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24:鴆の毒
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ああ、やっぱり。
「でも、中国の時代劇で知ったり、ニューギニアに行ったし、鴆の、いやピトフーイの羽根ですよ、持ってるのは!」
毒の「粉」って言われたかも、って思い出したの、もう忘れたな将兵。
「ピトフーイは、ニューギニア島固有鳥類6種の総称で、羽根にも毒があるのは、その一部です。もし持っているのが羽根でも、毒のある可能性は低いかもしれません」
でも、羽根ですらない可能性も出てきちゃってるよね、バカ将兵。
「時代劇といえば、一般的なのは江戸時代などの方で、これに出てくる印象的な毒が、斑猫の粉」
はんみょうって、山にいる虫のハンミョウ?
「甲虫の斑猫を干して粉にした毒薬です。致死量30ミリグラムのカンタリジンを含んでいます」
うわ、猛毒っぽい、っていいのハンミョウでしょ?
いるよ、山にいっぱい。
「ただ、ハンミョウには、毒がないんです」
意味わかんない。
「斑猫の粉は、漢方薬として日本に入ってきました、この斑猫は今でいうヨコジマゲンセイ、キオビゲンセイという甲虫なのですが、間違えて別の虫にハンミョウって名付けてしまったんです」
ええええー。
「だからハンミョウの粉だったら、毒ではないです。でも、中学生ですからネットで調べれば、無毒なのは分かるでしょうから。家族旅行で、例えば毒鳥の出現で親に心配されているのが分かった、とかで、このタイミングでの告白だったのかもしれませんね」
つまりは、鴆の羽根でもなければ、ピトフーイの羽根でもなく、斑猫の粉でもない、と。
「あくまで、可能性の話ですよ」
将兵は、黙り込んだ。
スマホで斑猫などを検索して、もし兄夫婦に言っていたら恥をかいたどころか、問題を拗らせていたかもしれないことも、理解したようだ。
でも、このオカルト好きの後輩は、懲りていないだろう。
どうするのがいいのだろう?
ここはじっくり、ビールでパパのお料理を食べながら、考えないといけない。
「どうぞ、ごゆっくり」
「でも、中国の時代劇で知ったり、ニューギニアに行ったし、鴆の、いやピトフーイの羽根ですよ、持ってるのは!」
毒の「粉」って言われたかも、って思い出したの、もう忘れたな将兵。
「ピトフーイは、ニューギニア島固有鳥類6種の総称で、羽根にも毒があるのは、その一部です。もし持っているのが羽根でも、毒のある可能性は低いかもしれません」
でも、羽根ですらない可能性も出てきちゃってるよね、バカ将兵。
「時代劇といえば、一般的なのは江戸時代などの方で、これに出てくる印象的な毒が、斑猫の粉」
はんみょうって、山にいる虫のハンミョウ?
「甲虫の斑猫を干して粉にした毒薬です。致死量30ミリグラムのカンタリジンを含んでいます」
うわ、猛毒っぽい、っていいのハンミョウでしょ?
いるよ、山にいっぱい。
「ただ、ハンミョウには、毒がないんです」
意味わかんない。
「斑猫の粉は、漢方薬として日本に入ってきました、この斑猫は今でいうヨコジマゲンセイ、キオビゲンセイという甲虫なのですが、間違えて別の虫にハンミョウって名付けてしまったんです」
ええええー。
「だからハンミョウの粉だったら、毒ではないです。でも、中学生ですからネットで調べれば、無毒なのは分かるでしょうから。家族旅行で、例えば毒鳥の出現で親に心配されているのが分かった、とかで、このタイミングでの告白だったのかもしれませんね」
つまりは、鴆の羽根でもなければ、ピトフーイの羽根でもなく、斑猫の粉でもない、と。
「あくまで、可能性の話ですよ」
将兵は、黙り込んだ。
スマホで斑猫などを検索して、もし兄夫婦に言っていたら恥をかいたどころか、問題を拗らせていたかもしれないことも、理解したようだ。
でも、このオカルト好きの後輩は、懲りていないだろう。
どうするのがいいのだろう?
ここはじっくり、ビールでパパのお料理を食べながら、考えないといけない。
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