14 / 59
年下ワンコはご主人様が好き
4・波多
しおりを挟む
隣でパンツ姿の久世が眠る。
しかも、面倒だとそのまま寝てしまった筈なのに、久世のTシャツをきていた。
大き目のそれは尻まですっぽりと隠れていて、可愛い子がこれをしたら色っぽく見えるだろうが、三十路のオヤジがこの格好をするのは見た目にもキツイ。せめて下にパンツくらいはと思い、拾い上げて身に着ける。
時計を見ればまだ起きるには早い。
久世の胸に額をつけるように抱きついて目を閉じる。人の体温は気持ちの良い暖かさだ。
すぐに波多は眠りにおち、次に起きたのはタイマーの鳴る音でだった。
今だ抱きついていた事に気が付いて慌てて離れ、ベッドから身を起こす。
寝起きは特に悪くない久世も、その音で目を覚まして目をこすりながら、
「おはようございます、はたさん……」
と挨拶をする。
「おはよう。飯を作るから、その間に準備しておけ」
「ふぁい」
あくびまじりに返事をし、久世がのそりと起ちあがる。
そしてすぐにアッと大きな声を上げて、その声に波多はビクッとする。
「いきなりなんだよ!」
「一緒に寝てたのに怒らないなって思って」
そこはスルーしていてくれたらよかったものを。
チッと舌打ちをし、何も答えずにキッチンへと向かう。
「波多さん?」
返事がない事にパンツ一丁のまま後をついてくる久世へと軽めの裏手パンチを顔に食らわす。
「おぅ……」
それは鼻へと当たり、痛そうに擦っている。
「シャワーを浴びてこい」
「はい」
簡単な食事を用意し、風呂から出てきた久世に声を掛ける。
「俺は一旦帰るから。ちゃんと飯を食って。濡れた髪も乾かせよ」
エプロンを背もたれに掛けて玄関へと向かう。
「波多さん」
「なんだ?」
ちゅっと音を立てて軽く口づけられて、目を見開いてかたまる。
「朝、一緒にあのベッドで起きれて嬉しかったです。朝食も作ってくれてありがとうございました。愛してます」
「……バカ犬め」
こんな些細な事で喜ぶ久世が愛おしくて胸がきゅっとなる。
「飯を食って、出かける準備ができたら迎えに来い。良いな?」
「はい、お迎えに上がりますね」
濡れた髪をわしゃっと撫でて部屋を後にする。
久世はすぐに迎えにくるだろうから、急いで帰りシャワーを浴びて準備をせねばならない。
すっかり久世のペースに合わせている。それにぶつぶつと文句を言いつつも、仕方ないと思う自分がいた。
しかも、面倒だとそのまま寝てしまった筈なのに、久世のTシャツをきていた。
大き目のそれは尻まですっぽりと隠れていて、可愛い子がこれをしたら色っぽく見えるだろうが、三十路のオヤジがこの格好をするのは見た目にもキツイ。せめて下にパンツくらいはと思い、拾い上げて身に着ける。
時計を見ればまだ起きるには早い。
久世の胸に額をつけるように抱きついて目を閉じる。人の体温は気持ちの良い暖かさだ。
すぐに波多は眠りにおち、次に起きたのはタイマーの鳴る音でだった。
今だ抱きついていた事に気が付いて慌てて離れ、ベッドから身を起こす。
寝起きは特に悪くない久世も、その音で目を覚まして目をこすりながら、
「おはようございます、はたさん……」
と挨拶をする。
「おはよう。飯を作るから、その間に準備しておけ」
「ふぁい」
あくびまじりに返事をし、久世がのそりと起ちあがる。
そしてすぐにアッと大きな声を上げて、その声に波多はビクッとする。
「いきなりなんだよ!」
「一緒に寝てたのに怒らないなって思って」
そこはスルーしていてくれたらよかったものを。
チッと舌打ちをし、何も答えずにキッチンへと向かう。
「波多さん?」
返事がない事にパンツ一丁のまま後をついてくる久世へと軽めの裏手パンチを顔に食らわす。
「おぅ……」
それは鼻へと当たり、痛そうに擦っている。
「シャワーを浴びてこい」
「はい」
簡単な食事を用意し、風呂から出てきた久世に声を掛ける。
「俺は一旦帰るから。ちゃんと飯を食って。濡れた髪も乾かせよ」
エプロンを背もたれに掛けて玄関へと向かう。
「波多さん」
「なんだ?」
ちゅっと音を立てて軽く口づけられて、目を見開いてかたまる。
「朝、一緒にあのベッドで起きれて嬉しかったです。朝食も作ってくれてありがとうございました。愛してます」
「……バカ犬め」
こんな些細な事で喜ぶ久世が愛おしくて胸がきゅっとなる。
「飯を食って、出かける準備ができたら迎えに来い。良いな?」
「はい、お迎えに上がりますね」
濡れた髪をわしゃっと撫でて部屋を後にする。
久世はすぐに迎えにくるだろうから、急いで帰りシャワーを浴びて準備をせねばならない。
すっかり久世のペースに合わせている。それにぶつぶつと文句を言いつつも、仕方ないと思う自分がいた。
10
あなたにおすすめの小説
有能課長のあり得ない秘密
みなみ ゆうき
BL
地方の支社から本社の有能課長のプロジェクトチームに配属された男は、ある日ミーティングルームで課長のとんでもない姿を目撃してしまう。
しかもそれを見てしまったことが課長にバレて、何故か男のほうが弱味を握られたかのようにいいなりになるはめに……。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
死ぬほど嫌いな上司と付き合いました【完結】
三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。
皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。
涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥
上司×部下BL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる