【完結】＞自殺の報いに、世界を救いましょう！

休戦

四日

　日が昇り、エアコン下の赤いLEDが消えるのを待ち、用意された車に乗り込んだ。
　眠っていた者は少なかったようで、皆目を赤くしていた。

　新施設は、突貫工事だったのか、塗料の臭いがする。
　カメラは剥き出しで、一台しかないのが、不安だが、移動は、滞りなく終わった。

　引き続き今日も休みだが、とにかく眠い。
　テレビをつけると焼身自殺の件が、繰り返し報道されていた。
　更に、警察の警備が薄かった第二の現場で、複数人の同時焼身自殺が起きていた。
　第一、第二（第三でもあるのだが）の現場は、厳重に閉鎖された。
　しかし、その場所を聖地とし、開放するよう要求するデモが、学生を中心とした人員構成で行われている。
　また、ジェネラルになる、との遺言（動画含む）を残した自殺が、全国規模で起こっていた。
　自称ジェネラルもモザイク越しに出演し、インタビューに答えていたが、その発言内容から、本物の可能性は低い、と判断され、組織からのアプローチは行われなかった。
　唯一、シラヌイと名乗る男性は、真正である可能性が高かったが、彼の語る武勇伝が荒唐無稽すぎ、組織のジェネラルの彼に関する報告と食い違いが大きい点、機密漏洩の可能性が高い点から、アプローチは見送られた。

　この夜は、初めての部屋、一台だけのカメラ、広がるジェネラルの波紋、と不安だらけで、よく眠ることはできそうもなかった。