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上司と部下の「恋」模様
8・三木本
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別に興味本位でも良かった。心は貰えないのなら体だけでもつながることが出来れば、と。
そんな気持ちを見透かされた。八潮はから気持ち良くなれればそれでいいのかと、言われているような気がした。
手先が震える。
上手く操作できず、やっとの思いで連絡を入れる。
何度かのコールの後に「蓮さん」と耳元に低くそして優しい声音が自分の名を呼ぶ。
「今から会えないか?」
「大丈夫です。いつもの所で待ち合わせしましょう」
「あぁ」
男が男との出会いを求め、ホテルの近くにあるバーへとやってくる。彼とは一年前に知り合った。
名は利成(としなり)。洒落た服を着た爽やか系のイケメンだ。
もてそうな彼に、相手には不自由していないのではと聞けば、女性は好きだがヤるのは男が良いのだとこたえた。
それも三木本の様な目つきの悪い男が、自分の手でどうなるのかを見たいとかそんな事も言っていた。
互いに下の名前で呼び合い、それ以外の事は聞かないというルール。
なので知っているはその二つと連絡先、そしてどんな風に男を抱くかという事だけだ。
「蓮さん」
まだ相手の決まらぬ男達が一斉に彼を見て、待ち合わせと知るとため息を漏らす。そして羨ましそうに自分を見るのだ。
「行こう」
利成の腕を掴み出入り口のドアへと向かい外へと出る。
いつも利用しているホテルは、このバーから近い事もあり、自分たちの様な同性カップルが多い。
部屋に入るなり上着とネクタイを床に脱ぎ捨てて唇を重ね合う。
「ん、連さん、待って」
スーツをハンガーに掛ける彼の手を掴み、
「いいから、はやく」
「わかりました」
背の高さは八潮と同じくらい。少し見上げる位の身長差。
キスをしながら身体を煽られ、気持ちが高ぶりはじめる。
「利成、お前の事だけを感じたいんだ」
でないと八潮に中を乱された時の事ばかり考えてしまうから。
「ふぅん。誰か忘れられない男がいるみたいですね」
妬けますね、と、後を解すために指がはいりこむ。
「んっ、当たり前だろ。男は、お前、一人だけじゃない、からっ」
今までも、そしてこれからも、心から想う相手はただ一人だが。
「じゃぁ、その中でも一番に想ってもらえるように、貴方の中へ俺を刻み込ませて頂きます」
その言葉にくつくつと笑いだす。
彼では無理だ。一番は八潮以外にいない。
「俺の中へお前の全てを注ぎ込め」
心までは無理だが、上辺だけの快楽に身を預ける。
彼のモノが中へとはいりこみ、激しく揺さぶられる。
そして、何度目かイったあと、三木本は意識を手放した。
※※※
三木本は出社時刻より三十分前には会社に着くように家を出る。
その時間帯には八潮は既に出社しており、少しだけでも二人で過ごす時間が出来れば良いと思っての事だ。
いつもなら泊まらない、もしくは家に戻り着替えるだけの余裕をもってホテルを出ていたというのに、昨日と同じ身なりで八潮の前に立ちたくはかったが、そんな事を言っている余裕すらなかった。
「三木本君、もしかして、この前の彼に何かされたのかい?」
昨日と恰好が一緒だし、と、自分を本気で心配してくれている。
「あ……、昨日、友達の家で飲むことになってしまって。着替えとか持って行かなかったものですから」
自分の事を思ってくれているのだと胸が熱くなるが、昨日、利成とした行為を思うと素直に喜べない。
「いいんだ。君が酷い事をされていないのなら」
「課長、俺」
縋りつきたくて腕を伸ばすが、その手を避けるように、
「何もなければよいんだ。さ、席に戻ろうか」
とドアの方へと歩いていく。
一切、触れさせてくれないし、触れてくれない。
優しくされて浮上した気持ちを落とされる。
「ふっ」
力なく椅子に座り込み動けない。
暫くそのままでいたら、心配した波多が中へ様子を見に来る。
「三木本」
「悪い、今戻るから」
