21 / 39
成長編 始まり
生誕
しおりを挟む
広大な大陸、その中央付近にある樹海
半径500kmはあるかと思われる広大な密林
その中心部に直径200m程の空間があり
そのまた中心に清浄な聖気を纏う一本の天を突くかの様な大樹があった
その影の先端は樹海の端から、さらに10kmも先に届く程の
その大樹がある広場から一歩でも森に踏み入ると雰囲気が一変
10m程度しか視界の効かない濃密な魔素漂う密林
様々な生物の気配がし、弱肉強食な食物連鎖が行なわれているようだ
ある時、中心部の大樹の根元付近で
紅紫色をした彩雲のような靄が発生し集まり渦を巻きだす
その渦は、何処からともなく小さな木の葉の上に出現した薄紫色したクリスタルを中心に集まり凝縮し形をとり始める
虹色に瞬きつつ人型に形創られるクリスタル
最後に、あまりにも眩ゆい光に包まれ
光が収束した頃には1人の赤ん坊が顕現していた
魔素漂う森の中、様々な生物が森の中心で起こる異変に気付き無数の目が様子を伺っている
東西南北から、それぞれ一頭づつ強大な気配を漂わせた
闇の様な黒い獣
限りなく蒼い緑の獣
燃える様な赤い獣
輝く様な白い獣
それぞれを警戒しつつ広場へ一歩 また一歩と踏み入ってくる
その足は微かに震えている様にも見える
進みたくはないのに、引き寄せられるかのように
赤ん坊から10mほどまで近づくと大樹から一条の光が射し、赤ん坊を包み込む
神々しい雰囲気、気配の中、獣達の頭の中に声?音?とでも形容しがたいものが響く
《其方等、それぞれに森を等分し治める四獣に問う。その赤子を世話出来ようか?》
獣達は頭を下げつつ
黒『我等を悠久に視し存在よ、如何様に世話をし、如何様に育てれば宜しかろうか?』
《如何様とも其方らの好きな様に望むままにすれば良い、ただし10年を過ごし後は森から出し世界を見て回らせる様に。そして其方らの種族で一定以上の力を持つ者共に人型をとれる様にしておこう。でなければ世話もし難かろうし、この広場へも入ってこれぬしな》
黒青赤白『『『『承知致しました、』』』』
赤『して、赤子の名はなんと呼ばわれますか?そして食す物は如何にすれば宜しかろうか』
《食す物は、先の半年程は我の朝露の雫を求める度に与えよう。その後は各々の種族で考え与えると良い。先に我の雫を与える故に腹を壊すこともなかろう》
少し愉しげな声音が響く
《それに、我の雫ばかり与えていると10歳になる前に世を滅ぼしかねん力を持つであろうからな。半年以上は危うい。》
『人種の乳などは要らぬのですか?』
《人種か…人には力が無いでの、必要なかろう。それに、その子は人とは違うし人の様になられてものぉ》
大樹が震えザワザワと葉擦れする、笑っているのだろう
《そして、名か。むぅ、我にも名が無いので浮かばぬな。しかし、名が無いというのも これから先を思案するに困るのぉ》
青『では、この御子に性別はありましょうや?』
《性別?その様なものは無かろう、その子は無より顕現せし者、生物より産まれし者ではない故な。しかし、見る者によって如何様にも見えるのではないか?』
青『左様でございますか。では、どちらともとれる名が宜しいですね。しかし、我々には人種の言葉は話せても文字がありません。後に人の世に出た時困る事になるでしょう。』
《それは心配要るまいよ、その子の力の高まりと共に文字という物も一目見るだけで吸収するであろう》
白『では、名を考えましょう。人種でも我々でも男女どちらともとれる名…』
黒青赤白『『『『むぅ…』』』』
黒『霊験あり、かつ幽玄な名が良いのではないか?うむ、それが良い!』
青『いや、神々しい気を纏っておるから雅な名が良かろう?』
赤『いやいや、雄々しく天を羽ばたくかの様に勇翔なのは如何かえ?』
白『何言ってやがる!重っ苦しく考え過ぎだ!ノリでいーんだよ、ノリで!』
《纏まらぬのぉ、と、泣きだしたな雫を与えるかの》
梢からスルスルと蔦が下がってくると蔦先が赤ん坊の口へ含まれると、凄い勢いで蔦先に吸いつくと
【ンクッンクッンクッ】
満足したのか
【ケプッ】
キョロキョロしだした
【アー、アー?、アー!】
まだ顕現して1時間も経っていないが目は見えているようだ
金色の瞳がキラキラと獣達を見ている
赤い獣がプルプル震えだした
『キャー!なにこれナニコレ!?可愛いぃぃぃぃー♪』
と、飛びつこうとすると青い獣が慌てて止めに入る
『まてまてまて!あまりお主が近づくと火傷してしまうであろうが!それに、その嘴!』
白い獣が鼻息荒く割り込む
『ムフー!じゃあ俺がフサフサの毛で包み込んで微風纏わせてやるよ!』
黒い獣がユックリ近づきながら
『いやいや、儂が土で寝心地いい揺り籠を作るからお主等は無用じゃ』
青い獣は
『いいや、それこそ我が暖かな水と植物を使って寝床を作ろう!もう、お主等は自分達の巣に戻って良いぞ!と言うか戻れ!いや、帰れ!』
『『『ふざけんな!!!!』』』
《ふむ、なるほど、いやはや、普段は境界が無ければ戦争してもおかしくない者共がのぅ。ふふふ、これならば大丈夫そうだの。では、世話を任すぞ。やり方は其方等で決めるが良い》
『『『『は!承知仕りました!』』』』
