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第三章 女神と親友
第104話 ノゾム vs ミサオ
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ノゾムの呼び方を、不快に思ったミサオが、突然の大嫌い宣言。俺とミコト、アルもミサオの不機嫌さに困っていたが、大嫌い宣言をされたノゾム、当の本人は全く気にしていなかった。
「あちゃー。嫌われちまったか。失敗、失敗」
誰にも聞こえないような小声でノゾムは呟いていた。
「ミサオ、こいつ、女の子と見たら直ぐに声を掛けるような奴だけど、根は良いやつなんだ。勘弁出来ないか?」
「無理」
「そう言わずにさ」
「ノゾムさんももう少しデリカシー持った方が良いと思いますよ」
俺とミコトが二人にいがみ合わないで良いように出来ないか話をしてみるが、ノゾムはともかく、ミサオの機嫌が一向に良くならない。
「ねぇねぇ、ミサオはノゾムの何が嫌なのぉ?」
アルの質問にミサオは答える。
「何がって、次から次に女に手を出して、体を求めるなんて最低じゃん。一夜限りなんて、ザラなんでしょうが。顔がいくら良くったってあたしはそんなの絶対に嫌」
「一夜限りで終わるって、お前今まであったっけ?」
こいつ確かに女の子に直ぐ手を出してはいたけど、その日ではい、さようならっていうのは無かったような気がする。
「一夜限りっていうのは無いかな。最低でも三日くらいは付き合っているよ」
「それじゃあ、寧ろ何又もしてるってことじゃ無いのっ!」
「俺、誰かと付き合っている時は、他の子には手を出さないよ」
おや、ミコトの雰囲気が少し和らいだ?
「でも、ミサオちゃ……、ミサオさんの言っているのは確かかな。これまでに付き合った人数は、百人以上だし……」
ノゾムは、少し俯いた後、話を続ける。
「まぁ、いつも振られるのは俺なんだけどね」
そう言えばいつもまた振られたと言っていたな。何でも直ぐに飽きられたり、周りの女からの冷たい目に耐えられず、別れを切り出されるとか。
そう、モテるが故に、ノゾムの彼女は他の女に敵視されるらしい。まあ、こいつが女好きでフリーの時に声を掛けるのは変わらないんだけど。
だけど、ミサオが思っていたのと少し事情が違ったのか、さっきまで険悪だった空気が、少し。少しだけ和らいだ。
「くっ。こいつ、思ったのと違う。でも、一緒に旅をしたら……」
「じゃあ、一緒に旅をする間は他の女性に声掛けは止めるよ。それなら、一緒に行っても良いかい?」
ミサオがノゾムの提案に考え始めた。
「じゃあ、あたしと勝負して。勝ったら付いてきていいわよ。その代わり、ナンパは禁止。あたしが勝ったら、フォレストパレスであなたとは解散って事で」
「Ok」
二人のバトルがなんか決まった。
「よし、じゃあちょっと待ってくれよ」
ノゾムは大鎌を背中から外すと、
「<ソニックエッジ>、追加効果<サークルエッジ>」
大鎌を一振りし、二十メートル位離れた木に向けて斬撃を飛ばした。
斬撃は木に当たるとそこを中心に半径二十メートル程の円状に木を切り倒す。
「えっ! お前、そんな木を切り倒したら」
「うん? 何か問題あったか? 木がない方が試合し易いだろ?」
「えっ、だって、女神デイジーが、大切にしているんじゃ?」
ミサオから聞いていた話じゃ木を切り倒したり、燃やしたらデイジーが許してくれず、話どころじゃないって言っていたぞ。
「そりゃ、大事にしているのは間違いないけど、これ位どうって事ないぞ?」
話に聞いていたのとは違うが、まぁいい。二人はヒデオの作った空間へと行くと、ミサオはPDを召喚した。
「ミサオの奴、本気だな」
対して、ヒデオは大鎌は背中に収め、素手で戦うつもりのようだ。
「あたしを舐めているの?」
「別に舐めてなんかないよ。これを使ったら、殺してしまうかもしれないからね」
「それを舐めているって言うのよ!」
ミサオの叫びと共にPDがノゾムに向かって走り出す。
「中々速いな。でも、俺の方が速い」
PDの拳擊を余裕で躱し、背後に回り込んだノゾムがPDの後頭部を殴る。
「お、意外と固い。でも、ダメージは入っているぜ」
後頭部を殴られ、前のめりになったPDに追い打ちを掛けるように、蹴りを入れる。PDは前に蹴り飛ばされながら、ノゾムに向けて<ダークアロー>を放つ。
PDの放った闇の矢は、真っ直ぐにノゾムの方へと飛んでいくと、ノゾムはそれを左手で弾いた。
「はぁ!? 素手で魔術を弾いた!?」
凄い。俺でもあんなの出来ないぞ。
「いや、魔術を素手で弾ける訳無いじゃん。<ソニックエッジ>を使って、方向を逸しただけだよっと……」
ノゾムが今やった事を説明している間に再びPDが<ダークアロー>を放つと、背後からミサオも<ダークアロー>を放った。
「挟撃!」
「へぇ、ミサオあんな攻撃も出来たんだな」
何でも、奏魂の指輪の効果らしく、人形のアーツや魔術を使えるらしい。威力はミサオのステータス依存のため、大した威力は無いので牽制程度にしか使えないらしいが。ノゾムは前後から飛んでくる闇の矢を両手を前後に振るい、先程と同様に弾く。
「もうっ!」
「危ない、危ない。思っていたよりやるね。でも、この位置なら」
ノゾムは、PDに背を向けると、一気にミサオの方へと駆け出す。
「しまった!」
ミサオとの距離が一気に詰まり、ノゾムがミサオの鳩尾目掛けて拳を突きだす。
「なんてね。GD!」
ミサオとノゾムの間にGDが現れ、拳を受け止めた。
「へぇ、二体召喚か。でも、甘いよ。はぁっ!」
ノゾムが受け止められた拳に更に力を乗せると、ミサオと共にGDを後ろに吹き飛ばした。そして、そのままミサオの前へと立ち、拳を顔面の前で止める。
「これで、俺の勝ちかな?」
「あぁ、もうっ!分かったよ。あたしの負け!付いてきていいよ!」
「へへ。ありがとう」
ノゾムは拳を開き、ミサオに差し出す。ミサオがその手を取って起き上がる。
「ミサオさんも強いね」
「ミサオで良いよ。ちゃん呼ばわりしなけりゃ。さんもなんか、気持ち悪い」
「分かった」
取り敢えず、これで落ち着いたか。PDとGDが姿を消して、二人共こっちへと戻ってきた。
「なぁ、アスカ」
戻ってきたノゾムが俺に声を掛ける。
「どうした?」
「お前も俺と一勝負しないか?」
どういうつもりか知らないけど、ノゾムに勝負を挑まれた。
「あちゃー。嫌われちまったか。失敗、失敗」
誰にも聞こえないような小声でノゾムは呟いていた。
「ミサオ、こいつ、女の子と見たら直ぐに声を掛けるような奴だけど、根は良いやつなんだ。勘弁出来ないか?」
「無理」
「そう言わずにさ」
「ノゾムさんももう少しデリカシー持った方が良いと思いますよ」
俺とミコトが二人にいがみ合わないで良いように出来ないか話をしてみるが、ノゾムはともかく、ミサオの機嫌が一向に良くならない。
「ねぇねぇ、ミサオはノゾムの何が嫌なのぉ?」
アルの質問にミサオは答える。
「何がって、次から次に女に手を出して、体を求めるなんて最低じゃん。一夜限りなんて、ザラなんでしょうが。顔がいくら良くったってあたしはそんなの絶対に嫌」
「一夜限りで終わるって、お前今まであったっけ?」
こいつ確かに女の子に直ぐ手を出してはいたけど、その日ではい、さようならっていうのは無かったような気がする。
「一夜限りっていうのは無いかな。最低でも三日くらいは付き合っているよ」
「それじゃあ、寧ろ何又もしてるってことじゃ無いのっ!」
「俺、誰かと付き合っている時は、他の子には手を出さないよ」
おや、ミコトの雰囲気が少し和らいだ?
