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4. 友人の涙ぐましい努力2

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岬と約束した翌日から、俺は理人を誘って学食に来るようになった。
今まで理人と来る時は、目立つから隅の方に座っていたが、エアコンの効きが悪いとかごねて真ん中辺りの目立つ席に座った。

理人はカレーライス、俺はラーメンとオレンジゼリーを頼んだ。
小銭が足りないと言って、敢えてオレンジゼリー代は理人に借りた。
理人は「借りてまで食べたかったのか」と笑っていたけど、お前のためだよ。

これで仕込みはバッチリだ…

食べ始めた頃、ちょうど岬がやってきた。
ナイスタイミング!と思ったが、どうやらこちらに向かってくるのは岬というより、一緒にきたdomのようだ。

そいつは、真っ直ぐこちらに向かってきた。岬は俺たちに気づかずそいつの後を着いて来ているようだ。

「なぁ、あんた西園寺さんだろ?」

理人が顔を上げる。

「ちょっと俺のグレア、試してみてくんないかな」

いつもの悪趣味なアレだ。

「悪いが、もうdom探しはやめたんだ」

「え?もう見つけたってことか?そう言わずにちょっとだけでもいいからさ~」

「ご主人様の前で誤解されたくないんだ…そこを退いてくれないか…」

理人はそう言うと、隣の岬をうっとりと見つめている。

おいおい!俺のせっかくの自然な出会いの演出をぶち壊す気か!

「は?コイツneutralだぞ」

dom野郎が信じられない物を見るような目で岬と理人を交互に見る…

だよな…俺もそう思うわ…

「あれ?こないだのスポドリの人?」

岬が俺に気づいて話しかけた。
よかった、君が空気読まないタイプで…

おかげで変な空気は持ち直した。

「よう!こないだはどうも…」

俺はにっこりと微笑み返す。

「もうゼリー買っちゃったんだな…」

本当に律儀だ男だ。

「ああ…でも、俺こいつにちょうど借りがあるから、よかったらこいつに返してくれないか?」

「そうか。わかった…」

岬が理人に向かってペコっと頭を下げた。

よし!これで俺の仕事は終わった…

「こないだ、彼にスポーツドリンクを奢ってもらったんだ。何か奢るけどほしい物ないか?」

無事に岬が理人に話しかけるのを確認し、俺はほっと胸を撫で下ろす。

よし…このまま昼飯を食べながら自己紹介でもすれば、2人は晴れて友達だ

「いや、お金はいいから、ご主人様の時間を1時間だけ私にいただけないだろうか」

理人はとんでもない事を言い出した。
一瞬にして、その場が凍り付く。

ああぁ~せっかく俺が作った自然な流れが~~~!!!!

はぁ…猛獣使いの気分だ…
そうだ、忘れていた!こいつは超ハイスペックな阿呆だった…

自然な流れにこだわり過ぎず、理人にキチンと言い含めてまともなフリをさせるべきだった…

まぁ、後悔してももう遅いが…

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