花散る男女

トリヤマケイ

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プロローグ

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   あのさ、ずっと前の話なんだけど、合コンをやったわけさ、で、いっちゃんかわいいコの隣に座ってて、そのコに面白いゲーム?を教えて貰ったんだよ。






   それは「花散る男女」っていうやつなんだけどね、名前通り恋愛系のヤツで、おもろいからいろんな人に教えたんだけどさ。





   いま、まったく思い出せない、この情けなさ。ネットで検索しても、出てこないズラよ。




   あーあ、花散る男女誰か知ってる人いないんかなーおせーて!おせーてよ、ダーリン♡





   でさ、少しだけ思い出したよ、花散る男女は、なんつーか占い系のやつでね、好きなコとふたりでやるんだよ、たぶんw。散るは文字通りワヤで、花はうまくゆく、そんな感じだった、たぶんw。





   でね、話は戻るけど、その合コンは某私立女子大とのやつでね。





   5対5の対決だった。新宿のわけわかんないごちゃごちゃした、まるであのブレードランナーに出てくる近未来な感じ。わかるかな?あんな猥雑な、夜だけは生き返ったみたいに活気づく裏の住民たちの巣窟。その巨大な迷路の真っ只中にその店はあった。






   相手は、私大女子なんやからもうちょっとオサレなとこあったんちゃう?そう思うことしきり。もうはなから、新宿っていう設定が誤りだよね。六本木とか青山なんて贅沢は言わないから、渋谷、せめて吉祥寺とか?





   とにかく小汚い長屋みたいな居酒屋でそれは始まった。とにかくですね、ああああ、マジいま顔が彼女の顔がチラッと見えた! 記憶の中のね。





   いや、マジだから。ネタやないって。かわいい系ではなくて、美人系だったそれもとびきりの。飲み会の最初から最後までそんな超絶美人の彼女としか話さなかったような気がする。





   名前すら憶えてないけど、彼女は門限があるとかで、早めに抜けたんよ。で、ほら魑魅魍魎が跋扈するような怖いショバですからね、仕方なくw 新宿駅まで送ってったわけですよ。確かね、髪はストレートではなかったような気がしてる。で、駅が近づくにつれて懊悩しはじめた。





   ていうのは、彼女を自宅の最寄りの駅まで送るべきなのか、否かw そのぐらいいい感じにはなってたんだけど、彼女の一言が強烈なクロスカウンターとなって僕の顎を打ち砕いたのでした。それは、彼女の予防線だったのかもしれない。





   予防線を張るっていうか、さぐりを入れてきたという感じ。彼女は、こう言った。





「私の父は、軍人なんです」





   はあ⁉︎ だよね、はあ⁉︎ だよね?
いまどき、まだ軍人が存在していたとは。つまり、自衛隊の将校さんてことなのかなとは思ったけど何も返せなかった。





   私の父はあの戦艦大和の山本五十六です、なんて言い出すんじゃないかと、ひやひやしたけど、マジに厳しい門限があることが裏付けているように、私は躾の厳しい家庭に育った令嬢なので、お付き合いするならばそのおつもりで、というメタファーが、私の父は軍人ですには込められてたわけだ。






   ま、軍服の似合うであろう親父さんと恋愛するわけやないし、ほんとうに好きになったなら関係ないと言えば関係ないのだろうけど、ぼくは、こう見えて極端な軍人嫌いなんですね。






   とにかく組織というものが嫌いで、偉そうにしてる奴はいちばん嫌い。






   でね、その言葉を聞いて一気に恋心が萎んでしまったわけやねん。そんな頭の固いオヤジにサーベルで斬りつけられたくはないしね、骨肉の争いになるのは目に見えてたので、結局別れ際にLINEも電話番号も交換しなかったという。恋の展開はまったくありませんでした。






   私の父は極道です! の方がよっぽどよかったよ。極道といえば、モノホンの右翼の事務所に行った話したよね? つまりさ、軍人が嫌いじゃなくて、体制というものがイヤなわけ。管理してるやつらがイヤなんだよ。管理?何様なんだと思うわけ。同じ人間の分際で管理?





   ところで、さっきくだんの彼女の顔が見えたと書いたのは、一瞬だけど脳裏を掠めたということなんだけど、いや、これは自分でもマジ驚いた。ほんの刹那であろうが、彼女の映像が記憶の深いところから表層に浮かんできたというのは、いったいぜんたいなんぞや!





   その顔を彼女だとわかった自分もおもろいけれども、やっぱり記憶って実は思い出せないだけで、すべては記録されているんじゃないだろうか。そんな気がしてしかたない。






   あーしかし、アイドルやっててもおかしくはない美貌の持ち主。ちょっと惜しいことしたかな 笑














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