姉貴のBL本に転生(?)したっぽいんだけどオメガバースって何っ!?

黒咲ゆかり

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25.これで

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くっそぉ……あんな事があったせいか
全然寝れないっ……。


……………………俺の気持ちに答えられないんだったら…あんなことすんなよ。


「…………はぁっ……」


まだ、体が熱い。



隣でスー、スーと静かに寝息を立てているこいつが憎いっっ…が、


そんな奴を好きな俺が今は一番憎い。



「んっ…………」


や………ばい…これは…結構ダメなやつかも。


「はぁっ…………んっ………」



なんだこれっ………………なんかおかしい。



「…ん…………………まこ?」




体がっ…………体の奥がっ……熱くて…




「…た…けるっ…………なん…かっ…っ…」


助けてっ……背中がっゾクゾクして

でも、寒いんじゃなくてっ…



「っっ…!………何だこの甘い匂い。」



に………おい?……………えっ



「もしかしてっ……ヒートか?」



「………はぁっ、はぁっ…んぇ?……でもっ」



ヒート……?………俺はβのはず…



「っっ……………まこっ………ごめん。」




「………えっ……武…尊?………ひぁっ?!」


武尊が俺に覆いかぶさるようになって、
俺を押さえつける。


「はぁ………はぁっ…………」


武尊のゴクッと唾を飲み込む音が、
荒い息遣いが、
これから俺を襲おうとしているのだと語っている。

「………武尊っ………やめ……て……」


言葉とは真逆に俺の体が欲しいと叫んでいる。
でも……こんなの嫌だ。


「…………はぁっ……まこっ……んっっ」


武尊が俺の耳を撫で、そしてうなじを
獲物を大切に食べる虎みたいに熱い舌で
ねっとりと舐める。


「……ちょっ…ひゃぁ…んっ……た…ける?」


これはやばいな…もしかして番になろうと…


番になれば、Ωはフェロモンを発さなくなるらしいとは、一応知識としては知っていたけど……。



「………………はぁっ……はぁ……噛むぞ。」





「…………?!っ……やっ……武尊っ!!」




俺は、もう力の入らない手で武尊を押しのけた。



「……………………っぅっ……ダメだよっ、武尊っ……ここがいくら別の世界だとしても…居るんでしょ?………大切な人がっ……」


押しのけたまま武尊の肩をおさえる手は震えて、このまま力で押されたら勝ち目はない。


たとえ、この状況がストーリーのシナリオの
1部だとしても……嫌なんだ。


これもきっと、本能的なもので
俺のことが好きだからなんてそんなものじゃない。

馬鹿な俺にだってわかることだ。



訳もわからず頬を流れる涙でさえこんなに熱いのに、なんで……。



「………………………………ごめん。」


武尊はそのまますぐ部屋を出ていった。

本当は、ごめんだなんて言わないで欲しかった。

だってその言葉は、俺が武尊の大切な人よりもあいつの中で劣っているという証拠だから。


しかし、

ふつう、発情したΩを襲うαを止めることはほとんど不可能なのに……。

よっぽど本能を理性に縛り付けた事だろう。


そのあとしばらくして、なおが部屋に来てくれた。

抑制剤を渡せとゆうに頼まれたのだそうだ。


抑制剤を飲んで3時間。


当たり前だけど、武尊は帰ってこない。



まだ、自分がΩだったなんて信じられない。




「………………まこ…怖かったでしょ?」





優しく抱きしめてくれるその腕に…
思わず縋ってしまった。


さっきまで止まっていた心からの震えが、
喉の奥から嗚咽を漏らした。



「…………っ……うんっ……………ぅっ……」




俺の気持ちが分かっていながら、
答えられないと自分でも知っていながら、
思わせぶりな態度をとる武尊が嫌いになれない。



これで、本当に俺の恋はおしまいなのかもしれない。



でも、それでよかったんだきっと、これで。





俺はあいつを嫌いになれないから。









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