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上司と部下の「恋」模様
1・三木本
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八潮雄一郎は優しくて仕事の出来る先輩だ。三木本蓮にとって憧れの存在であり、目指すべき人でもある。
見た目のせいで誤解を受ける事が多々あり、そんな自分を何度もフォローしてくれた。
いつしか八潮の役に立ちたい。その一心で仕事を頑張った。そのかいもあり、八潮の傍に三木本有とまで言わせるほどとなった頃、思いはただの憧れから別の感情を持つようになっていていた。
結婚をする(しかも二度目)と聞いた時、この想いを伝え無かったことを悔やんだ。すでに気持ちが忘れられないほどに深い所まで浸透していた。
私生活は支えてあげられないが、仕事では自分が支える。その思いだけで恋心を胸の中の箱に詰めてカギをしめる。
時折、酷く痛むことがあるが、必要とされる事で押さえることができた。
だが、それから一年もたたぬうちに八潮の結婚生活は幕切れとなる。仕事を優先とする八潮に、寂しくて耐え切れなくなった相手が離縁を申し入れたのだ。
それも理解のうちで結婚したんじゃないのかと、三木本は怒りを感じたが、八潮は自分が悪いのだといい、離婚届に判を押した。
だから、この件で三木本が怒る事ではない。言いたかった言葉を飲み込んで、自分はいつまでも彼の傍にいようと心で誓う。
離婚してからというもの不規則な生活が続いているようで、少しやせたと思う。
昼に食事を摂らない時もあり、心配していた矢先のことだ、八潮が倒れたのは。
病院に駆け付けた三木本と波多に、八潮は面目ないと頭をかく。
「疲労ですって。仕事をし過ぎですよ、八潮さん」
と波多が荷物の入った紙袋を置く。
「ごめんね」
三木本は点滴のチューブに繋がれた腕を見つめたまま黙り込む。
無理にでも休憩させて食事をさせるべきだった、と、後悔ばかりが先に立つ。
「ちょっと、三木本君、真っ青だよ」
「え?」
確かに少し頭がぼっとするが、自分の事よりも八潮の事だ。
「俺は平気ですよ」
「とにかく、ここに座れ」
と波多に丸椅子へと座らせられた。
「すみません。俺が、八潮さんをフォロしきれてないから、だから……」
「君が自分を責める必要はないよ。これは僕の自己管理が悪いからであって」
「そうだよ。これは八潮さんが悪い」
「えぇ、波多君、なんか酷いっ」
「俺、もっと八潮さんの手助けを出来ていれば」
「充分助かっているよ。これは僕が悪いんだ。離婚したショックもあったしね」
だからもう自分を責めないで、と、手を握りしめられる。
そんなことがあって、三木本は八潮へ声を掛けるようになった。
見た目のせいで誤解を受ける事が多々あり、そんな自分を何度もフォローしてくれた。
いつしか八潮の役に立ちたい。その一心で仕事を頑張った。そのかいもあり、八潮の傍に三木本有とまで言わせるほどとなった頃、思いはただの憧れから別の感情を持つようになっていていた。
結婚をする(しかも二度目)と聞いた時、この想いを伝え無かったことを悔やんだ。すでに気持ちが忘れられないほどに深い所まで浸透していた。
私生活は支えてあげられないが、仕事では自分が支える。その思いだけで恋心を胸の中の箱に詰めてカギをしめる。
時折、酷く痛むことがあるが、必要とされる事で押さえることができた。
だが、それから一年もたたぬうちに八潮の結婚生活は幕切れとなる。仕事を優先とする八潮に、寂しくて耐え切れなくなった相手が離縁を申し入れたのだ。
それも理解のうちで結婚したんじゃないのかと、三木本は怒りを感じたが、八潮は自分が悪いのだといい、離婚届に判を押した。
だから、この件で三木本が怒る事ではない。言いたかった言葉を飲み込んで、自分はいつまでも彼の傍にいようと心で誓う。
離婚してからというもの不規則な生活が続いているようで、少しやせたと思う。
昼に食事を摂らない時もあり、心配していた矢先のことだ、八潮が倒れたのは。
病院に駆け付けた三木本と波多に、八潮は面目ないと頭をかく。
「疲労ですって。仕事をし過ぎですよ、八潮さん」
と波多が荷物の入った紙袋を置く。
「ごめんね」
三木本は点滴のチューブに繋がれた腕を見つめたまま黙り込む。
無理にでも休憩させて食事をさせるべきだった、と、後悔ばかりが先に立つ。
「ちょっと、三木本君、真っ青だよ」
「え?」
確かに少し頭がぼっとするが、自分の事よりも八潮の事だ。
「俺は平気ですよ」
「とにかく、ここに座れ」
と波多に丸椅子へと座らせられた。
「すみません。俺が、八潮さんをフォロしきれてないから、だから……」
「君が自分を責める必要はないよ。これは僕の自己管理が悪いからであって」
「そうだよ。これは八潮さんが悪い」
「えぇ、波多君、なんか酷いっ」
「俺、もっと八潮さんの手助けを出来ていれば」
「充分助かっているよ。これは僕が悪いんだ。離婚したショックもあったしね」
だからもう自分を責めないで、と、手を握りしめられる。
そんなことがあって、三木本は八潮へ声を掛けるようになった。
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