少し驚いた表情のまま私を見て、何故か固まっていた。
「えっ、何?どうしたの?」
「佐藤、今バイト何にもしてないの?」
「え?……うん、まぁね」
「考え中って事は、次のバイト先をどれにしようか迷ってるって事?」
「あえて言うなら、どれならできるか、だけど……?」
私はバイトの職種を選べるほどのスキルを持ち合わせてはいない。時間と時給がよければいい、という選び方はできないので、できるだけ長続きできそうなものを次は慎重に選ぼうと思っている。
「佐藤!!」
「ひゃあっ!!」
急に両肩を掴まれ、凛々しい顔が近づいてきた。
「頼む!!ウチでバイトしてくれ!!」
「え?……え?えっ!?ええ!!」
ウチって事はケーキ屋さん!?ケーキ屋さんなんてハイレベルなところ絶対無理!!
裕君のあまりの声の大きさに、一瞬周りの人達がこちらに注目した。自分も裕君に負けないくらいの声が出ていたのに気づき、慌てて声のボリュームを下げた。
「むっ、むっ、無理!ホントそれだけは、無理だから!」
「頼む!急に母さんが入院しちまって急遽人手が欲しいんだ。知り合いに頼んでも誰も捕まらなくてさ。できれば明日から!」
「明日は大学があるの!それに私、接客大の苦手なのよ!」
「ああ、そっか佐藤は人見知りだもんな。でも!ここで会ったのも何かの縁だし、少しの時間でもいいから頼む!!」
必死で頼み込んでくる裕君の様子から、本当に困っているんだとわかった。知ってる人が困ってる時はやはり助けてはあげたいし、自分も次のバイトは探していたけど……よりによってケーキ屋だなんて……。
私が渋っていると裕君は必殺技を出してきた。
「賄いでケーキだすから!」
「えっ、本当!?」
「ありがとう!助かるよ!」
了承する言葉は発してないのに、私の喜んだ顔を了承ととったらしく、裕君は破顔で喜び出した。
お互い連絡先を交換すると「また後でメール入れるから」と改札口を出た裕君はどこかへ向かって行った。
部屋までの帰り道。落ち込みの気分ではなく、今度は不安で下を向いて歩く事となった。
「ケーキにつられるってまるで子供じゃん、私……」
そして夜11時を少し過ぎた頃、スマホが鳴った。ベッドでウトウトしていた私は手探りで電話を取った。
「……はい……?」
『寝てたか?こんな遅い時間に悪い!メールより電話の方が早いと思って』
「電気もテレビも付けっ放しでうたた寝してたから逆に助かったよ」
『それならいいが……。で、明日だけど夜でもいいから一度店に来て欲しいんだが、無理か?』
「夕方からなら大丈夫。講義終わったらそのままそちらに向かうよ」
『助かるよ、店の場所はメールで送るから』
「わかった。……裕君」
『何だ?』
「念のため、店の外にバイト募集の張り紙つける事をおすすめします」
『ははっ!佐藤って面白い事言うよな!』
今のどこに笑うポイントがあったのかわからないわ。
***
私は要領が悪いらしく、どのバイトについても仕事とそこで働く人達に慣れず、長続きしなかった。将来の方向性のヒントになればといろんな職種のバイトについたけど結局どれも合わなかった。
そんな私でも地図は読める方だし、方向音痴ではない。なのにスマホの画面に映し出されている地図と、目の前の店を何度も見見比べてしまった。
「……え?本当にここ?嘘でしょ……」
裕君の家のケーキ店さんは、私が想像していた倍の広さはあり、買ったケーキをそのま店内で食べることができる、イートインタイプのお店だった。住宅街の真ん中にあるアンティーク風のその店は、正面はガラス張りになっていて、中の様子が外からでもよく見えた。
5、6個程あるテーブルは女性客で殆ど埋まっていて、カウンター内では白のカッターシャツに黒エプロン姿の裕君が忙しそうに対応していた。私が外でつったっている間も、若い女性が何組か店内に入って行ったのを目で追った。
「うう……帰りたくなって来た……」
店内から帰る客をカウンターから見送った視線で、外にいる私を見つけた裕君は昨日と同じように笑顔で、おいでおいでと手招きした。
まさか、いきなりあそこに私を立たせるつもりじゃないよね?
恐る恐る扉を開けてそっと中を覗くと、途端に焼き菓子の甘い香りがふわっと薫った。キョロキョロしていると忙しい合間を縫って裕君がカウンターから声をかけてきた。
「そこの椅子に座って待ってて!」
申し訳なさそうに指をさした先は、店内で順番待ちのための椅子だった。
順番待ちがある程人気なのね……。
店内入り口すぐに並んでいる椅子の一番隅にちょこんと座って2時間、ずっと店内の様子を眺めていたけど、裕君は常に忙しそうに動き回っていた。お客の数に波はあったものの作業は何かしらある様で、息つく暇もないとはこの事だろうと、目の前で動き続ける裕君を見ながら思った。途中、客席が空くと裕君は私をそこへ座らせた。「食べて待ってて」と持ってきたのはよく冷えたアイスティーと、ショーケースの中に綺麗に並んでいたイチゴのショートケーキだった。そんなに物欲しそうに見てたつもりはなかったけど、せっかくなのでいただいた。
「悪い!!待たせた!」
あんなに動きっぱなしだったのに、裕君は全く疲れた様子も見せずに、手を合わせながら私の向かいの席に座った。時刻は夜7時過ぎ。営業時間が済んだ店内は控えめに流れている心地よい音楽が響いていた。
「ホンット悪い!!こんなつもりじゃなかったんだ、明日が定休日なのもあって思いの外、混んだみたいだ」
「そんなに謝らなくてもいいよ。それより1人で大変そうだったね、お疲れ様。これ、さっき食べた分の代金だから」
「3時間も待たせたんだ。お金なんて取らないよ!お茶、もう一杯飲む?」
「私より裕君の方が水分摂ったほうがいいよ」
「大丈夫、大丈夫。見えない所でちゃんと飲んでたから。それより早速父さんに紹介していい?」
「店長さんって事だよね?私は役に立つかわからないってちゃんと一言つけてね」
「ははっ、佐藤面白い事言うな!じゃあ、こっち来て」
……今のは笑うトコだったっけ?
裕君の笑いのセンスが全くわからない……。
裕君について入ったのは店内の奥にある厨房で、その扉を開けるとさらに焼き菓子のいい香りが強まった。
「お!裕が言ってたバイトの娘か!」
粉の分量を量っていた手を止めた男性は、私の顔を見ると、くしゃっと笑った。笑顔が裕君っくりで、どう見ても親子だ。背も高く細身で、裕君が歳をとったらこうなるんだろうと感じさせるその人は優しそうな人でちょっと安心して挨拶をした。
「初めまして、佐藤です」
「ん?佐藤?」
「はい」
「……同じ佐藤?」
「はい、字も一緒です」
そうなのだ。裕君と私は同じ名字。日本一多い『佐藤』。
「下の名前は?」
「ほのか、です」
「じゃあ、ほのちゃんで!」
「へっ?」
裕先輩のお父さんは「同じ名字だと呼びづらいからね」と笑いながら作業に戻った。
うん。そう、呼びづらい。だから私は仲がいいわけでもないのに『裕君』と呼んでいた。
この強引でフレンドリーな感じも裕君とよく似てる……。
「じゃあ、ほのちゃん。今度はこっち」
なぜか裕君からもそう呼ばれて、言われるがままついて行くと、先程裕君が忙しそうに動いていたカウンター内だった。物がいっぱいあって、覚える事が多そうだ。その光景に一気に緊張が走った。
「因みにこの種のバイト経験は?」
「……な、ない」
「レジとかは?」
「一度だけ……。でも短期間だったし」
「なるほど、じゃあ厨房ん中の作業は?」
「洗い物なら好き!」
さりげなく接客から遠ざけてもらえる様にアピールしたが、バレたようで思いっきり笑われた。
「私、今までのどのバイト先でも『作業が遅い』ってずっと言われてるんだよね。努力はするけど期待はしないでね」
「なるほどね、わかった。じゃあ、厨房内の洗い物しながらカウンターの補助をやってもらおうかな。接客は苦手なんだろ?基本的にしなくていいから注文の飲み物作ったりケーキのセッティングとかだよ。できそう?」
私に合わせて仕事をくれるなんて、なんてありがたいことか!逆にそれくらいしないとバイトの意味ないよね。
私は髪を揺らしながらコクコクと大きく頷いた。
***
『今日時間あったら店に寄って』
