姉貴のBL本に転生(？)したっぽいんだけどオメガバースって何っ!?

35.寂しがり屋の巣作り

この間も言ったけど、
俺たち本当にシナリオ内でしかイチャイチャしてないっ……。

まぁ？そのこの間は、そ、添い寝…………
みたいな事してくれたけど。

たまに、一緒に寝てくれるようにもなったけど。


でも、最近は本っっっ当に……素っ気ないというかなんというか……



これが倦怠期と言うやつなのだろうか。


寂しいやらなんやら……。





「ゆう～？一緒に弁当食おっ？」



「……あー、ごめん、今日はなおと食べて」



あー……ってなんだ？！あーって！！

そんなに俺と食うの嫌かよっ！




「…………………………たけるのばぁーか」



ふんっ、こんなやつのこと知ったこっちゃないぞっ……。





と、こんな日が続き…

この弁当の時間だけではなく、
俺と一緒にいること、それ自体を避けているように感じる。

だけど、俺の誘いを断る武尊の表情に何か違和感を感じていた。




「…………ゆう、一緒に帰ろ？」



「……ごめん、俺今日寄るとこあるんだわ」




寄るとこ？！…………今までそんなこと無かったのに。

てか、寄るも何も学校と寮は近いんだから
この場合出かけるに等しいんじゃ……

俺を置いて？1人で？こいつが？

どこに…………。




も…………しや………………浮気？！？！？！



しかも…なんか、すごい切なそう？と言うか、苦しいそうというか、なんとも言えない表情をしてるし……。



そんなにっ………………その相手の事が……。




「……まこ？……なんか変な想像してない？」



「…………………………なんか、違うのかよ。」





「……………………………………。」





いやっ、そこで黙るなよっ！？


余計に怪しいだろそれ……







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「ったく…………武尊のやつ」



俺、なんかしたのかな。




この間の事も、俺は勝手にあいつとの距離が縮まったって思ってたけど、
やっぱり面倒だと思ったとか？！

いや、面倒だとか思ったらもっとすごい顔で睨んでくるか。


いつも、武尊と一緒に過ごしていたこの部屋が、あいつが居ないだけですごく静かに感じる。別に、武尊は騒がしいタイプじゃないけど。
意外と真面目に授業の予習してるシャーペンの擦れる音とか、ページをめくる音とか。
意外と好きなギャグ漫画を読みながら、
ベットに寝っ転がって声を押し殺しながら笑ってる声とか。

本当に、好きだなぁって……


武尊の顔を思い浮かべながら、武尊のベットの上にある漫画に手を伸ばす。

これは……今度は、少女漫画？！

「ぷぷっ、正確に似合わず乙女だなっ…」

そっか、色んなジャンル読んでたから、
BL漫画も………………

同じ趣味とかだったら、もっとかまってくれんのかな。

なんて。


試しに読んでみるかと、
そのまま武尊のベットの上に寝転がる。


はぁ……なんかすんごい落ち着く。
最近なかなか、武尊が近づかせてくれないから……

武尊の…………匂い。


なんだろう、武尊に抱きしめられてるみたいな……。


なん…か…頭…………ふわふわ…する


もっと、もっと、武尊の匂い……欲しい。


そうだっ、武尊の物ここに集めたら……もっと……


武尊のタオル……武尊のジャージ……


もっと……俺を武尊の匂いで包んでっ

寂しいからっ、もっと、いっぱいにして？






もっと…………もっと…たける…ちょーだい