【完結】cat typing ~猫と麦酒~第10回ドリーム小説大賞奨励賞

まみ夜

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番外編:秋

秋の台風

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※この話には、題名の通りに、台風の描写が出てまいりますので、ご注意ください。なお、登場人物たちには、大きな被害はありません。


 なんだか、物凄い台風が来るらしい。
 お店は、地下にあるために実は、先日の台風で階段から雨水が流れ込み朝、玄関の靴が濡れる破目になった。
 まあ、その程度で済んだし、僕の靴を乾かして終わりだったので、あまり気にしてはいなかったのだけど、ちょっとマズイ事態だ。
 しかも以前、気になって調べた住んでいる自治体の避難所運営マニュアルでは、動物は建物内に入れてもらえない。
 どうするか、野外に出しておけ、ということだ。
 それ用にテントとかを建ててくれるわけでもない。
 まして、今回は台風だから、吹きっさらしに猫たちを置いておくわけにもいかない。
 現実的でない『同行避難』なので、メールで改善されないのか問い合わせたが、「ご意見ありがとうございます。今後の課題として検討いたします」との定型メールがきたので、三か月後に進捗を問い合わせたら、返信すらない。
 つまりは、猫を連れての避難の選択肢は、ないのだ。
 となれば、自衛しかない。
 まず、思いついたのは、土嚢だ。
 いろいろ、と問題はあるが、とりあえずホームセンターへ行った。

 そこで僕は、途方に暮れた。
 土嚢は売っていないのだ。
 いや、正確には、土嚢「袋」しか売っていない。
 これに土をお入れください、という袋だ。
 どこかのグラウンドで土を掘るわけにもいかない。
 園芸用の土を買う?
 ホームセンターの軽トラを借りるにしても、現実的ではない。
 他の方法を検索して、止水板にたどり着いた。
 分厚い木の板を買って、これを固定すれば、なんとかなるかもしれない。
 どうやって固定するか?
 とりあえず、キャンプで水入れに使うプラスチックの容器を、水を入れて錘として買うことにした。
 これで、押さえれば、固定できるだろう。
 断水になったら、給水所に持っていこう。
 でも、隙間ができるから、それをどうやって埋めるか。
 テープなんかでは、すぐにダメになってしまうだろう。
 そう悩んで歩く僕に、ある物が目に止まった。

「えー、台風の時、お休みなの?」
 菊池さんが、不満そうに言う。
「ここで呑んでようと思ってたのに」
 いや、同じビルとはいえ、帰れなくなるかもでしょう?
「どうせ一人だから、どこで寝てもいっしょよ!」
 困るのは、僕だ。
 もちろん、地下のお店とメゾネットになっている僕の一階寝室からは、ロビーへ出られるので、外に出ずにビル内に入れる。
 菊池さんも使っているエレベーターの脇にドアがあるので、知っているとは思うけど、わざわざ思い出させることもないので黙っておく。
「だって、一人で怖いでしょ?停電になったら、どうしよう?」
 正直、暗闇の中で、猫の動きに驚いて、誰かが「ひっ!」とか悲鳴を上げたりする方が怖い気がする。
「懐中電灯は、あります?」
「ある。予備の電池も買ったけど、懐中電灯って、光が広がらないから不便よね」
 電池か、予備の充電池を充電しなおしておこう、メモメモ。
 ついでに、空飛ぶバッテリーも充電しておこう。
 空飛ぶハッテリーは、一キロちょっとでB五サイズくらいの大容量バッテリーだ。
 電気でもカセットガスでも冷やせるクーラーボックスを持っているが、そのポータブル版のクーラーバックを買ったのだ。
 これは、ガスでは冷やせないけど、シガーソケットから給電ができて、空飛ぶバッテリーが、これに対応している。
 大きなクーラーボックスを屋上に持ってあがるのが億劫になったので、最近はこちらのセットが活躍していた。
 五百ミリリットルの缶ビールなら五、六本入るので一晩、屋上キャンプには十分なのだ。
 停電になったら、スマホが情報の頼りだから、これがあれば十回以上フル充電できる。
「懐中電灯に、コンビニとかのビニール袋をクシャクシャにして被せる、とランタンみたいになりますよ」
 袋で光が乱反射して、間接照明みたいになるのだ。
「それ便利。コンビニの袋、いっぱいあるし」
 うん、その情報はいらない、寂しくなるから。