「でも、ミサオちゃ……、ミサオさんの言っているのは確かかな。これまでに付き合った人数は、百人以上だし……」
ノゾムは、少し俯いた後、話を続ける。
「まぁ、いつも振られるのは俺なんだけどね」
そう言えばいつもまた振られたと言っていたな。何でも直ぐに飽きられたり、周りの女からの冷たい目に耐えられず、別れを切り出されるとか。
そう、モテるが故に、ノゾムの彼女は他の女に敵視されるらしい。まあ、こいつが女好きでフリーの時に声を掛けるのは変わらないんだけど。
だけど、ミサオが思っていたのと少し事情が違ったのか、さっきまで険悪だった空気が、少し。少しだけ和らいだ。
「くっ。こいつ、思ったのと違う。でも、一緒に旅をしたら……」
「じゃあ、一緒に旅をする間は他の女性に声掛けは止めるよ。それなら、一緒に行っても良いかい?」
ミサオがノゾムの提案に考え始めた。
「じゃあ、あたしと勝負して。勝ったら付いてきていいわよ。その代わり、ナンパは禁止。あたしが勝ったら、フォレストパレスであなたとは解散って事で」
「Ok」
二人のバトルがなんか決まった。
「よし、じゃあちょっと待ってくれよ」
ノゾムは大鎌を背中から外すと、
「<ソニックエッジ>、追加効果<サークルエッジ>」
大鎌を一振りし、二十メートル位離れた木に向けて斬撃を飛ばした。
斬撃は木に当たるとそこを中心に半径二十メートル程の円状に木を切り倒す。
「えっ! お前、そんな木を切り倒したら」
「うん? 何か問題あったか? 木がない方が試合し易いだろ?」
「えっ、だって、女神デイジーが、大切にしているんじゃ?」
ミサオから聞いていた話じゃ木を切り倒したり、燃やしたらデイジーが許してくれず、話どころじゃないって言っていたぞ。
「そりゃ、大事にしているのは間違いないけど、これ位どうって事ないぞ?」
話に聞いていたのとは違うが、まぁいい。二人はヒデオの作った空間へと行くと、ミサオはPDを召喚した。
「ミサオの奴、本気だな」
対して、ヒデオは大鎌は背中に収め、素手で戦うつもりのようだ。
「あたしを舐めているの?」
「別に舐めてなんかないよ。これを使ったら、殺してしまうかもしれないからね」
「それを舐めているって言うのよ!」
ミサオの叫びと共にPDがノゾムに向かって走り出す。
「中々速いな。でも、俺の方が速い」
PDの拳擊を余裕で躱し、背後に回り込んだノゾムがPDの後頭部を殴る。
「お、意外と固い。でも、ダメージは入っているぜ」
後頭部を殴られ、前のめりになったPDに追い打ちを掛けるように、蹴りを入れる。PDは前に蹴り飛ばされながら、ノゾムに向けて<ダークアロー>を放つ。
PDの放った闇の矢は、真っ直ぐにノゾムの方へと飛んでいくと、ノゾムはそれを左手で弾いた。
「はぁ!? 素手で魔術を弾いた!?」
凄い。俺でもあんなの出来ないぞ。
「いや、魔術を素手で弾ける訳無いじゃん。<ソニックエッジ>を使って、方向を逸しただけだよっと……」
ノゾムが今やった事を説明している間に再びPDが<ダークアロー>を放つと、背後からミサオも<ダークアロー>を放った。
「挟撃!」
「へぇ、ミサオあんな攻撃も出来たんだな」
何でも、奏魂の指輪の効果らしく、人形のアーツや魔術を使えるらしい。威力はミサオのステータス依存のため、大した威力は無いので牽制程度にしか使えないらしいが。ノゾムは前後から飛んでくる闇の矢を両手を前後に振るい、先程と同様に弾く。
「もうっ!」
「危ない、危ない。思っていたよりやるね。でも、この位置なら」
ノゾムは、PDに背を向けると、一気にミサオの方へと駆け出す。
「しまった!」
ミサオとの距離が一気に詰まり、ノゾムがミサオの鳩尾目掛けて拳を突きだす。
「なんてね。GD!」
ミサオとノゾムの間にGDが現れ、拳を受け止めた。
「へぇ、二体召喚か。でも、甘いよ。はぁっ!」
ノゾムが受け止められた拳に更に力を乗せると、ミサオと共にGDを後ろに吹き飛ばした。そして、そのままミサオの前へと立ち、拳を顔面の前で止める。
「これで、俺の勝ちかな?」
「あぁ、もうっ!分かったよ。あたしの負け!付いてきていいよ!」
「へへ。ありがとう」
ノゾムは拳を開き、ミサオに差し出す。ミサオがその手を取って起き上がる。
「ミサオさんも強いね」
「ミサオで良いよ。ちゃん呼ばわりしなけりゃ。さんもなんか、気持ち悪い」
「分かった」
取り敢えず、これで落ち着いたか。PDとGDが姿を消して、二人共こっちへと戻ってきた。
「なぁ、アスカ」
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