真実の裏

Zero

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第2章『Lゲーム』

#13

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白鷺新一
 「どうやら僕たちは、この場所に閉じ込められたようですね」

俺たちが、ここから出ることは不可能な状況だった。
海や森で覆われていて、携帯も圏外で、絶体絶命だった。

坂木忍
 「なぜ、彼は死んだんだよ、」
白鷺新一
 「考えるとすれば…さっき飲んだのが毒入りだったとか?」
浜松里奈
 「そしたら犯人は、ワインを持ってきた坂木さん、グラスを持ってきた白鷺さんの2人かな、」
垣澤悠人
 「もう1人います、ワインを注いだ目黒さん、」
目黒理
 「…確かに」
広瀬麗子
 「じゃあ、この3人の中に若槻さんを殺した人が?」
鈴木夏海
 「ちょっと!誰なの?正直に言ってよ!」
舘山香
 「…この3人の犯行は難しいと思います。」
鈴木夏海
 「え?」
舘山香
 「もし、ワインに毒が入ってるとすれば私たちは既に死んでいます。それに部屋に行った若槻さんの声が聞こえましたよね?助けてとか、やめろとか。」
鈴木夏海
 「じゃあ犯人は誰なの?皆ここに居たんだよ!」
白鷺新一
 「となると、7号室の人…かな?」
目黒理
 「部屋の前には一人一人の名前が書かれてるはず、だが、7号室だけは名前が書かれていない。一体、7号室の人は誰なんだよ、」
舘山香
 「おそらく、苗字はサ行かタ行だと思うんですよね、」
目黒理
 「なぜ、そう思うんだ?」
垣澤悠人
 「部屋が男女別の五十音順だから…ですよね?」
舘山香
 「えぇ、」
目黒理
 「ホントだ、2人ともよく気づきましたね!」
舘山香
 「法則性を見つけるのが好きなんです!」
目黒理
 「法則性?」
舘山香
 「例えば!」
鈴木夏海
 「今はそんなこと、どうでも良いよね?」
舘山香
 「す、すみません」
目黒理
 「…7号室、見てみますか、」
浜松里奈
 「そうだね…」

俺たちは7号室の扉を開ける。その部屋の鍵は開いていた。
部屋を見ると、不気味な空気を醸し出していた。俺は電気をつける。

どの部屋も共通して、このような間取りになっている。

トイレ、浴槽、と何か手がかりがないか調べていくと、ベッドに1枚の手紙があった。そこには、こう書かれていた。

目黒理
 「by目黒理?」
鈴木夏海
 「やっぱり、あなただったの?」
目黒理
 「違う!これは何かの罠だ!」
鈴木夏海
 「なんで殺す必要があるの!」
目黒理
 「だから違うって!」
広瀬麗子
 「Lゲームという言葉を知っていたのは理さん、あなたと浜松里奈さんですよね?」
鈴木夏海
 「じゃあ犯人は2人で決定よね?」
舘山香
 「そんな簡単に、まだ姿を表してない7号室の住人のことを信じるって言うんですか?」
目黒理
 「舘山さん…」
坂木忍
 「念のため、今日は皆さん1ヵ所で寝ませんか?」
広瀬麗子
 「…女性陣からしては、男女で寝るというのは」
垣澤悠人
 「じゃあ、男女別で寝ますか?」

俺たちは全員で、そうすることに決めた。各々、入浴や食事を済ませ、俺ら男性陣は中央階段から1番離れた垣澤悠人の部屋へ、女性陣は反対側の里奈の部屋へと泊まることにした。

じゃんけんで決めた結果、垣澤と坂木がベッドに、俺と白鷺は床で寝ることになった。女性陣も一緒なのだろうか。そう思いながら俺は眠りについた。

夜中の1時半、俺は眠りから覚めた。おそらく床で寝ていたせいだろう。しかし、白鷺はぐっすり眠っているようだ。俺は、喉が渇き1階に行こうと思ったとき、消灯していたはずの廊下の電気が部屋のドアの隙間からついているのが見えた。俺は女性陣の誰かしらも1階に行ったのか。そう思いドアを開けた。すると、目の前には里奈が立っていた。

目黒理
 「…どうした?」
浜松里奈
 「…」
目黒理
 「里奈?」
浜松里奈
 「…助けて」
目黒理
 「何かあったのか?」
浜松里奈
 「…殺され」

すると、里奈はうつぶせになり倒れた。

目黒理
 「里奈、里奈!おい!」
白鷺新一
 「うるさいぞぉ、何かあったのか?」

俺の声で目を覚ました白鷺がこちらに来る。

白鷺新一
 「おい、何だよこれ、」
目黒理
 「分かんない、ドアを開けたら」
白鷺新一
 「…廊下には血の跡がない、しかし彼女からは血が出てる。」
目黒理
 「つまり?」
白鷺新一
  「犯行現場はこの部屋の前…ということだ。」
目黒理
 「で、犯人は?」
白鷺新一
 「…一旦、皆を1階に集めよう。」

-1F-

鈴木夏海
 「どう言うことよ!」
白鷺新一
 「落ち着いて!理、話せるか?」
目黒理
 「…」
白鷺新一
 「理くん…」
目黒理
 「悪いけど、1人にさせてくれないか。」
白鷺新一
 「…分かった。話せそうになったらこっちに来い」
目黒理
 「皆も、勝手ですみません。」
垣澤悠人
 「しょうがないですよ、幼なじみが殺されたんですから。」
目黒理
 「じゃあ失礼します。」

俺は、上の階へ行き自分の部屋に戻ろうとしたが、7号室に何か他に秘密があるかと思い、7号室へと向かった。相変わらず鍵はかかってないが、電気はついていない状況だ。俺はゆっくりと扉を開け、ベッドの場所まで歩く。すると…

「何やってるんですか?」
女性の声でそう問われた。俺はおそるおそる後ろを振り向くと、見ず知らずの女性がいた。その女性は持っていたカバンから包丁を取りだし、その刃を俺に向けこちらへと歩いてくる。

目黒理
 「あなたが7号室の住人ですか?」
女性
 「…」
目黒理
 「あなたが2人を殺したんですか?」
女性
 「…」
目黒理
 「答えてください!」
女性
 「…さよなら理さん。」
俺はとうとう壁まで追い込まれた。

そして、彼女は包丁を振りかざす。
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