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ローラ編
当たって砕けろ
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Go for Broke!
何ごともとりあえずは、やってみないことにはわからない。はじめから諦めていたのではいつになっても事態は変わらない。
ローラには鋭意専心、コメダ珈琲の店内とシロノワールを想像してもらいつつ、ユタカが共同幻想発動。
最初からうまくいったわけではない。
はじめはユタカも苦戦していた。シロノワールの形だけではなく香りや味覚や食感などの膨大な情報が混ぜこぜになって、ユタカの脳へとダイレクトに転送されてきた。
そのひとつひとつの情報は歪んだりすることはなくとも、それがぐちゃぐちゃに紐付けられたり、ランダムに束ねられていると、意味というものが消失してしまう。
そのフラグメントの堆積したようなコラージュ画像をまとめあげ意味のある一枚の絵へと復元し、音声も加えた動画としてケンジとフエの脳に転送した。
ローラがいよいよ店員さんによって運ばれてきた眩ゆいくらいに輝く宝石みたいなシロノワールを食べる段になると、実際に3人も同じように美味なるシロノワールを堪能し、感激したのだった。
実際には食べていないのに、3人はシロノワールを確かに味わって満足したようだった。まんまと脳は騙されてしまったわけだ。
と、そこでバグが発生。ローラから送られてくる映像にノイズがではじめ、音声も飛び飛びになり、まったくもってわけのわからないコラージュ画像になってしまう。
ユタカが必死に調整を行った結果、復旧はしたものの、それはもうコメダ珈琲の店内の映像ではない。
おそらくローラの記憶の一部が、あまりにも強力であり、コメダの映像を押し除けるようにして、滲み出るように出現したのではないかとユタカは思った。
一旦、ローラの思念やら過去の想い出を受容れるよう体制を整えレセプターとなったユタカは、コメダの、それもシロノワールに特化した想い出だけをローラから抽出したわけなのに、それだけではおさまらずに、怒涛のごとく過去の出来事がユタカの脳内に押し寄せてきた。
しかし。不思議なのはその映像のどこにもローラは登場していないということだった。それはローラの見た目の映像なのだから、ローラが鏡を見る以外、ローラ自身が見えるわけもない、ということではない。
それはたぶん、ローラの実体験を一旦彼女の脳内で再編集し、自己を投影する代役として別な人物を立て客観的に見ることの出来るようなドラマ仕立てとなっているとユタカは思っていた。
ただしかし、驚くべきことはそのローラの元の人物はどうやら、女性ではないらしいということだった。
そのドラマの主人公は男性なのだ。自分ではない誰かになりたいと思ったローラは、まったく別な人物になりたいと強く思ったのだろうが、それでも微かに今現在のフランス人形のような、甘いマスクをその代役はしていた。
つまり、ローラは僅かながら昔の自分の面影は残したいと潜在意識ではそう願っていたのかもしれない。
そして、その映像はこんな風だった。
何ごともとりあえずは、やってみないことにはわからない。はじめから諦めていたのではいつになっても事態は変わらない。
ローラには鋭意専心、コメダ珈琲の店内とシロノワールを想像してもらいつつ、ユタカが共同幻想発動。
最初からうまくいったわけではない。
はじめはユタカも苦戦していた。シロノワールの形だけではなく香りや味覚や食感などの膨大な情報が混ぜこぜになって、ユタカの脳へとダイレクトに転送されてきた。
そのひとつひとつの情報は歪んだりすることはなくとも、それがぐちゃぐちゃに紐付けられたり、ランダムに束ねられていると、意味というものが消失してしまう。
そのフラグメントの堆積したようなコラージュ画像をまとめあげ意味のある一枚の絵へと復元し、音声も加えた動画としてケンジとフエの脳に転送した。
ローラがいよいよ店員さんによって運ばれてきた眩ゆいくらいに輝く宝石みたいなシロノワールを食べる段になると、実際に3人も同じように美味なるシロノワールを堪能し、感激したのだった。
実際には食べていないのに、3人はシロノワールを確かに味わって満足したようだった。まんまと脳は騙されてしまったわけだ。
と、そこでバグが発生。ローラから送られてくる映像にノイズがではじめ、音声も飛び飛びになり、まったくもってわけのわからないコラージュ画像になってしまう。
ユタカが必死に調整を行った結果、復旧はしたものの、それはもうコメダ珈琲の店内の映像ではない。
おそらくローラの記憶の一部が、あまりにも強力であり、コメダの映像を押し除けるようにして、滲み出るように出現したのではないかとユタカは思った。
一旦、ローラの思念やら過去の想い出を受容れるよう体制を整えレセプターとなったユタカは、コメダの、それもシロノワールに特化した想い出だけをローラから抽出したわけなのに、それだけではおさまらずに、怒涛のごとく過去の出来事がユタカの脳内に押し寄せてきた。
しかし。不思議なのはその映像のどこにもローラは登場していないということだった。それはローラの見た目の映像なのだから、ローラが鏡を見る以外、ローラ自身が見えるわけもない、ということではない。
それはたぶん、ローラの実体験を一旦彼女の脳内で再編集し、自己を投影する代役として別な人物を立て客観的に見ることの出来るようなドラマ仕立てとなっているとユタカは思っていた。
ただしかし、驚くべきことはそのローラの元の人物はどうやら、女性ではないらしいということだった。
そのドラマの主人公は男性なのだ。自分ではない誰かになりたいと思ったローラは、まったく別な人物になりたいと強く思ったのだろうが、それでも微かに今現在のフランス人形のような、甘いマスクをその代役はしていた。
つまり、ローラは僅かながら昔の自分の面影は残したいと潜在意識ではそう願っていたのかもしれない。
そして、その映像はこんな風だった。
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