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18.偽りのハッピーエンド

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上尾……アゲアゲだから上尾っていう作者の遊びキャラかと思いきや…

もしや、これはこの物語がラストに近づいている予兆じゃないのか?!

だって、もしも上尾が俺を好きだって言い出したら、流れ的に山場じゃん!んで、それ乗越えてハッピーエンド!!!……みたいな感じになりそうだ。

ふぅ…………あと少しの辛抱だっ頑張れ俺!




……って、この物語が終わったら俺達どうなるんだ?

その時点で、この世界は消滅するとかっ…
だとしたら、次の世界に転生???

いや?待てよ?もしかして俺達、実は…


死んでなかった…なんてこと






「あはっ…ないよなぁ~そんなわけ」


スタンプラリー中に遭難した俺は、
助けに来てくれた上尾と一緒に足場の悪い山道を抜ける。



「……おぉっ!ほらもうすぐ着くぞ!」


ゆう、心配してるかな。

俺の胸にあるのは申し訳ないという気持ちと…少しの期待。


「…ありがとな。上尾。」


上尾は、少し明るすぎてうざいけど、
元気を貰えたきがする。


「はぁっ……はっ…まこっ!!」


息を切らしてゆうが走ってくる。

これは、中身の武尊の表情なのか、
ゆうの表情なのか俺はまた考えてしまう。
こんな展開、絶対に物語のシーンなのに。
武尊であって欲しい。俺のことを心から見てほしい。この世界に左右されずに…俺の事

好きになって欲しかったなぁ。



「ゆう…………ごめっわっ?!」



ゆうにいきなり強く抱きつかれる。
これは…って、また同じこと考えるなっ、
くどいぞっ俺!!


「………………よかった…まこ。」


まこ……か
俺は前世の名前を教えてないから当たり前だけど、呼んで欲しかった…なんて。


「………………ゆう、心配かけてごめん。」


「……上尾、ありがとうな、まこを助けてくれて。」

ゆうっ…言っている言葉と表情があってないぞ??


「……お、おう!なんか、顔怖いぞ?お前」


嫉妬……だったらいいのに。
もういっそ、この思いを伝えてしまおうか。
伝えて、物語を終わらせて、俺もこの恋を終わらせる。

…………男となんて、とか、女の子にモテたいとか、この世界では関係なくて。

いや、ちがうな。この世界に居なくても、
俺はゆう、いや、武尊を好きになってたと思う。



「ゆう。夜また昨日のとこ来て。」



俺を抱きしめるゆうの耳元で、こっそりという。




「………………分かった。」







◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆








「ゆう…………来てくれてありがとう。」


少し気まずい雰囲気。
これにも、もう慣れたようなものだ。

きっと、俺が何を言うのか気づいているんだろう。きっと、俺本人の気持ちも。

「まこ、これで…本当にいいのか。」



「何いってんだよ。お前が俺の事役としてでしか見れないとしても。そんなの、恋人のふりが出来るだけいいんだよばぁ~か。」


本当は嫌だけど。嫌だからこそ、早く終わらせなきゃ。ハッピーエンドで。


「…………悠斗、好きだよ。」



「………………そっ…か。ありがとう。
嬉しいよっ……誠。」



そんな苦しそうな顔で、嬉しいだなんて




言うなよな………………ばか。



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