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14.上目遣い

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「ちょっ…ちょっと、待てよゆう!」

教室の外にでたゆうへ俺は駆け寄る。

「…………なんで同じ班にならないんだよ。」

ゆうは目をあからさまに逸らしながら言う。

「………………なんとなく。」


なんでわかりやすいかなぁっ?!
この物語の登場人物はっ…

「………………それって、絶対なんかあるやつじゃん。しかも、きっとこれってイベントだろ?きっと、同じ班じゃないと……」


「っつ…………。」

ゆうは頭を抱えて苦しみ出した。


「ゆうっ?!…………ほら…言わんこっちゃない…。」

それに、最近なんか元気がないような気がする。
なんっっていうんだろう、はじめはあんなにキレまくってたのに……充電切れって感じだ。


「…………やっぱ、こればっかりには逆らえねぇのかっ……くそっ…」


「…………?…なんの事だか俺には分からないけどさ、とりあえず元気にだせよ?……
俺も、出来ることなら力になるからさ。
………………まぁ、この間の貸しもあるし。」

思えば、俺がこの世界に来て混乱してる時、
なんだかんだ言って1番色んなこと教えてくれたのはこいつだしな。

「………………じゃ…一つ頼みがある。」



「おぉ?なんだ?」

おぉ!ついにっ!俺も頼れる男に?!


「………………最低限……俺に近づかないで欲しいんだ。」


え…………



「…………それって…どういう…………」




この沈黙を遮るように予鈴がなる。


「ほらー平塚、安藤、教室入れ~」

この空気を全く読まずに担任が注意する。


「………………はい。」





◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆





結局、俺とゆうは同じ班になったけれど。
班での話し合いでもほとんど会話をせずに授業は終わってしまった。


「…………ってことで、野外活動のしおりの記入をしておくように、あと、この休日できちんと体調を整えてな。」



『はーい』

と、テンション高く返事をするクラスの生徒たちに対して、俺は、返事をする気にもなれなかった。



なんだよ……ゆうのやつっ。

そんなに、あのキスが嫌だったのかよっ……
まぁ?…俺だって嫌だったよ…嫌だったさ!

だって……しょうがないじゃんか。

ちょっと、ドキドキしちゃったのは認めるけど。


あっ……れは、初めてだったからで…



あぁぁぁあもうっ…男しか居ないからおかしくなってんのか俺っ?!


授業が全て終わり、ゆうとなおと一緒に帰ろうと声をかける。

ゆうには少し声をかけずらいけど…
なおが心配するからなぁっ


「…………ゆう!……帰ろうぜ?」


俺は、効かないと思っていながら、
少し上目遣いをしてみる。


「……………………っ…わかった。どうせ同じ部屋だしな。」



効いた?!?!?!

しっ、しかも何故顔を赤らめるっ?!

演技だよな?!演技なのか?!



でもどっちにしろこの状況はまずいな…
どうにかしないと…………もしかしたら
この世界が本当に崩壊するかもしれない。


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