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6.ヒート
しおりを挟むピピピピとよくある目覚ましの音で目が覚める。
気持ち良い眠りを妨げる悪党を黙らせるため
いつも、スマホがある辺りに手を伸ばす。
「………………んん?」
すると、何かあたたかいものに手が触れた。
?!?!?!?!
「………………ん?!」
な、ななななんでこいつが俺のベットに?!
このドッキリ…そこらの高級目覚まし時計より効果あるぞ…
寝起きでいつも以上に回らない頭ではあったが、忘れようと思っても忘れられないほど、昨日のことは強く記憶に刻まれていた。
「………………ん……あれぇ?…なんで誠…。」
寝ぼけ気味のゆうの表情は、あんな睨みが出来るとは思えないほど完全に緩みきっていた。
ふぁっ?!
な、なんだその寝起きっ…ギャップ萌え狙いなのか?!
それとも、シーン中なのか?!
「………………あぁ?…お前、いつまで俺のベットにいるんだよ?」
緩んでいた表情は、ゆうがこの状況を理解した瞬間に、『鬼の形相』という言葉がピッタリな表情にかわる。
わぁーー分かってはいたけど、ギャップが凄すぎて萌えないわぁー。
「ってか……お前が俺の布団に入ってきたんだろ~?中途半端に思い出すなよなぁ…」
ゆうは若干キョトンとした顔をする。
「………………ぁ、そうだったか。」
あんな表情をした後でも、まだ少しぼーっとしているようだ。
「…………で、大丈夫かよ。そ、の…昨日の頭痛は」
ゆうはしっかりキョトンとした顔をする。
「い、いやっ…別に心配してるわけじゃねぇーけどっ…」
なっ、なんかツンデレっぽい言葉になってしもうたっ!
べっ、別にツンデレなんかじゃないんだからねっ!!
「…………まぁ、後で説明するって言っちまったからなぁ…」
めんどくさいという雰囲気が全身から滲み出ている。
「……あれだな、昨日は…多分寮のシーンがあったっぽいんだが、昨日のベットのくだりがシーンだと思わなくて、シナリオに逆らったから頭痛に襲われたんだな…推測だけど」
ぇ…………こわっ
なんて恐ろしい世界だっ…………
「………………てことは…逆らえないって事か?!」
「……まぁ…嫌でも、そういうコトをしなきゃいけないみたいだな。」
それから、気まずい沈黙が続く。
「………………あ、てか今何時?」
これ、フラグじゃね?
「ぇ……ちょっと待ってな」
スマホを開いて見る。
静かにスマホをゆうに見せながら言う。
「…………7時半。」
「………………ぉお前が朝から質問なんてするからぁぁぁあっ」
「ごっ、ごめんなさいぃぃぃっ!!!」
フラグ回収乙!!!(泣)
くっそぉぉぉお!!!
全く何も用意してないっ
やっべぇぇえ!!!
■ □ ■ □ ■ □
ぐはぁっ…………ギリギリ間に合ったぁ…
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…お…前っ
なんでそんなに足速いんだよぉっ!!!」
俺はこんなに疲れているのに、
ゆうは汗一滴もかいていない。
「まぁなぁ…………俺αだし?」
片方の口角だけで上げて挑発してくる。
くっっそムカつく。
そして、その後。何故か口角と、眉を下げて
心配そうな顔をする。
「………………あ、お前。なんか顔赤くなってる……」
「…………はぁ?走ったからなぁ、
まぁ?俺は?お前と違って?……普通の人だしっ。」
しばらく俺の方を静かに見つめる。
「…………でも、あんまりそう言う顔してると…βでもいいって言うαが増えるから気を付けろよ。」
こっそりと、周りには聞こえないように言う。
おいおい、いきなりシーン挟んでくるのやめろよ…。
「俺は、αに興味無いから平気だっ
まぁ?なんてったって、普通の人だからな」
「っ………それ、まだ引きずってるのか?
ごめん……謝るから本当に気をつけて?」
シーン中のゆうの顔で心配されると、
こいつの本性が分かっていても俺は弱い
…気がする。
「………分かったよっ…気をつけりゃいいんだろ?気をつけりゃ…ってなんの騒ぎ?」
やけに廊下が騒がしい。
「……っつ…この匂いはっ」
ゆうが顔をしかめる。
匂いぃ?何もしないけど?
空中をすんすんと嗅いでみる。
ほかのクラスの生徒が教室に駆け込んでくる。
「……みんなっ、ヒートだっ!
2組のやつが起こしたらしい!」
え?なに?ヒート?って…Ωのやつ?
「はぁ?……抑制剤持ってねぇのかよ。」
どゆこと?
「うっわぁ…くそ迷惑。」
ちょっ……本当にっ
みんなザワザワしなくていいからっ!!!
なんで学校で?!
なんでみんなそんなに怖い顔してんの?!
誰か説明してぇぇっっ?!
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