そう裕君からメールが入ったのは、店に行った翌日の朝。時間があったらどころか今日は大学での必須科目はなくて一日中予定などない。そういえば昨日はバイトに行ける日時など店側に全く教えることなく帰って来てしまった。作業内容を軽く決めただけで、他のことは何も話し合ってない事に今頃気づきうな垂れた。
やっぱり私はどこか抜けてるんだよね……。
軽く身支度を済ませ「今から行きます」と裕君にメールを入れて部屋を出た。
「呼びつけてごめん!夜寝る前になって色々思い出して」
昨日とは違ってTシャツとデニムに作業用の白のエプロンで出迎えた裕君は厨房で何か作っていたみたいで、近くに寄って来た時にふわりと甘い香りがした。もしかして忙しい時に来てしまったのかと出直そうとしたら裕君は慌てて否定した。
定休日なので店内は白のブラインドが下されていて、昨日流れていた音楽もなく、あの忙しさが嘘のように店内は閑散としていた。裕君と向かい合わせで客席につくと、テーブルの上で一枚の紙を渡された。雇用内容について細かく書かれたものだった。
「裕君、時給だけどこの地域の最低賃金はもっと低いはずよね?あと勤務時間と日数に関しては夏休みに入ったら欲しい分だけ使ってもらって構わないよ。どうせ私も暇だから」
「ほのちゃん意外にしっかりしてんだな。わかった、時給については最低賃金からスタートして、働き具合を見て親父と相談して増やしていくよ。夏休み入って貰えるのは凄く助かるな!」
そう言って笑った頬には白い粉がついていた。よく見たら髪にもついてるし腕にもついたままだ。
裕君、粉まみれじゃん。
思わず笑みがこぼれたが、よく考えたら一生懸命仕事していた証拠なのに笑うなんて、私はなんて酷いやつ。
「裕君顔に粉ついてるよ。そっちじゃなくてこっち」
「えっ、ここ?こっち?」
腕は自分で見えるから直に見えない顔の部分を教えた。わかりやすく誘導しているつもりなのに裕君は一向に粉が払えない。なんとか時間をかけて裕君は自分で払う事ができた。
「うん、落ちたよ」
「……多分またつくけどな」
苦笑いした裕君はまた髪をくしゃっと掻いた。
「昨日見たけどケーキたくさん種類あったよね。店長さんと裕君の2人で作ってるの?」
「母さんも手伝ってたけど入院中だからね」
「そっか、そういえば、お加減どうなの?」
「腕と脚の骨折だけだから病室で暇そうにしてるよ」
「二ヶ所同時とは……不便だね」
自宅の階段から落っこちたらしい。二ヶ所も骨折するなんて、どんな激しい落ち方したんだろう……。駅で裕君と偶然再会したのは、その近くに裕先輩のお母さんが入院している病院があったからだった。
「ほのちゃんはケーキの種類どれが好き?」
「ベイクドチーズケーキかな」
「ベイクドか、俺は苦手だな。スフレチーズケーキの方が食べやすくない?」
「ベイクドは濃厚だもんね。でもそこがいいんだけど」
「ふーん、じゃあさ、プリンは?なめらか派?カスタード派?」
「カスタード」
「ポテトチップスは塩?コンソメ?」
「……塩」
あれ?ケーキから離れたぞ。
「目玉焼きは醤油?ソース?」
「ソースだけど?」
「完全に俺と逆だな……」
「そうなの?やっぱり、というか、何となく裕君とは気が合わないような気がしてたんだよね」
「……食べ物の嗜好が違うからって気が合わないとは、ほのちゃんは考え方が安直だな…」
何だか複雑な表情でこちらを見た裕君は、呆れたように笑った。
それからひと通り店内の説明と、開店前、閉店後の仕事など裕君から細かく教えてもらった。ひとつ驚いたのは店内には従業員用の休憩室と更衣室が無い事だった。家族で営業するので店を建てる段階でそれを省いたらしい。更衣室などが無い代わりにバックヤードは倉庫が広く中はとても整理整頓されていた。
店の表からはわからないが、裕君の家は店の裏側にあって扉一枚で建物は繋がっていた。なので私がバイトの服に着替える時と休憩する場合は、裕君の自宅の空き部屋を使う事になった。
早速翌日の夕方からここの店に通うことになった。私の大学はあと1週間で夏休みだ。それまでには少しでも仕事が身につけるぞ、と気合を入れた。
『やっぱり君はこの仕事向いてないんじゃないのか?』
もうそろそろ言われるだろうと覚悟はしていても、面と向かって言われてしまうとやはりダメージは大きかった。
