10 / 36
9.三角関係フラグ
しおりを挟むくっ…………この世界を甘く見ていたっ。
こんなに、ゆうとのキュンキュンシーンがあるだなんてっ……!!
今はまだ、付き合お~?とか、エッチなことをするような展開にはなってないけど…
脳裏に浮かんだのは、やはり死ぬ前に見た
あのシーンだった。
絶ッ対無理ぃぃいいっ…しかもあいつと?!
この間のΩのヒート事件で、俺はβだけど
クラスの人気者のという主人公的ポジションを手に入れた。
が…
それ以来最近、なんのアクションも起こらないことを不思議に思っていた。
末期だぁ……
「おぉ~い、平塚?なんか、お前呼ばれてるらしいけど?」
「……え?俺?」
クラスメイトに、こっちこっち、と言われて教室の入口へ足を運ぶと、そこには、この間助けたΩの生徒がいた。
「…………あ…のっ、この間はありがとうございました!!」
彼は、深々と頭を下げた。
「……え、いやっ、そんな頭下げなくていいって!結局、事件とまではならなかったし…それより、無事で良かった!うん!」
俺っ!なんかカッコイイぞ!?
「あ、ありがとう……。」
な、なんか…よく見ると女の子みたいだなこいつ。まぁ、Ωだからか。
肩幅も狭くて華奢だし…。
「…………まぁ~こ~とっ?
もしかして、殴られた事忘れちゃったの?
まぁ、気絶したからしょうがないかぁ…
これって、十分事件だと思うなっ俺。
あははっ」
?!?!?!?!?!?!
いつの間に背後をとられたんだっ?!
「ゆう!おまぇはまたっ……余計なことおぉぉぉおっ!!!」
「…………ぇっ…気絶?」
ほらぁっ…………めちゃ申し訳なさそうな顔になってんじゃん…。
「……あぁ…いや、そ、そうだ!名前なんて言うの?」
どうにかこれで話題を変えようっ…
「えっと…北爪 直人…です。」
「おぉ、了解!同じ学年なんだし、タメでいいよ!俺は、平塚 誠!よろしくっ」
おぉっ…この自己紹介主人公的何かを感じるぜっ…
いいっ…………!
「わ、わかったっ…えっと、そっちに居るのは…?」
うげっ…ここでゆうに会話振るのかよっ
ていうか、ゆうのこの話し方からして
シーンだよな……。
てことは…北爪直人は新キャラか…??
「………俺は、安藤悠斗。
ちなみに、まことは幼なじみだっ」
おぉ~い?ゆうとさん?
まこって呼ぶな!!!!
その呼び方を広めるなっ!!!
「…………まこ。いいね、その呼び方っ
俺も呼んでいいかな?」
ほらぁっ!!!
こぉ~なると思ったぜっ……(泣)
「……ぁ、あぁ、いいよ。
じゃあ、俺は、なおって呼ぶわ。」
「うんっ…………」
なおは、ふわっと優しく微笑んだ。
やっぱ、癒し系キャラは必須だよなぁ~
「………………それは…だめ」
へ?
ゆうは、少女漫画に出てくる傷ついた女の子キャラ(?)みたいな表情をしていた。
「…………ゆう?……」
「…………ぇっ…いや、何でもない。」
でたっ…なんでもあるのに、なんでもないって言うやつ。
そしてそれに気づかない主人公って鈍いよなぁ~。
はぐらかし方も上手いなぁ……
本当に俺の事を好きみたいにみえる。
この世界が崩壊しないのは、ある意味こいつのおかげなのかもしれない。
「あ、俺そろそろ教室に戻らなきゃ
…………でさ、よかったら今日寮まで
3人一緒に帰らない?」
3人っ………………
3角関係フラグきたぁぁぁあっ…………
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
168
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる