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第二部 第3章
426.ネロウディアスとあかいとりさん
しおりを挟むネロウディアス皇帝視点
「ぅぬ!? まぶし……っ」
先程から目をやられそうな眩しさばかりなのだ。
「イーニアスっ、ノア、そこにいるか!? 公爵も」
「はい。ちちうえ」
「いりゅのよ」
「皆、はぐれてはいない」
良かった。
眩しくて閉じていた目を開けると、そこは真っ暗な空間で、子供たちがどこにいるのかが見えぬ!
「イーニアス、ノア、どこなのだ!?」
「ここです」
「ここなの」
足元から聞こえてくるから、そばにいるようだ。
声が聞こえたほうに手を伸ばし、腕の中に抱き込む。
「ちちうえ、くるしいです」
「ネロおじさま、くりゅち……」
「うむ。すまぬのだ。良かった。二人とも無事か」
『みーんなぶじ!』
『まっくらー!!』
妖精たちの目にも真っ暗にうつるのだな。徐々に暗さに慣れてきたようで、二人の輪郭が見えてきた。その時だ。
【来たか!! イーニアスよ!】
老人の声が聞こえ、炎が朕たちの周りに一気に拡がって、空間が明るく照らされたのだ。
「な、何なのだ!?」
「「あかいとりさん!」」
火の鳥だ!! 大きな火の鳥が、朕たちの目の前にいるのだ! なんと! 鳥が喋っているのだ!? そういえばこの声……、偶にイーニアスや朕と念話している『あかいとりさん』ではないか!!
【ん? そこに居る者は初めての顔か】
「ちちうえです。あかいとりさん、このあいだ、ちちうえと、もけいのはなしで、もりあがっていました」
【おおっ、ネロウディアスか! 念話だけで、映像を見ておらなんだからな。わからなかった】
やはり、あの『あかいとりさん』か!
「先日の念話ぶりなのだ!」
イーニアスと共に近づくと、バサっと炎の羽を広げるではないか。
「あかいとりさん、やっぱりきれいですね。ちちうえ」
「う、うむ。すごいのだ」
【そうだろう、そうだろう! やはり焔の加護を持っておる者はわしの素晴らしさがわかるようだ!】
老人の声で、上機嫌にカカカッと笑う火の鳥に、凄いと思うワクワクした気持ちと、どうやって喋っておるのか、という不思議な気持ちで、口が開きっぱなしなっていた。
【ネロウディアスよ、おぬしが言っておった、模型の……】
「そんなどうでもいい話をしている暇はない。風と水の神殿へ行く、転移陣はどこだ」
あかいとりさんと話をしていたら、公爵が遮ってきたのだ。
【なんという失礼な奴か!】
「うるさい。私たちの目的は最初から風と水の神殿だと、伝えてあっただろう」
【な、なんという迫力! この男、本当に人間か!?】
「人間だ」
公爵は人間ではなく、魔王なのだ……
「あかいとりさん、みずと、かぜのしんでんに、いきたいのだが、どうすれば、よいのだろうか?」
【おおっ、イーニアスはこの魔王のごとき男と違い、可愛い子よ!】
フフフ……。そうだろうとも! 朕のイーニアスは世界一可愛いのだぞ。
【風と水の神殿であったな。よしよし。イーニアスとネロウディアスは風と水の神の加護がないが、一緒に行く気か?】
「はい! ほかのしんでんも、いってみたいのです」
「朕も、色んな神殿に行ってみたいのだ!」
【う~む……とはいえ、東の神殿内に入るのは、小僧か魔王が管理者にならねばな難しい。二人は小僧らが管理者になるのを待ち、行くというのはどうか?】
「私は人間だ」
それまではここで待てば良い。と提案してくるあかいとりさんに、イーニアスと目を合わせ、それで良いと頷く。
「わかりました。わたしと、ちちうえは、ノアが『かんりしゃ』になるまで、ここでまちます」
【よし! では小僧と魔王はこっちへ……】
「魔王ではない。人間だ」
あかいとりさんがまだ話している途中で、訂正するとは……公爵、そんなに『魔王』と呼ばれるのは嫌なのだな。しかし、話の腰を折ってはダメなのだぞ。
「ドキドキ、しゅる!」
「ノア、かんりしゃになったら、わたしを、よんでくれ」
「はい!」
うん、うん。子供たちは可愛いのだ。
【では、東の神殿に送るぞ!】
あかいとりさんの言葉と共に、公爵とノアは消えてしまったのだ。
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