それ以上自分の心が傷つくのを防御するために、自分から『辞めます』と口にした。
これは初めてのことではなくて、大学に入ってから採用してもらったバイト先、全てに同じ事を言われて、やはり今日と同じように自らそこを去ってきた。もうこれで何度目だろう。そんな事ばかり考えて歩いていて、前を見てなかった。
「うわっ!!」
「へぶっ!」
電車を降りて改札口に向かう流れに混ざって歩いていたところ、エスカレーターの前で順番待ちしていた人の背中に勢いよく突っ込んでしまった。
「ご、ご、ごっ、ごめんなさい!!」
「いえ、……ん?あれ?もしかして、佐藤?」
「へっ?……裕…君?」
ぶつけた鼻を摩りながら相手の顔も見ずにすぐ頭を下げたが、自分の名前を呼ばれて顔を上げてみたら、知っている顔だった。
細い身体に乗っかっている顔は、驚いた後ぱっと笑顔になった。
「すげー久しぶり!っと、ここじゃ迷惑だな」
自分達が人の流れを堰き止めていたのに気づき、裕君はその列から外れるように私の腕を引っ張った。その拍子で足がもつれ、今度は正面からまた裕君にぶつかった。
「あ、悪い悪い。平気か?」
大丈夫。……また鼻をぶつけたけど。
引き続き鼻を摩りながらコクコク頷く。いまの一連で髪も乱れてしまった私はストレートのボブを手ぐしで軽く直した。
「おまえ全く変わってねぇーな。2年?3年ぶりか?元気だったか?」
「それなりに。そっちは?」
「まぁ、な。ボチボチだな」
目の前の笑顔につられて私も口元を僅かに緩めて話しかけた。裕君も笑顔と身の細さは変わってないけど、少年っぽさが抜けてかなり大人っぽくなった。なのに私は全く変わってない、と言われてちょっとショックだ。最後に顔を見たのは高校の卒業式の時で、もう3年も経ってるし今は化粧もしてるのに。
ボチボチ、と言いながら短髪が乱れるのも構わずに頭をポリポリ掻くこの人とは高校3年の時に同じクラスだった。
実は、私はこの人が苦手だった。
クラスの中で一番明るくて元気のいい裕君と、のんびり屋のせいでみんなからどこかワンテンポ遅れてるような私。当然接点などはなかったが、自分と違いすぎる裕君の事は自然と避けていた。でも誰とでもフレンドリーな裕君は私にも普通に話しかけてきていた。
「大学行ってるって誰かから聞いた覚えがあるけど、帰りか?」
「あーうん、裕君は?……裕君の家は駅違うよね?どこかに行く途中?」
「ああ、でも急いでないからいいよ。佐藤は時間大丈夫?」
目を細めてにこやかに話す裕君と共通の知り合いなどについて少し話し、お互いの近況の話題になった。裕君は高校を卒業して専門学校に行ったとは知っていたが、それが製菓専門学校で、今は実家のケーキ屋さんを手伝っているらしい。
実家がケーキ屋さんだなんて全く知らなかった。この人がケーキ作るとか全く想像できない。
お前は?とバトンを渡され思わず顔が曇ってしまった。私はとりあえずという気持ちで近くの大学に行ったままやりたい事もなく、先を見出せないでいた。それに……。
「色々、考え中……かな」
バイト辞めたばっかり、とは言えず、返事を濁した。裕君は首を傾げ、あろうことか話に突っ込んできた。
「考え中って?大学?まさか辞めるのか?」
「ううん、辞めたのはバイトの方で……」
決して誘導尋問されたわけではないのに、自らペロッと話題に触れてしまった。しまったと裕君を見ると、少し驚いた表情のまま私を見て、何故か固まっていた。
「えっ、何?どうしたの?」
「佐藤、今バイト何にもしてないの?」
「え?……うん、まぁね」
「考え中って事は、次のバイト先をどれにしようか迷ってるって事?」
「あえて言うなら、どれならできるか、だけど……?」
私はバイトの職種を選べるほどのスキルを持ち合わせてはいない。時間と時給がよければいい、という選び方はできないので、できるだけ長続きできそうなものを次は慎重に選ぼうと思っている。
「佐藤!!」
「ひゃあっ!!」
急に両肩を掴まれ、凛々しい顔が近づいてきた。
「頼む!!ウチでバイトしてくれ!!」
「え?……え?えっ!?ええ!!」
ウチって事はケーキ屋さん!?ケーキ屋さんなんてハイレベルなところ絶対無理!!
