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成長編 幕間 其ノ二
聖獣の成長とは
しおりを挟む《愉しそうで結構な事だな、我も見ていて愉快だ》
頭上から声音が響く
『『『『は!』』』』
『てんじゅ?』
《そうだよルーン。いつも元気だな?》
『あい!』
《さて、四獣達、先程話していたな?》
《ルーンの成長の話しを》
『はい、普通に食べ物を食せば良いのか判りかねておりました』
《ふむ、先ず答えを与えよう》
《ルーンは其の方等と同じで食物での成長は無い》
『やはり左様でしたか』
《うむ、ルーンは知らずに其の方等が喜ぶ様にしているにすぎぬ》
『では、ルーンの身体の成長は如何にして成りましょうや』
《それは、ルーンの力が高まり今の身体に収まらなくなると外に漏れださない様に成長する》
『では、これからのルーンは際限無く大きく成るのですか?』
《簡単に言えば、その通りだな》
《しかし、ある程度まで大きく成れば麒麟に成り、次は黄龍と成るであろう》
『『『『成る程!』』』』
『力を貯め込む器も大きく成っていくと』
《そういう事だ、いずれ森を出て旅をしようと人に変わった風に見られる事も無いであろう》
《であるから、ルーンの好きな様、趣く侭に生きさせれば良い》
『『『『ははっ!』』』』
《遥か将来、ルーンが昇天した暁には我もルーンに従う存在》
《その時を夢見ると愉しみで仕方がない》
『天樹も御心持ちは我等と同じでございましたか』
《我はたまたま此の世に始原の存在として生まれたにすぎぬ》
《そして、たまたま神獣の其の方等が生まれ》
《また再び、黄龍と成る者がたまたま生まれた》
《何らかの意思が有るのか無いのかも解らぬ…》
《しかし、其の方等と同じく、いつの刻か中天に座す存在が現れると知っておった》
《玄亀よ永かったのぅ、其方が現れし刻は我も若木であったの》
『ふぉっほっほっほ、左様でございました。あれから幾万の年を越えましたなぁ』
ツァブが遠い目をし吐息を漏らす
《ふふふ、正に幾星霜の如しか》
《それでも其の方には青龍、朱雀、白虎が直ぐに現れたから退屈はしなかったであろう?》
『ヤンチャな三獣が喧嘩三昧でしたからな』
『ツァブ翁よ、それは無かった事にしてくれぬか…』
『あぁ…ルーンの前で言われると穴があったら入りたいわぇ…』
『はっはっは、俺は先代の事だから関係無いな!ルーン、しっかり聞いておけよ♪』
『あい』
『でも ふーにーにかみなりおとしたよ?』
『ぐぬぬ…』
『おっほっほっほっほ、白虎は今や1番のヤンチャ者であるからの』
『ぐっ…若いんだよ俺は、わ・か・い・ん・だ・よ♪誰かさんと違ってな』
『ほほぅ、誰かさんとは誰の事かえ?』
ポェニクスの目にメラッと炎が灯る
『ハッキリ言わなきゃ分かんねーのかな?』
フーが身構える
それを見ていたルーンが、人差し指を立ててスッと右手を挙げる
『おおっとー!チョイ待ちルーン!』
『そうえ!別に何も無いわよルーン!』
『……ほんと?』
ルーンの目が疑わしげに光る
指先からパリパリッと軽く放電する
『『ほんとほんと!』』
焦りでルーン口調が移っている
『なぁ?ロン、ツァブ翁?』
『って、あれ?』
『いつの間に そんな離れて…』
ロンとツァブは目に見えぬ速さで50m程離れている
『『巻き込まれては堪らぬ』』
『いやいや、逃げ足速すぎだから!』
『ほんに、年甲斐もなくのう』
《いやいや、誠に愉快だ》
《我も其方等の如く動けたらと思う程に愉快だ》
『『『『ははっ!愉しんで戴き甲斐も御座います』』』』
《ふむ、そこまで畏れたら嫌味に聞こえるぞ?》
《当代白虎は数百年だが他は万年の付き合い、もう少し砕けても良いのではないか?》
『いやいや、万年であるからこそ中々に難しゅうございます』
と、それでもロンが朗らかに言う
《そうか、早急に変えようとしても中々に難しいか》
《では、仕様もなしだのぅ》
『てんじゅー たのしかった?』
《おお、愉しかったぞ?》
《いや違うな、いつも小さきルーンと四神獣の遣り取りは見ていて愉快だよ》
『そっかー よかったー♪』
《ふふふ、相変わらずルーンは優しい》
『うん みんな るーんといっしょだから!』
《ほう!?もうそんな事が判る様になったのかな?》
『うーん なんかわかった!』
《そうかそうか、ルーンは賢いな》
『えへへ~ るーんかしこい?』
《うむ、そうやって天帝になる為の知識を蓄えていきなさい》
《刻は気が遠くなる程に有る故な》
《天と地、全ての理を知りなさい》
《此の世で最初で最後の黄龍よ》
『あい がんばりましゅ…』
噛んだ様だ
《ふふふ、では年寄りはまた暫く見守るとしよう》
《のう、白虎よ》
『ファッ!?い、いや、いやいや、そんな意味では!?』
ポェニクスがスッと消え、ロンの隣りに立った
『ふーーーにーーー!』
『ちょーー待っ………』
ルーンの指先から雷光が迸る
チュドーーーン!!
黒コゲの白虎が転がっていた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
天樹さん、よ~け喋ったな
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