何事もなかったかのように席を立ち、デスクへと戻り仕事をはじめる。八潮の視線を感じたが見ないようにし、気持ちを切り替えていつもの自分へと戻る。ただ、痛む胸だけはどうしようもなかった。
そんな気持ちを見透かされた。八潮はから気持ち良くなれればそれでいいのかと、言われているような気がした。
手先が震える。
上手く操作できず、やっとの思いで連絡を入れる。
何度かのコールの後に「蓮さん」と耳元に低くそして優しい声音が自分の名を呼ぶ。
「今から会えないか?」
「大丈夫です。いつもの所で待ち合わせしましょう」
「あぁ」
男が男との出会いを求め、ホテルの近くにあるバーへとやってくる。彼とは一年前に知り合った。
名は利成(としなり)。洒落た服を着た爽やか系のイケメンだ。
もてそうな彼に、相手には不自由していないのではと聞けば、女性は好きだがヤるのは男が良いのだとこたえた。
それも三木本の様な目つきの悪い男が、自分の手でどうなるのかを見たいとかそんな事も言っていた。
互いに下の名前で呼び合い、それ以外の事は聞かないというルール。
なので知っているはその二つと連絡先、そしてどんな風に男を抱くかという事だけだ。
「蓮さん」
まだ相手の決まらぬ男達が一斉に彼を見て、待ち合わせと知るとため息を漏らす。そして羨ましそうに自分を見るのだ。
「行こう」
利成の腕を掴み出入り口のドアへと向かい外へと出る。
いつも利用しているホテルは、このバーから近い事もあり、自分たちの様な同性カップルが多い。
部屋に入るなり上着とネクタイを床に脱ぎ捨てて唇を重ね合う。
「ん、連さん、待って」
スーツをハンガーに掛ける彼の手を掴み、
「いいから、はやく」
「わかりました」
背の高さは八潮と同じくらい。少し見上げる位の身長差。
キスをしながら身体を煽られ、気持ちが高ぶりはじめる。
「利成、お前の事だけを感じたいんだ」
でないと八潮に中を乱された時の事ばかり考えてしまうから。
「ふぅん。誰か忘れられない男がいるみたいですね」
妬けますね、と、後を解すために指がはいりこむ。
「んっ、当たり前だろ。男は、お前、一人だけじゃない、からっ」
今までも、そしてこれからも、心から想う相手はただ一人だが。
「じゃぁ、その中でも一番に想ってもらえるように、貴方の中へ俺を刻み込ませて頂きます」
その言葉にくつくつと笑いだす。
彼では無理だ。一番は八潮以外にいない。
「俺の中へお前の全てを注ぎ込め」
心までは無理だが、上辺だけの快楽に身を預ける。
彼のモノが中へとはいりこみ、激しく揺さぶられる。
そして、何度目かイったあと、三木本は意識を手放した。
※※※
三木本は出社時刻より三十分前には会社に着くように家を出る。
その時間帯には八潮は既に出社しており、少しだけでも二人で過ごす時間が出来れば良いと思っての事だ。
いつもなら泊まらない、もしくは家に戻り着替えるだけの余裕をもってホテルを出ていたというのに、昨日と同じ身なりで八潮の前に立ちたくはかったが、そんな事を言っている余裕すらなかった。
「三木本君、もしかして、この前の彼に何かされたのかい?」
昨日と恰好が一緒だし、と、自分を本気で心配してくれている。
「あ……、昨日、友達の家で飲むことになってしまって。着替えとか持って行かなかったものですから」
自分の事を思ってくれているのだと胸が熱くなるが、昨日、利成とした行為を思うと素直に喜べない。
「いいんだ。君が酷い事をされていないのなら」
「課長、俺」
縋りつきたくて腕を伸ばすが、その手を避けるように、
「何もなければよいんだ。さ、席に戻ろうか」
とドアの方へと歩いていく。
一切、触れさせてくれないし、触れてくれない。
優しくされて浮上した気持ちを落とされる。
「ふっ」
力なく椅子に座り込み動けない。
暫くそのままでいたら、心配した波多が中へ様子を見に来る。
「三木本」
「悪い、今戻るから」
何事もなかったかのように席を立ち、デスクへと戻り仕事をはじめる。八潮の視線を感じたが見ないようにし、気持ちを切り替えていつもの自分へと戻る。ただ、痛む胸だけはどうしようもなかった。
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