私とあなたの相乗効果

るー

文字の大きさ
12 / 14

*12

しおりを挟む


『いらっしゃいませ』

その一言をお客様が扉から入って来た時に、裕君みたいに言えなくてカウンター内で顔を曇らせていたら、それを見ていた裕君に声をかけられた。

「ウチの店は居酒屋じゃないから別に元気よく言わなくても、お客様が近くにいる時とかにいつものように笑ってくれれば十分だよ」
「ありがと、でもいつかはちゃんとできるようにしたいから頑張る」

裕君と付き合いだしてもうすぐ1週間。環境に甘えてばかりではいけない。少しづつでも成長していきたい、と私は妙に気合いが入っていた。好きな人の隣にはやはり自信を持って立ちたい。そんな思いからグッと握り拳を作って顔の前に掲げると「逞しいね」と裕君が眉を上げた。

「じゃあ、アドバイスになるかわからないけどひとつ。ほのかは多分タイミングが悪いだけだよ。一瞬躊躇うから声をかけるタイミングを逃すんだ」

「……裕君……凄い!学校の先生みたい!」

私が目を輝かせて裕君に詰め寄ると、彼は、はあ?と目を見開いた。

「前から思ってたんだよね。裕君って人のこと良く見てるし、色々教えてくれてそれが凄く助けになるんだよ。教師も向いてるよね!」
「えっと、褒めてくれたとこで悪いけど多分勘違いしてるぞ。よく見てたのは相手がほのかだからだよ」
「…………」

一瞬キョトンとした私と真顔の裕君とで見つめ合った。だけどすぐにその意味を理解した私は、はしゃいでしまった恥ずかしさで耳まで赤くなり何も言えなくなってしまった。急に無言になった私を裕君は優しい声で「ありがと」と言いながら頭をポンポンした。


***


深夜、ノックと共に裕君の声が訪問を告げた。スッピンを見られてももうすっかり平気になってしまった私は躊躇いもせず扉を開ける。
付き合うようになってから裕君は毎晩寝る前に私の部屋へ顔を見せるようになった。部屋の入り口で軽いキスだけしてすぐ帰る時もあるし、中に入って話をしてちょっとイチャイチャしていく時もある。
どっちにしても私にとっては幸せな時間だった。
その夜、裕君はアイスティーが2つ乗ったトレーを持っていた。

「お疲れ様…って、わざわざ淹れてくれたの?」
「ついでだよ、ついで。俺が飲みたかっただけだから」

そう言って笑ったけど本当は私のために淹れてくれたってわかってる。二人で並んで壁にもたれながらアイスティーに口をつけた。

「そういえば和恵さんから聞いた?私の住み込みバイトはあと1週間だよ」
「えっ、マジ?」
「うん、マジ。最初から和恵さんの腕のギプスが取れるまでって決まってたから。今日病院行ったら1週間後に外すって言われたんだって。家事のバイトは終わるけどお店の方は引き続きお世話になるのでよろしくね」
「そっか……。家ん中寂しくなるな」

和恵さんにも同じ事を言われた。和恵さんとは一緒にお茶するのが習慣になってたから私も寂しく感じちゃう。もちろんこの時間も。

「今のうちに充電しとこっと。おいで」
「ひえっ!」

突然隣から横抱っこされて裕君の上に跨がされた。その拍子にアイスティーのコップが揺れて残りは少ないが危うく中身が溢れそうになった。裕君は私の手からそのコップをするりと取ると少し離れた床に置いた。

「裕君ってこの体勢好きだよね」
「密着してればどれも好き」

気づくと裕君の腿の上に跨いで座らされてる事が多い。

やがて甘い雰囲気を匂わせた裕君の顔が近づいてきた。目を閉じて彼の唇の感触を味わう。最初は軽く合わせていた唇はお互いに隙間を作りどちらからともなく舌を絡める。そして舌をすり合わせるようにしながら裕君の舌は私の口内へ進入してきた。そして時々角度を変えながらそれを繰り返す。

私はこのキスがとても好きで、それだけでも気持ちが満たされる。

裕君はキスをしながら私の身体を撫で回す。そこまではイチャイチャする時のセット。
キスを受けながらその手の軌道を気にしているとスウェットのフロントファスナーが下される音が聞こえた。
そして開いた隙間からさっきまで脚を撫でていた手が入ってきて、素肌にTシャツ一枚だけの私の胸に辿り着いた。

「……んっ」

すぐに反応して声が漏れてしまった。まだ唇が重なっているため私の声は僅かなものだったが裕君はそれを聞いて加速した。

服の上からそっと撫でられた胸は彼にもっと触って欲しいと主張して先っぽが硬くなった。それに応えるように裕君は布越しで先っぽを摘むと指先をスライドするように擦った。

「ンンッ!!」

胸先から電流が流れるように痺れが走り身体がビクッと揺れた。もう片方の胸も続けざまに刺激しながら舌を絡めてくる裕君に、このまま先に進んでいきそうな気配を感じて躊躇った。

「ゆ、裕君……2階にご両親いるし……」
「二人共もう寝てるよ。それにここから一番離れてる部屋だから聞こえないよ」
「……でも」
「気になる?じゃあ声は控えめにしよっか」
「そんな……!」

私を探る手が再開されくすぶりかけてた私の身体に本格的に火がついてしまった。
上半身の衣類を脱がされ今度は直に胸を揉まれ、弄られながら耳を舐められている。

「……っ、んっ!……っ」
「そんなに声を殺さなくても大丈夫だけど……。でも必死に耐えてるほのかの顔も可愛いよ」
「い…いじわる……」

囁くように低い声で耳に話され腰が砕けそうになる。恐らく湿っているだろう私の秘部に、裕君は時々熱く膨らんだ自分のモノをわざとらしく当ててくる。服越しとはいえその存在は十分に私を煽って、前回挿れられた時の感覚を呼び起こした。

「ほのか、ちょっと膝で立って」
「え、……こ、こう?」

「……んー、脱がし難いな。やっぱり立ち上がって」

どうやら私の下のスエットを脱がせようと膝立ちさせたが腿から下にさげることがができず、結局ズボンのウエスト部分を腿の辺りまで下げたままその場で起立させられた。

な、なんか私間抜けな格好してない?
と急に現実に戻されと思ったら裕君がそのスエットズボンと下着を一気にさげた。立っている位置から当然裕君の目の高さに私の恥ずかしい部分がくるわけで、そんなとこ見られる習慣ないから無意識で手で覆った。

「じゃあまた膝立ちして」
「ええ…?なんで私だけこんな格好?」

恥ずかしさからくる不満を少し表し、言われるがままに膝立ちすると「それなら俺の服はほのかが脱がせて」と私の両手を引っ張って自分の広い胸板にあてた。

私は裕君のTシャツの裾を持ち捲り上げて脱がせるとその露わになった裸を改めて眺めた。

裕君は細身だけどただのガリガリじゃなくて胸板は思ったより厚いし、仕事で使うせいか腕は筋肉質だ。

そりゃ私を軽々ひょいと持ち上げるわけだよ。それより、デニムも私が脱がせるのかな……?

胸板から下がっていった私の目線で、私の思考に感づいた裕君は「ボタンとチャックだけやって」とちょっと色っぽくおねだりしてきた。

裕君に跨いだままの状態で彼のデニムに手をかけると、何だか私が彼を襲っているみたいな錯覚を起こして指先がぎこちなくなる。
リクエスト通りボタンとチャックを解放すると裕君は後ろの壁にもたれながら座ったまま器用にデニムと下着を脱いだ。

裕君は私をまた膝立ちにさせると欲情した瞳で私の顔をじっと見つめたまま股に手を伸ばしてきた。下からそっと触れて密口と割れ目を撫でるように指を前後させる。何度か行き来しながら溢れてきた密を指に絡めて割れ目の中を指の腹でねた。

「……っ!…ン、」

長い指も中に入ってきて膣壁を引っ掻くように抽送された。
私はそこが弱いみたいでビクビクと身体が揺れて、堪らず裕君の肩に掴まった。

「……あっっ!、んんッ」
「ほのか、いっぱい濡れてきたよ」
「だ……だってッ…」

触られている所はもちろん気持ちいいけどそれ以上に裕君の纏わりつく目線が私の感情を昂ぶらせていく。

「そんな、見ないで。……恥ずかしいよ」
「俺はほのかの全てが知りたいって言っただろ?どこを触るとどんな顔するかちゃんと見たい」

もしかして裕君は独占欲が強い、のかな……?

「おいで」

言葉と同時に腰を掴まれ誘導された。彼がデニムを脱いだ時にちらっと見えたが、その時からしっかりと反り返っていた彼自身の上に、私の濡れている密口がぴちゃっとくっついた。腰を掴んでいる手がそのまま前後に私を揺らすと密着した部分が擦れ合ってまだ挿れられていないのにまるで挿れられているような気持ち良さが生まれる。

「……う、……んっ…」
「ああ、ほのか…気持ちいい…」

呟くように声を漏らして眉根を寄せる裕君は明らかに私より色気を漂わせている。高校の時に比べて大人っぽくなって更に色気も持ってるなんて、あんまり変化のない私からしたら羨ましい限りだ。

暫くして裕君は手際よく避妊具をつけると私の蜜口にそれをあてた。

「ほのか、ゆっくり腰を下ろして」
「……ん」

しっかり濡れていたせいもあり彼のモノは簡単に私の中に埋まっていく。そして自分の重さも手伝っていきなり奥まで貫かれた。

「は、うっ……!」
「痛い?」
「っ……ううん、へいき」
「動くよ、つかまってて」

私を軽く引き寄せると下から突き上げるように動き始めた。
最初の一撃に苦しさを覚えたがすぐにそれも疼きに変わった。

あれ?男の人のモノってこんな硬かったっけ?

上下に動く度にゴリゴリと擦るように入り口にあたり、自分でびっくりするぐらいそこが感じ始めてしまった。

「……ああっ!……はあっ…、ンンッ……」
「あ、ここ気持ちいい?あー、ほのかめっちゃエロい顔してる……」
「やあっ……んっ……あああっ!」
「ほのか、好きだよ……」

速さを増した裕君の腰の動きについていけない上に溜まってきた快感で内股がピクピクし始めた。

「ゆ、ゆう……もう…だめっ……っ」
「いいよ、…っ実は俺も限界。んッ……」

激しい突き上げをした後、彼は自分の雄を私の奥へねじ込むように私のお尻をグッと引き寄せた。
最奥にきたそれが熱く脈打ったような気がした瞬間裕君の身体に力が入った。

「……っく!!」
「!!、あっ、あっ、……ふあああつっっ!!」

裕君が私の奥で達した直後、私も後を追うように絶頂を迎えた。

「うわ……ほのか入り口んとこすっごいヒクヒクしてる……。すっげ気持ちいい」
「……ん」

脱力してしだれかかる私を裕君はぎゅっと抱き締めて上がった息を整えると耳元でまた予告した。

「そこの布団使っていい?もう一回するから」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...