半径500kmはあるかと思われる広大な密林
その中心部に直径200m程の空間があり
そのまた中心に清浄な聖気を纏う一本の天を突くかの様な大樹があった
その影の先端は樹海の端から、さらに10kmも先に届く程の
その大樹がある広場から一歩でも森に踏み入ると雰囲気が一変
10m程度しか視界の効かない濃密な魔素漂う密林
様々な生物の気配がし、弱肉強食な食物連鎖が行なわれているようだ
ある時、中心部の大樹の根元付近で
紅紫色をした彩雲のような靄が発生し集まり渦を巻きだす
その渦は、何処からともなく小さな木の葉の上に出現した薄紫色したクリスタルを中心に集まり凝縮し形をとり始める
虹色に瞬きつつ人型に形創られるクリスタル
最後に、あまりにも眩ゆい光に包まれ
光が収束した頃には1人の赤ん坊が顕現していた
魔素漂う森の中、様々な生物が森の中心で起こる異変に気付き無数の目が様子を伺っている
東西南北から、それぞれ一頭づつ強大な気配を漂わせた
闇の様な黒い獣
限りなく蒼い緑の獣
燃える様な赤い獣
輝く様な白い獣
それぞれを警戒しつつ広場へ一歩 また一歩と踏み入ってくる
その足は微かに震えている様にも見える
進みたくはないのに、引き寄せられるかのように
赤ん坊から10mほどまで近づくと大樹から一条の光が射し、赤ん坊を包み込む
神々しい雰囲気、気配の中、獣達の頭の中に声?音?とでも形容しがたいものが響く
《其方等、それぞれに森を等分し治める四獣に問う。その赤子を世話出来ようか?》
獣達は頭を下げつつ
黒『我等を悠久に視し存在よ、如何様に世話をし、如何様に育てれば宜しかろうか?』
《如何様とも其方らの好きな様に望むままにすれば良い、ただし10年を過ごし後は森から出し世界を見て回らせる様に。そして其方らの種族で一定以上の力を持つ者共に人型をとれる様にしておこう。でなければ世話もし難かろうし、この広場へも入ってこれぬしな》
黒青赤白『『『『承知致しました、』』』』
赤『して、赤子の名はなんと呼ばわれますか?そして食す物は如何にすれば宜しかろうか』
《食す物は、先の半年程は我の朝露の雫を求める度に与えよう。その後は各々の種族で考え与えると良い。先に我の雫を与える故に腹を壊すこともなかろう》
少し愉しげな声音が響く
《それに、我の雫ばかり与えていると10歳になる前に世を滅ぼしかねん力を持つであろうからな。半年以上は危うい。》
『人種の乳などは要らぬのですか?』
《人種か…人には力が無いでの、必要なかろう。それに、その子は人とは違うし人の様になられてものぉ》
大樹が震えザワザワと葉擦れする、笑っているのだろう
《そして、名か。むぅ、我にも名が無いので浮かばぬな。しかし、名が無いというのも これから先を思案するに困るのぉ》
青『では、この御子に性別はありましょうや?』
《性別?その様なものは無かろう、その子は無より顕現せし者、生物より産まれし者ではない故な。しかし、見る者によって如何様にも見えるのではないか?』
青『左様でございますか。では、どちらともとれる名が宜しいですね。しかし、我々には人種の言葉は話せても文字がありません。後に人の世に出た時困る事になるでしょう。』
《それは心配要るまいよ、その子の力の高まりと共に文字という物も一目見るだけで吸収するであろう》
白『では、名を考えましょう。人種でも我々でも男女どちらともとれる名…』
黒青赤白『『『『むぅ…』』』』
黒『霊験あり、かつ幽玄な名が良いのではないか?うむ、それが良い!』
青『いや、神々しい気を纏っておるから雅な名が良かろう?』
赤『いやいや、雄々しく天を羽ばたくかの様に勇翔なのは如何かえ?』
白『何言ってやがる!重っ苦しく考え過ぎだ!ノリでいーんだよ、ノリで!』
《纏まらぬのぉ、と、泣きだしたな雫を与えるかの》
梢からスルスルと蔦が下がってくると蔦先が赤ん坊の口へ含まれると、凄い勢いで蔦先に吸いつくと
【ンクッンクッンクッ】
満足したのか
【ケプッ】
キョロキョロしだした
【アー、アー?、アー!】
まだ顕現して1時間も経っていないが目は見えているようだ
金色の瞳がキラキラと獣達を見ている
赤い獣がプルプル震えだした
『キャー!なにこれナニコレ!?可愛いぃぃぃぃー♪』
と、飛びつこうとすると青い獣が慌てて止めに入る
『まてまてまて!あまりお主が近づくと火傷してしまうであろうが!それに、その嘴!』
白い獣が鼻息荒く割り込む
『ムフー!じゃあ俺がフサフサの毛で包み込んで微風纏わせてやるよ!』
黒い獣がユックリ近づきながら
『いやいや、儂が土で寝心地いい揺り籠を作るからお主等は無用じゃ』
青い獣は
『いいや、それこそ我が暖かな水と植物を使って寝床を作ろう!もう、お主等は自分達の巣に戻って良いぞ!と言うか戻れ!いや、帰れ!』
『『『ふざけんな!!!!』』』
《ふむ、なるほど、いやはや、普段は境界が無ければ戦争してもおかしくない者共がのぅ。ふふふ、これならば大丈夫そうだの。では、世話を任すぞ。やり方は其方等で決めるが良い》
『『『『は!承知仕りました!』』』』
1
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる