異世界チートはお手の物

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第24話 号外

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 その後、来る日も来る日も自身の特訓とミーシャとのクエストを繰り返し、気が付けばベイルとの決戦当日になっていた。
 そして、今日はそれだけでなく、エミリアが退院できる日でもあった。
 なので俺はまずミーシャとともにエミリアに会うためにギルドに向かった。まあベイルともギルドに集合って事にしてたから一石二鳥なんだけども。

 ギルドに入るとエミリアが入ってすぐのテーブルに座っていた。どうやら俺達のことを待っていたようだ。俺とミーシャもそこに座った。

「おはよう2人とも。先日は本当にありがとね。この通りエミリア・ウィルフォード、完全復活しました! だから今日からまたよろしく、ユウト、ミーシャ」

「お、おう、よろしく。なんかテンション高い? まあ元気そうで何よりだけど」

「そうですね。元気なエミリアさんが見れてとっても嬉しいです」

「まあ十分すぎるくらい休めたしね。それにユウトとベイルさんが再戦するって言うんだもの。そりゃあテンションも上がるわよ」

 そう言うことか。まあ今日の再戦は王都の中でもそこそこ話題になってるらしいしな。

「で、どうなの調子は?」

「調子? まあ絶好調と言っていいかな。しっかり今日に向けて特訓できたし、仕上がってるぜ」

「それは楽しみね。この前の試合もいい勝負してたし、もしかしたら勝てちゃうんじゃない? ねえミーシャ」

「そうですね私はユウトさんが勝つと信じてます」

「ありがとよ、2人とも。もしかしたらじゃなく絶対勝ってみせるぜ。なんならワンパンで決めちゃうくらいの気持ちだ」

「ワンパンとは舐められたもんだなあ俺も」

「うおっ、ベイル!」

 いつの間にか俺達の話をそばで聞いていたベイルがガシッと俺の肩に腕を回してきた。

「俺だってこの一週間この日のために仕上げてきたんだぜ? そう簡単にやられはしないさ。まあ大口叩く余裕があるのはいいことだがな。がっはっはっ!」

 豪快に笑うベイル。
 まあ流石に俺もベイルをワンパンで沈められると本気で思っているわけではない。ベイルの強さは本物だ。仕上がってるとなると一瞬の隙が命取りになるだろう。これは一層気を引き締めないとな。

「で、ベイル。勝負はどこでやる?」

「ああ、場所ならこの前と同じギルド裏の空き地でいいだろ」

「そうか。ならそこで決まりだな。そんでもちろん肉弾戦オンリーの戦闘ってことでいいよな?」

「もちろんだ。お前もそのつもりで修行してきたんだろ?」

「まあな。ベイルとは肉弾戦で戦って倒したいからな」

「相変わらず度胸のある野郎で安心したぜ。さて、じゃあさっそく移動すっか」

「オーケイ」

「いよいよなのね。頑張りなさいよユウト。負けたら承知しないわよ」

「ユウトさん、ファイトです!」

 エミリアとミーシャから激励を受けつつ席を立とうとした時だった。

「号外ー!! 号外ー!! 凄い記事が出たぞー!!!」

 突然外からそんな声が聞こえてきた。な、なんだ? 何事だ?
 気になり俺達はギルドの外に出た。すると、新聞をばらまきながら走ってくる1人の青年が視界に入った。その青年はものすごい勢いで新聞をあたりにこれでもかとばらまき、そのまま走り去っていった。新聞屋の人なのだろうか。凄い仕事量だ。
 ばらまかれた新聞を一部ベイルが拾い上げた。

「おお、ガルロ新聞か。こいつは楽しみだ」

「ガルロ新聞? 有名なのか?」

「ああ。こいつは世界最大手の新聞社の新聞だ。世界中で読まれてる新聞で今みたいに何か事件があると号外を出したりもするんだ。えーっと、どれどれ」

 そう言ってベイルは新聞の一面に目を通し始めた。
 というかこの世界にも新聞とか普通にあるんだな。しかし、号外号外ってえらく騒いでたな。一体何が載ってるんだろう。早く読みたい。

「嘘……だろ……」

「え?」

 そう呟いたベイルの手から新聞が落ちる。

「まさか……、あ、あり得ねえ……」

「お、おい。どうしたって言うんだよベイル」

 ベイルは見たこともないくらい動揺していた。俺は地面に落ちた新聞を拾うと、エミリア達と一緒に一面の見出しを見た。そこにはこう書いてあった。


『S級第1位の冒険者リオン、遺体で発見される』と。
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