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33.おやすみ
しおりを挟むあっという間に夏休みが終わり、
季節はめぐり早くも秋を迎えた。
だがしかし、
「たぁ~けぇ~るぅ~おいっ、
俺たちあれからシナリオでしかイチャイチャしてないと思うんだけどぉ?」
あれから中々手を出してこない武尊に
痺れを切らした俺は、何処かのウザイ彼女のようになっていた。
真面目そうに勉強机につき、
不真面目にスマホをいじっている武尊の
背中にしがみつき、前後に揺れる。
「……………………うるさい。」
?!
うっ、うるさいって!!
これが、彼氏様に言う言葉か?!
大体、いつまでこのシナリオが続くかなんて、姉の漫画をパラパラとしか読んでいない俺には分からないんだ。
今のうちにイチャイチャしとかないと、
もしかしたらもう一生会えないかもしれないじゃないかっ。
そう、一生…………会えないかもしれない。
ふと、武尊の背中を強く抱き締め過ぎていた事に気づく。
「あっ………………ごめん、痛かったか?」
「……こんなんで痛がるほどヤワじゃねぇよ…………どうした?」
さっきまで冷たいと思ってたら、
こういう時は心配してくれるんだな。
「…………んーん、なんでもないっ
もう今日は寝る。おやすみ。」
もう一度、ぎゅっと抱き締めてから
俺はベットに寝転がった。
あれから何時間経ったのか。
武尊寝息が、夜中の静かな室内ではっきりと聞こえることに安堵して布団を頭まで被る。
どうしよう……。
寝れないっっっ……………………!!!!
⿴ ⿻ ⿸ ⿴ ⿻ ⿸ ⿴ ⿻ ⿸ ⿴ ⿻ ⿸
「…………………ふぁぁっ…」
眠れなくなって2日目、
眠れないと言っても夜ぼーっとしている時にもしかしたら寝ているのかもしれないが、
眠すぎる……。
「……どうした?いつもウザイくらいピンピンしてるお前が日中にあくびなんて珍しいな。」
「……ん?……あぁ、これは」
最近眠れないだなんて、そんなことを言ったら心配させてしまうんじゃないか。
そんな不安が頭をよぎって、俺は口を噤んだ。
「秋って暑くもなく寒くもなく丁度いい気温だからどうしても眠くて……」
「授業中寝るなよ?バカがさらにバカになる。」
「……………うるさいなぁ」
⿴ ⿻ ⿸ ⿴⿻ ⿸ ⿴ ⿻ ⿸ ⿴
眠れなくなって3日目。
いつもなら黙って机に向かっているはずの
武尊が椅子に座ったままじっとこっちを見ている。
「お前、そのくま…………」
「んぇ?……くまぁ?…………」
くま……?……
「ほら、見てみろ。」
そう、手渡された鏡には目の下にくっきりとした黒いくまができた自分の姿がうつっていた。
なっ、なんじゃこりゃ……
そう言えば最近頭もぼーっとするし、
そろそろこれは……まずいんじゃ
「んえへへ…………俺、ちょっと睡眠不足みたいだから、今日は早くベットにはいるわ。」
ベットに入っても眠れないけど、
目を瞑って居ればきっと寝れるはず。
「あぁ……そうしとけ。」
そのはずなんだ。
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