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年下ワンコはご主人様が好き
6・久世
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昼休み、波多は用事があるからと何処かへ行ってしまった。一緒に行きたかったが、ついてくるなと言われてしまう。
しょんぼりとしながら食堂へと向かうと、八潮と三木本がいて一緒に食べようと誘われてテーブルに着いた。
「何、ご主人様に置いて行かれちゃったの?」
「はい。ついてくるなと言われて……」
今日のメニューはラーメンとチャーハン。デザートにゼリーを選んだ。
八潮は相変わらず小食で、半ライスとコロッケ一つ、そしてサラダ。
自分ではけして足りないだろうなという量で、それでも三木本に言わせれば食べるだけマシなのだという。
ちなみにコロッケは三木本のフライセットの一つのようだ。
「そうだ。料理教室な、俺の所でやることになったから」
会社に向かう途中、料理教室にもう一人参加するとになったからと言われて、一体誰で波多とどういう関係の人なんだと悶々としていたが、三木本だと知ってホッとした。
「波多さん、教えてくれないから。どんな人かと思ってましたよ」
「なんだ、それすら話してなかったのか。昨日、キッチンを貸して欲しいと連絡を貰ってな」
「そうだったんですね。三木本さんのお家、はじめてですね。楽しみです」
まだ、三木本とはただの先輩後輩という仲でしかなく、家に行くのは初めてなので楽しみだ。
「なんか楽しそうだねぇ」
久世と三木本の話を聞いていた八潮の言葉に、
「そうだ。八潮課長も一緒に習いましょうよ」
と誘う。八潮も一緒ならさらに楽しくなりそうだ。
「そうだね。美味しいモノが食べられそうだし」
混ぜて貰おうかなと微笑む。
「そうですね。これを機に料理を始められるのも良いかもしれませんよ」
八潮の食生活が心配な三木本は直ぐに賛成をしてくる。
そこでアレっとある事に気が付く。もしかしたら波多は八潮も誘おうと思っていたのだろか。
三木本を意味ありげに見れば、それに気が付いてふいっと視線をそらす。
それで、やはりそうなんだと確信する。自分が誘わなかったら三木本が八潮を誘っていたのだろう。
「そうですよ、課長」
「う~ん、でもさ、いろいろ言われそうで怖いねぇ」
そう思わない、と、八潮に同意を求められて、久世は頷きかけたが三木本に睨まれてやめる。
「あ、あの、料理教室の事、よろしくお願いしますね」
「あぁ。さて、飯を食っちゃいましょう」
八潮の世話をやきだした三木本を眺め、自分も波多に世話をやいてもらいたいな、と、羨ましく眺める。
波多は今頃、何をしているんだろう。会いたくてたまらない。
毎日、顔を合わせていても、それでも足りないと思ってしまう。元彼女にすらそこまで執着していなかった。
こんな性格だから波多は恋人になってくれないのだろうか。
「俺って重いですかね」
ぼそっと呟いた言葉に、目を丸くしながら八潮と三木本が見る。
「今頃かよ」
三木本に言われ、やはりそうなのかと気持ちが沈む。
「でも、波多君は気にしないタイプだと思うよ?」
八潮がフォローするようにそう答え、三木本は「気にしますよ」とツッコミを入れる。
「でもさ、本当に嫌なら、料理教室までしてあげるかな」
「そうなんですよね! しかも名前で呼ばせてくれたし、波多さんのを舐めさせてもらいましたし……」
思わず、昨日のことがぽろりと口から出てしまい、三木本が喉をつまらせたか激しくせき込みだす。
「ぶはっ、げほ、ほごっ」
「三木本君、大丈夫? ほらお茶を飲んで」
と湯呑につがれたお茶を差し出す。
「で、どうだった?」
ニヤニヤとしながら続きを促されて、口を開きかけて三木本に手で塞がれた。
「むぐっ」
「あ、せっかく良い所なのに」
「良い所、じゃないです。真昼間から、しかも波多のプライベートなことでもあるんですよ!」
お前も言うなと、いつも以上に怖い顔で睨まれた。
「だけど聞きたいじゃない。どうだったかって感想を」
「駄目です。久世も、そういうことを他人にペラペラ話すと波多に嫌われるぞ」
「もがもが」
嫌ですと口にするが、掴まれたままなので言葉にならない。
「じゃぁ、波多君に聞こうかな」
「それはもっと駄目です。八潮課長、最低です」
パッと手が離れて三木本がトレイをもって返却口へと向かっていく。
「怒らせちゃったかな」
とニッコリ笑って頭を撫でられ、八潮もトレイを持って返却口へと向かった。
久世はまだゼリーが残っているので、一人残ってそれを食べる。
それから部署へ戻る間、女子社員から話しかけられ、おやつを貰ったり、飲みに行こうと誘われたりして、それを断りデスクへ戻るが波多はまだ戻っていない。
しょんぼりとしながら食堂へと向かうと、八潮と三木本がいて一緒に食べようと誘われてテーブルに着いた。
「何、ご主人様に置いて行かれちゃったの?」
「はい。ついてくるなと言われて……」
今日のメニューはラーメンとチャーハン。デザートにゼリーを選んだ。
八潮は相変わらず小食で、半ライスとコロッケ一つ、そしてサラダ。
自分ではけして足りないだろうなという量で、それでも三木本に言わせれば食べるだけマシなのだという。
ちなみにコロッケは三木本のフライセットの一つのようだ。
「そうだ。料理教室な、俺の所でやることになったから」
会社に向かう途中、料理教室にもう一人参加するとになったからと言われて、一体誰で波多とどういう関係の人なんだと悶々としていたが、三木本だと知ってホッとした。
「波多さん、教えてくれないから。どんな人かと思ってましたよ」
「なんだ、それすら話してなかったのか。昨日、キッチンを貸して欲しいと連絡を貰ってな」
「そうだったんですね。三木本さんのお家、はじめてですね。楽しみです」
まだ、三木本とはただの先輩後輩という仲でしかなく、家に行くのは初めてなので楽しみだ。
「なんか楽しそうだねぇ」
久世と三木本の話を聞いていた八潮の言葉に、
「そうだ。八潮課長も一緒に習いましょうよ」
と誘う。八潮も一緒ならさらに楽しくなりそうだ。
「そうだね。美味しいモノが食べられそうだし」
混ぜて貰おうかなと微笑む。
「そうですね。これを機に料理を始められるのも良いかもしれませんよ」
八潮の食生活が心配な三木本は直ぐに賛成をしてくる。
そこでアレっとある事に気が付く。もしかしたら波多は八潮も誘おうと思っていたのだろか。
三木本を意味ありげに見れば、それに気が付いてふいっと視線をそらす。
それで、やはりそうなんだと確信する。自分が誘わなかったら三木本が八潮を誘っていたのだろう。
「そうですよ、課長」
「う~ん、でもさ、いろいろ言われそうで怖いねぇ」
そう思わない、と、八潮に同意を求められて、久世は頷きかけたが三木本に睨まれてやめる。
「あ、あの、料理教室の事、よろしくお願いしますね」
「あぁ。さて、飯を食っちゃいましょう」
八潮の世話をやきだした三木本を眺め、自分も波多に世話をやいてもらいたいな、と、羨ましく眺める。
波多は今頃、何をしているんだろう。会いたくてたまらない。
毎日、顔を合わせていても、それでも足りないと思ってしまう。元彼女にすらそこまで執着していなかった。
こんな性格だから波多は恋人になってくれないのだろうか。
「俺って重いですかね」
ぼそっと呟いた言葉に、目を丸くしながら八潮と三木本が見る。
「今頃かよ」
三木本に言われ、やはりそうなのかと気持ちが沈む。
「でも、波多君は気にしないタイプだと思うよ?」
八潮がフォローするようにそう答え、三木本は「気にしますよ」とツッコミを入れる。
「でもさ、本当に嫌なら、料理教室までしてあげるかな」
「そうなんですよね! しかも名前で呼ばせてくれたし、波多さんのを舐めさせてもらいましたし……」
思わず、昨日のことがぽろりと口から出てしまい、三木本が喉をつまらせたか激しくせき込みだす。
「ぶはっ、げほ、ほごっ」
「三木本君、大丈夫? ほらお茶を飲んで」
と湯呑につがれたお茶を差し出す。
「で、どうだった?」
ニヤニヤとしながら続きを促されて、口を開きかけて三木本に手で塞がれた。
「むぐっ」
「あ、せっかく良い所なのに」
「良い所、じゃないです。真昼間から、しかも波多のプライベートなことでもあるんですよ!」
お前も言うなと、いつも以上に怖い顔で睨まれた。
「だけど聞きたいじゃない。どうだったかって感想を」
「駄目です。久世も、そういうことを他人にペラペラ話すと波多に嫌われるぞ」
「もがもが」
嫌ですと口にするが、掴まれたままなので言葉にならない。
「じゃぁ、波多君に聞こうかな」
「それはもっと駄目です。八潮課長、最低です」
パッと手が離れて三木本がトレイをもって返却口へと向かっていく。
「怒らせちゃったかな」
とニッコリ笑って頭を撫でられ、八潮もトレイを持って返却口へと向かった。
久世はまだゼリーが残っているので、一人残ってそれを食べる。
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