裕君のあまりの声の大きさに、一瞬周りの人達がこちらに注目した。自分も裕君に負けないくらいの声が出ていたのに気づき、慌てて声のボリュームを下げた。
「むっ、むっ、無理!ホントそれだけは、無理だから!」
「頼む!急に母さんが入院しちまって急遽人手が欲しいんだ。知り合いに頼んでも誰も捕まらなくてさ。できれば明日から!」
「明日は大学があるの!それに私、接客大の苦手なのよ!」
「ああ、そっか佐藤は人見知りだもんな。でも!ここで会ったのも何かの縁だし、少しの時間でもいいから頼む!!」
必死で頼み込んでくる裕君の様子から、本当に困っているんだとわかった。知ってる人が困ってる時はやはり助けてはあげたいし、自分も次のバイトは探していたけど……よりによってケーキ屋だなんて……。
私が渋っていると裕君は必殺技を出してきた。
「賄いでケーキだすから!」
「えっ、本当!?」
「ありがとう!助かるよ!」
了承する言葉は発してないのに、私の喜んだ顔を了承ととったらしく、裕君は破顔で喜び出した。
お互い連絡先を交換すると「また後でメール入れるから」と改札口を出た裕君はどこかへ向かって行った。
部屋までの帰り道。落ち込みの気分ではなく、今度は不安で下を向いて歩く事となった。
「ケーキにつられるってまるで子供じゃん、私……」
そして夜11時を少し過ぎた頃、スマホが鳴った。ベッドでウトウトしていた私は手探りで電話を取った。
「……はい……?」
『寝てたか?こんな遅い時間に悪い!メールより電話の方が早いと思って』
「電気もテレビも付けっ放しでうたた寝してたから逆に助かったよ」
『それならいいが……。で、明日だけど夜でもいいから一度店に来て欲しいんだが、無理か?』
「夕方からなら大丈夫。講義終わったらそのままそちらに向かうよ」
『助かるよ、店の場所はメールで送るから』
「わかった。……裕君」
『何だ?』
「念のため、店の外にバイト募集の張り紙つける事をおすすめします」
『ははっ!佐藤って面白い事言うよな!』
今のどこに笑うポイントがあったのかわからないわ。
***
私は要領が悪いらしく、どのバイトについても仕事とそこで働く人達に慣れず、長続きしなかった。将来の方向性のヒントになればといろんな職種のバイトについたけど結局どれも合わなかった。
そんな私でも地図は読める方だし、方向音痴ではない。なのにスマホの画面に映し出されている地図と、目の前の店を何度も見見比べてしまった。
「……え?本当にここ?嘘でしょ……」
裕君の家のケーキ店さんは、私が想像していた倍の広さはあり、買ったケーキをそのま店内で食べることができる、イートインタイプのお店だった。住宅街の真ん中にあるアンティーク風のその店は、正面はガラス張りになっていて、中の様子が外からでもよく見えた。
5、6個程あるテーブルは女性客で殆ど埋まっていて、カウンター内では白のカッターシャツに黒エプロン姿の裕君が忙しそうに対応していた。私が外でつったっている間も、若い女性が何組か店内に入って行ったのを目で追った。
「うう……帰りたくなって来た……」
店内から帰る客をカウンターから見送った視線で、外にいる私を見つけた裕君は昨日と同じように笑顔で、おいでおいでと手招きした。
まさか、いきなりあそこに私を立たせるつもりじゃないよね?
恐る恐る扉を開けてそっと中を覗くと、途端に焼き菓子の甘い香りがふわっと薫った。キョロキョロしていると忙しい合間を縫って裕君がカウンターから声をかけてきた。
「そこの椅子に座って待ってて!」
申し訳なさそうに指をさした先は、店内で順番待ちのための椅子だった。
順番待ちがある程人気なのね……。
店内入り口すぐに並んでいる椅子の一番隅にちょこんと座って2時間、ずっと店内の様子を眺めていたけど、裕君は常に忙しそうに動き回っていた。お客の数に波はあったものの作業は何かしらある様で、息つく暇もないとはこの事だろうと、目の前で動き続ける裕君を見ながら思った。途中、客席が空くと裕君は私をそこへ座らせた。「食べて待ってて」と持ってきたのはよく冷えたアイスティーと、ショーケースの中に綺麗に並んでいたイチゴのショートケーキだった。そんなに物欲しそうに見てたつもりはなかったけど、せっかくなのでいただいた。
「悪い!!待たせた!」
あんなに動きっぱなしだったのに、裕君は全く疲れた様子も見せずに、手を合わせながら私の向かいの席に座った。時刻は夜7時過ぎ。営業時間が済んだ店内は控えめに流れている心地よい音楽が響いていた。
「ホンット悪い!!こんなつもりじゃなかったんだ、明日が定休日なのもあって思いの外、混んだみたいだ」
「そんなに謝らなくてもいいよ。それより1人で大変そうだったね、お疲れ様。これ、さっき食べた分の代金だから」
「3時間も待たせたんだ。お金なんて取らないよ!お茶、もう一杯飲む?」
「私より裕君の方が水分摂ったほうがいいよ」
「大丈夫、大丈夫。見えない所でちゃんと飲んでたから。それより早速父さんに紹介していい?」
「店長さんって事だよね?私は役に立つかわからないってちゃんと一言つけてね」
「ははっ、佐藤面白い事言うな!じゃあ、こっち来て」
……今のは笑うトコだったっけ?
裕君の笑いのセンスが全くわからない……。
裕君について入ったのは店内の奥にある厨房で、その扉を開けるとさらに焼き菓子のいい香りが強まった。
「お!裕が言ってたバイトの娘か!」
粉の分量を量っていた手を止めた男性は、私の顔を見ると、くしゃっと笑った。笑顔が裕君っくりで、どう見ても親子だ。背も高く細身で、裕君が歳をとったらこうなるんだろうと感じさせるその人は優しそうな人でちょっと安心して挨拶をした。
「初めまして、佐藤です」
「ん?佐藤?」
「はい」
「……同じ佐藤?」
「はい、字も一緒です」
そうなのだ。裕君と私は同じ名字。日本一多い『佐藤』。
「下の名前は?」
「ほのか、です」
「じゃあ、ほのちゃんで!」
「へっ?」
裕先輩のお父さんは「同じ名字だと呼びづらいからね」と笑いながら作業に戻った。
うん。そう、呼びづらい。だから私は仲がいいわけでもないのに『裕君』と呼んでいた。
この強引でフレンドリーな感じも裕君とよく似てる……。
「じゃあ、ほのちゃん。今度はこっち」
なぜか裕君からもそう呼ばれて、言われるがままついて行くと、先程裕君が忙しそうに動いていたカウンター内だった。物がいっぱいあって、覚える事が多そうだ。その光景に一気に緊張が走った。
「因みにこの種のバイト経験は?」
「……な、ない」
「レジとかは?」
「一度だけ……。でも短期間だったし」
「なるほど、じゃあ厨房ん中の作業は?」
「洗い物なら好き!」
さりげなく接客から遠ざけてもらえる様にアピールしたが、バレたようで思いっきり笑われた。
「私、今までのどのバイト先でも『作業が遅い』ってずっと言われてるんだよね。努力はするけど期待はしないでね」
「なるほどね、わかった。じゃあ、厨房内の洗い物しながらカウンターの補助をやってもらおうかな。接客は苦手なんだろ?基本的にしなくていいから注文の飲み物作ったりケーキのセッティングとかだよ。できそう?」
私に合わせて仕事をくれるなんて、なんてありがたいことか!逆にそれくらいしないとバイトの意味ないよね。
私は髪を揺らしながらコクコクと大きく頷いた。
***
『今日時間あったら店に寄って』
そう裕君からメールが入ったのは、店に行った翌日の朝。時間があったらどころか今日は大学での必須科目はなくて一日中予定などない。そういえば昨日はバイトに行ける日時など店側に全く教えることなく帰って来てしまった。作業内容を軽く決めただけで、他のことは何も話し合ってない事に今頃気づきうな垂れた。
やっぱり私はどこか抜けてるんだよね……。
軽く身支度を済ませ「今から行きます」と裕君にメールを入れて部屋を出た。
「呼びつけてごめん!夜寝る前になって色々思い出して」
昨日とは違ってTシャツとデニムに作業用の白のエプロンで出迎えた裕君は厨房で何か作っていたみたいで、近くに寄って来た時にふわりと甘い香りがした。もしかして忙しい時に来てしまったのかと出直そうとしたら裕君は慌てて否定した。
定休日なので店内は白のブラインドが下されていて、昨日流れていた音楽もなく、あの忙しさが嘘のように店内は閑散としていた。裕君と向かい合わせで客席につくと、テーブルの上で一枚の紙を渡された。雇用内容について細かく書かれたものだった。
「裕君、時給だけどこの地域の最低賃金はもっと低いはずよね?あと勤務時間と日数に関しては夏休みに入ったら欲しい分だけ使ってもらって構わないよ。どうせ私も暇だから」
「ほのちゃん意外にしっかりしてんだな。わかった、時給については最低賃金からスタートして、働き具合を見て親父と相談して増やしていくよ。夏休み入って貰えるのは凄く助かるな!」
そう言って笑った頬には白い粉がついていた。よく見たら髪にもついてるし腕にもついたままだ。
裕君、粉まみれじゃん。
思わず笑みがこぼれたが、よく考えたら一生懸命仕事していた証拠なのに笑うなんて、私はなんて酷いやつ。
「裕君顔に粉ついてるよ。そっちじゃなくてこっち」
「えっ、ここ?こっち?」
腕は自分で見えるから直に見えない顔の部分を教えた。わかりやすく誘導しているつもりなのに裕君は一向に粉が払えない。なんとか時間をかけて裕君は自分で払う事ができた。
「うん、落ちたよ」
「……多分またつくけどな」
苦笑いした裕君はまた髪をくしゃっと掻いた。
「昨日見たけどケーキたくさん種類あったよね。店長さんと裕君の2人で作ってるの?」
「母さんも手伝ってたけど入院中だからね」
「そっか、そういえば、お加減どうなの?」
「腕と脚の骨折だけだから病室で暇そうにしてるよ」
「二ヶ所同時とは……不便だね」
自宅の階段から落っこちたらしい。二ヶ所も骨折するなんて、どんな激しい落ち方したんだろう……。駅で裕君と偶然再会したのは、その近くに裕先輩のお母さんが入院している病院があったからだった。
「ほのちゃんはケーキの種類どれが好き?」
「ベイクドチーズケーキかな」
「ベイクドか、俺は苦手だな。スフレチーズケーキの方が食べやすくない?」
「ベイクドは濃厚だもんね。でもそこがいいんだけど」
「ふーん、じゃあさ、プリンは?なめらか派?カスタード派?」
「カスタード」
「ポテトチップスは塩?コンソメ?」
「……塩」
あれ?ケーキから離れたぞ。
「目玉焼きは醤油?ソース?」
「ソースだけど?」
「完全に俺と逆だな……」
「そうなの?やっぱり、というか、何となく裕君とは気が合わないような気がしてたんだよね」
「……食べ物の嗜好が違うからって気が合わないとは、ほのちゃんは考え方が安直だな…」
何だか複雑な表情でこちらを見た裕君は、呆れたように笑った。
それからひと通り店内の説明と、開店前、閉店後の仕事など裕君から細かく教えてもらった。ひとつ驚いたのは店内には従業員用の休憩室と更衣室が無い事だった。家族で営業するので店を建てる段階でそれを省いたらしい。更衣室などが無い代わりにバックヤードは倉庫が広く中はとても整理整頓されていた。
店の表からはわからないが、裕君の家は店の裏側にあって扉一枚で建物は繋がっていた。なので私がバイトの服に着替える時と休憩する場合は、裕君の自宅の空き部屋を使う事になった。
早速翌日の夕方からここの店に通うことになった。私の大学はあと1週間で夏休みだ。それまでには少しでも仕事が身につけるぞ、と気合を入れた。
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