私消シゴム

竜海 昇空

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暗陽

勘違い

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そうこれは勘違いが起こした事故なのだ。
私は彼女を心の都合によりしばし、避けただけの話で振ってはいない。
大切な友達なのだ。
ここで重要なのは、友達であり他人ではないという事、二人の未来は明るかったのかもしれない。
もし、仮に彼女と彼が付き合っていたと仮定しよう。
精神的に不安定な子なら、少し何かあったせいで死んでしまうだろう。
付き合っていた彼女が死んだのだ。私のせいでそれは私はせいになるのだ。
どちらにせよ。未来などはわからないし、人が決め人が進むのだ。
失敗し、成功し、皆様々な経験を積み大人になるのだ。
彼女は、未熟でまだ子供なのだ
自分のわがままが通らないから、駄々をこねて悲観し死んだに過ぎないのだ。
理想と現実は違う。
自らの命を断つという事は、やはり間違えていたのだと死んで後悔するべきだ

私は、この世界何をしてもいいとは思う。人の生き方など自由だし
罪があるから、法があるから従うだけなのだ
そう彼女が死んだ
それは、彼女が、選んだ道なのだ。
選択は自由
世の中、芸能人が不祥事を起こしただの。不倫したなど報じられ、その芸能人を貶す。
私が正しいことを言っているんだ。
だから、私は正義だ
あいつは罪人だから罰さなければならない。
あいつは悪だから

私もそう、私は悪だから皆に責められたのだ。

何故優しく出来なかったのか?

何故付き合わなかったのか?

何故だ?

影で悪さをしたあの悪党な教師などとはいうに穢らわしい醜い大人にさえ私は責められたのだ

何食わぬ顔で微笑を浮かべながら、正義だとお前が悪いと責め立てるのだ。

私は、病院を後にして家に帰った。
しばらく学校は休むと親が伝え、私は布団にもぐりこんだ

私は知らないのだ。彼女が一斉送信のメールだったという事を

〇〇くんへ

という深い意味深のある、悪魔の囁きを

ゴロゴロと横にながら私は。

ただあのトラウマだけが脳裏に浮かぶ

微笑む彼女の顔
落ちる瞬間
ほとばしる返り血

哀れもない。飛散した彼女の体の脳裏にたたみ込まれる

見たくない見たくない見たくない

あの姿形は見なくない。

私は過呼吸になり、精神を病んだ

怖い。

叫び狂う。幻覚であの時の彼女が立っている

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

怖い怖い怖い

私が悪かった。私のせいだ

彼女はいつもみたいに微笑む

口は口裂け女のように右側は裂けており奥の歯まで覗かせる。
腕は折れ全身が折れているのにそれは立っているのだ
左右にゆらゆらと揺れながら私に近づく
怖い

傷だらけの彼女は映画に出てくるゾンビのように私を追いかける

目の前に来て言うのだ

一緒に行こうと

私は言う。勘違いだったんだと
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