 台風に合わせて、お店はお休みにし、事前に冷蔵庫、冷凍庫の食料も消費しておいた。
 停電になったら、ダメにしてしまうからだ。
 日持ちの意味が、逆転してしまう。
 実際になったら、冷凍庫の保冷剤やアイスノンを移して温度をキープする気ではいるけど、卵とヨーグルト、ビールくらいしか残っていない。
 食料は、お米があるので、カセットガスコンロで炊いてレトルトとか缶詰オカズでいいか、くらいに考えている。
 水はあるので、プロテインに粉飴でも最悪なんとかなる。
 ちなみに、水は猫用は買ってきたペットボトル、僕用は適当な容器に水道水を入れて、冷蔵庫に保存している。
 このとき、浄水器を通さないで、塩素が残っていた方が、保存にいい。
 まあ、猫の方が、胃腸が繊細だから仕方ない。
 念のために朝、いつもより多めに、ドライフードをあげる、と「何を企んでるんだか知ってるんだからね」といった目で、雪さんが睨んできた。
 雨くんは、食べすぎて、ちょっと吐いた。

 階段の地上口に買ってきた板を立てかけ、水を入れた錘で固定した。
 やはり、隙間があるので、それを塞ぐように、吸水ポリマー土嚢を置いた。
 これは、平な板状なのだけど、水を吸う、と内のポリマーが膨らんで、土嚢になる。
 しかも、天日干しすれば、時間はかかるけど、かなり元のサイズに戻るので、廃棄もしやすくなる優れ物だ。
 階段外で作業していた僕は、その出来栄えに満足し、中に入れないことに気がついて、ビルの一階から寝室経由で戻った。

 階段の地下側、玄関前にも同じように止水板と土嚢を配置し、玄関ドアも隙間があるので、養生テープを貼って、内側にも念のため土嚢を置いた。
 あとできるのは、浴槽に水を貯めておくくらいか。
 早目に夕食を摂って、風と雨音の中、お店でテレビを二画面にして、撮りためていた海外ドラマと国営放送を並べて視ている、と電気が消えた。
 停電だ。
 真っ暗にはならず、壁の地震保安灯がついている。
 これは、地震で揺れたり、停電になる、と自動で点灯するライトだ。
 壁のコンセントに刺しておけば、勝手に充電してくれるた上、今のようにコンセントの給電が止まったり、地震があったら自動点灯するので、「夜中に地震で起きたら暗闇で」はないので、パニックにならないで済む。
 それの一個を手に、ローテーブルに置いておいた、マイクロクアッドを点けた。
 これは、四分割されたLED発光部分を、短時間なら取り外しても使える電池式のミニランタンだ。
 卓上に置いて、広範囲を照らすのも、一部を外して懐中電灯のようにも使えるのだ。
 ついでに、菊池さんにも教えたように、コンビニ袋を被せる。
 これで、直視しても眩しくなく光が拡散して、お店の中が、ぼんやり見える程度にはなった。
 まずは、水道の水が出るかの確認、問題なかった。
 ガスは、万が一どこかでガス漏れがある、と怖いので、放置。
 玄関ドアから水の侵入がないのを確かめて、寝室から一階のロビーへ。
 入口ドアの隙間から、けっこう雨が吹き込んでいる。
 業者さんが、濡れた床での転倒防止に、バスタオルのようなのを何枚も敷いてくれていたので、滑りはしないが、かなり湿っていた。
 なんとか外を見る、と階段前の土嚢が、いくらか膨らんでいるようだ。
 雨を吸ったのだろう、膨らんでくれれば、うまく止水版の隙間を埋めてくれるだろう。
 戻ったら、猫の姿が見えなくなっていて、驚いたが、いつもは潰して使っているドーム状の中に一緒に入り込んでギュウギュウになっていた。
 風が強いせいか、一階寝室の窓サッシから、少し雨が吹き込んできていたので、タオルを置いて、BCAAの空容器をバケツ代わりに絞っていたが、三十分ほどして、「目張りをすればいい」と漸く思いついて、養生テープを貼った。
 しばらく見守っていたら、吹き込みが止まったようだが、念のためタオルも当てておいた。
 それで、やることがなくなってしまった。
 停電中なので、テレビは視られない。
 そうか、ラジオを買っておけばよかった、メモメモ。
 スマホでテレビをつけてみたが、同じ情報の繰り返しなので、充電の充てがあるとはいえ、温存したいので止めた。
 ちょっと悩んで、マイクロクアッドの充電池を残した方が自由度が高くなるので消して、上を向けて置いた地震保安灯にコンビニ袋を被せて、常夜灯にした。
 なんとなくストレッチを始めて、暑くなっても、エアコンが使えないことに気がついて、止めた。
 万が一のためのキャリングケースを手元に引き寄せ、猫たちの側に、薄暗がりの中、寝っ転がる。
 雨と風の音、そしてどこかの玄関ゲートだろうか金属音、救急車のサイレン。
 コンビニ袋を被った常夜灯のせいで、いつもと違う、見慣れない天井を見上げる。
 明るくなるまで起きていよう、と思っていたのに、いつの間にか寝ってしまっていた。

 明るさに目が覚め、寝ていたことに気がついて、慌てて周りを見る、が浸水はない。
 玄関に周ったが、土嚢は膨らんでいなかった。
 それでも、油断して開けたら、水が入ってくるのは怖いので、とりあえずそのままにする。
 まあ、外開きなので、外に水が溜まっていたら、開かないだろうけど。
 一階寝室の窓からの吹き込みも止まったままで、タオルは湿った程度。
 ロビーへ出たが、こちらも冠水はなく、階段前の土嚢がパンパンに膨らんでいるのが見えた。
 それだけ確認して、お店に戻って、水道から水が出るか、濁ってないかの確認、ガスは放置。
 猫たちの水を代えて、ドライフードをあげた。
 ただ、猫たちは、やはり夜中が煩かったからだろうか、一口二口だけで、僕のベッドへ寝に向かっていった。
 その後ろ姿を見送っていたら、電気が復旧した。
 ああ、この科学文明のすばらしさ!
 冷蔵庫を開けたら、保冷剤などを移していたせいか、一晩だけだからか、まだ卵は冷たいままだった。
 テレビを視ながら、電子レンジで朝食の準備を始めていたら、スマホにメールが飛び交い出した。
 一番、早かったのはアニキ。
 あちらは問題なかったようで、停電したのを伝えたら、アニキ宅でお風呂に入れるように車で迎えに来る、と言い出したが、もう復旧したし、自分の家族の面倒を見なさい、とお断りした。
 でも停電だ、とガス給湯器が使えないのは、気がつかなかった。
 真冬だと、それが辛いかも。
 猫たちの暖をとる方法も考えておかない、といけない。
 カセットガスコンロでお湯を沸かして、湯たんぽだろうか。
 忍さんから、オヤジに頼まれた感丸出しの嫌々そうな安否確認メール。
 あちらも停電のようだが、今のところ不便はなく、むしろ二人で同じ部屋で寝起きしているので邪魔しに来るな、的な内容だった。
 師匠のラブラブなメール、タカチさんからの心底心配そうなメール、猫オバチャン&猫会長からの猫無事メール、百田さんからのジム再開お風呂無料開放メール、獣医さんからの診療受付開始メールなどなどなど。
 僕は、それを眺め、返信しながら、冷蔵庫に手をかけ、冷え切ってないビールを思って、肩を竦めた。

 僕は、一階から外へ出て、階段上の止水板と土嚢をどかして、絶望した。
 階段下の止水板前に、雨水が貯まっていたのだ。
 バケツですくって、階段を上り、道路脇の排水溝へ捨てるのを、ひたすら繰り返した。
 そして、雨水を吸って抑え込んで、パンパンに膨らんだ土嚢を階段上へ運ぶのを、ひらすら繰り返した。
 後日、階段前とロビー玄関前に、浮力起状式止水板の設置が決まった。

 メールも返信もなくて心配だった菊池さんは停電の中、一睡もできなかったようで、朝になって爆睡したらしい。
 お店に泊まらせてあげたらよかったかな、と後悔した。


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被災された方々へお見舞い申し上げます。
また、災害助成金や募金が、本当に必要なところで使われますように。
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